川上弘美 No.4.5◇七夜物語・下◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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さくらんぼのクラフティーを食べた後、最後の夜がやって来る。ーーーかつてないほど困難な問いかけと最後の冒険が始まる。

 

 

 

 

◇七夜物語・下◇ -Nanayo Monogatari Vol.3-

川上弘美

 

 

グリクレルの台所でさくらんぼのクラフティーを食べながら、 忘れられない夜を過ごしたさよと仄田くん。 やがて最後の夜を迎えたふたりは、夜の世界の住人たちを 「ばらばら」に壊そうとする力と対決する。 そして、七つの夜があけると――。 

 

 

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「ウバ」と闘い、話をした夜から帰って来たさよと仄田くんは悪魔に魘されるようになる。そんな中さよはお母さんと散歩中不思議なものを拾う。仄田くんが調べてくれたおかげでそれがさくらんぼの種をくり抜く為の道具であることは分かったが、どうして仄田くんはそれがあっという間に分かったのだろう……

 

 

果たして6つ目の夜は最初と同じくグリクレルの台所から始まり、さくらんぼのクラフティーを作ることに。そのパーティーには仄田くんのちびエンピツやさよの「ナハト」もやって来て一同は命の歌を奏でる。

 

 

6つ目の夜を終えた2人には宛名のない年賀状が届く。しかも内容までお正月らしくない上にさよと仄田くんとでは全く真逆のことが書いてあったのだ。「春の前の日」が立春ではないかと気が付いた2人は最後の夜の為の準備を行う。果たして最後の夜、硝子門扉の向こうで待っていたものとはーーー

 

 

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「七夜物語・下」です(・∀・)

いよいよ下巻、最後の冒険が始まろうとしています。6つ目の夜に出てくるクラフティーとはフランスの伝統菓子で19世紀には既に全土に広がったポピュラーな焼き菓子のことです。写真見たらめちゃくちゃ美味しそう……グリクレルのせいで食べたくなってきた←

 

 

下巻は最後の冒険に相応しく今までで1番ハードでシリアスで傷だらけです。さらに「綺麗な子どもたち」「薄汚い子どもたち」が惑わすし、究極の敵とも言える存在がさよと仄田くんを襲います。究極の敵と言ったらやっぱり……!! ですね。

 

 

7つの夜が明けた時、夜の世界はどうなる? に対する答えは切ないですね……さよも仄田くんもすっかりグリクレルやちびエンピツたちが好きになっていたからこんな結末……。゚(゚´Д`゚)゚。 でもさよと仄田くんの世界は夜の世界とは違うからこうなるのが最良の答えだったのかも知れません。夜の世界は1つではなく、さよと仄田くんでは無い別の誰かの為の夜の世界が出来れば彼らはまた生き続けられる。さよと仄田くんも微かに覚えていることがあるように。

 

 

冒険を終えた2人に訪れた必然とも言える変化と意外な変化。これはある意味大人になる為の通過儀礼だったことを表しているのかも……ちょっとある作品を思い出しました。と言っても作風は全然違うし、起こることはとてつもなくハードだし、感情のぶつけ合いは生々しいけれどエンディングの後味が似ているんですよね。

 

 

「七夜物語・下」でした(・∀・)/ 

次は戦火に包まれたアトランタから戻ってきたスカーレットを待っていたのは…… (*^o^*)/