スタニスワフ・レム No.18◇泰平ヨンの未来学会議◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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薬物が全てを支配する世界を前に、泰平ヨンは!?

 

 

 

 

◇泰平ヨンの未来学会議◇ -Kongres Futurologiczny-

スタニスワフ・レム 深見弾・大野典宏 訳

 

 

地球の人口問題解決の討議のため開催される世界未来学会議に出席せんと、コスタリカを訪れた泰平ヨン。ところが、会議の最中にテロ事件が勃発。ヨンたちは、鎮圧のために軍が投下した爆弾の幻覚薬物を吸ってしまう。かくしてヨンは奇妙な未来世界へと紛れ込む…。レムがブラックな笑いでドラッグに満ちた世界を描きだす、異色のユートピアSF。

 

 

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泰平ヨンは第8回世界未来学会議に出席する為にコスタリカに降り立った。場所はコスタリカ・ヒルトン・ホテル。ところがテロが勃発し、泰平ヨンは〈誘愛弾〉なるものを吸ってしまう。なんとかしてヒルトンの下水道に避難したが、今度はどういうわけか彼の脳を救う為に別人の身体を提供され、冬眠状態に入らされる。「解凍」された時、世界は150年後であらゆる幻覚を見せるドラッグがまかり通っていた……

 

 

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「泰平ヨンの未来学会議」です(・∀・)

ここでも登場した泰平ヨンが体験する幻惑ドラッグによるはちゃめちゃ未来ものです。ドラッグというのは確かに幻惑を見せるものです。それは分かります。しかし本書に登場するドラッグはその度が過ぎています。何しろ幻覚が現実に置き換えられ、人間の感情まで薬が支配しているのだから……一方新しい言葉が出てくるところは面白いとも思ったり。多和田葉子みたいだ。

 

 

「星からの帰還」で同じテーマを扱っていますが、本書の方が薬物が感情のみならず世界を構成する意味でまかり通っているという点でより恐ろしい。自我を保つにも薬物が無いとやってられない、全てにおいてとドラッグドラッグドラッグ……やだよこんな未来!!

 

 

あとそれとこの作品、映画化されたんですね。私が買ったのは映画のシーンが印刷された帯付きだったのですが……いや、これもう別物じゃん!?←

 

 

「泰平ヨンの未来学会議」でした(・∀・)/

次は「文豪ストレイドッグス制覇計画」、災厄の中心近くにいる魔人ドストエフスキーのアジトを探ります (*^o^*)/