未来の書物を読みに行きませんか?
◇虚数◇ -Wielkość Urojona I Golem ⅩⅣ-
スタニスワフ・レム 長谷見一雄・沼野充義・西成彦 訳
人体を透視することで人類を考察する「死の学問」の研究書『ネクロビア』バクテリアに英語を教えようとして、その予知能力を発見したアマチュア細菌学者が綴る「バクテリア未来学」の研究書『エルンティク』人間の手によらない文学作品「ビット文学」の研究書『ビット文学の歴史』未来を予測するコンピュータを使って執筆されている、「もっとも新しい」百科事典『ヴェストランド・エクステロペディア』の販売用パンフレット。人智を越えたコンピュータGOLEM 14による人類への講義を収めた『GOLEM 14』様々なジャンルにまたがるこれら5冊の「実在しない書物」の序文とギリシャ哲学から最新の宇宙物理学や遺伝子理論まで、人類の知のすべてを横断する『GOLEM 14』の2つの講義録を所収。架空の書評集『完全な真空』に続き、20世紀文学を代表する作家のひとりであるレムが、想像力の臨界を軽々と飛び越えて自在に描く「架空の書物」第2弾! 知的仕掛けと諧謔に満ちた奇妙キテレツな作品集。
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1.ネクロビア(ツェザーリ・シチシビシ)
(Nekrobie)
2.エルンティク(レジナルド・ガリヴァー)
(Eruntics)
3.ビット文学の歴史(J・ランベレー博士)
(L'Histoire de La Literature Bitique)
4.ヴェストランド・エクステロペディア
(Vestrand's Extelopedia)
5.GOLEM ⅩⅣ(まえがき:文学博士アーヴィング・T・クリーヴ 序文:合衆国陸軍退役大将トマス・B・フラー2世 あとがき:リチャード・ポップ)
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「虚数」です(・∀・)
こちらと同様、架空書物もの、第3弾。架空書物と称して実は未来で読まれている書物かも!?と謳っています。
そう考えると未来の人類ってもう私たちとは全く別の考え、別の体験を持つ別次元の人間か!?と唸らされる羽目になります。どうしてどうして、もう難しくて……
本書の目玉は最後の天才ーーーというには次元が違いすぎますがーーーコンピュータ「GOLEM ⅩⅣ」。人類の知性とは、宇宙の知性とは。その限界と邂逅しても相容れないことを即物的に伝えています。レムの永遠のテーマですね……GOLEM ⅩⅣと姉貴分?「HONEST ANNIE」は最後、どこへ行ってしまったのか、死では決してないですね。絶対に人間はたどり着けないところだから……そこに辿り着いたら人間はレムの世界で出会った沢山の知性を本質的に理解することが出来るのでしょうか。そんな理解求めちゃいないだろうが……
「虚数」でした(・∀・)/
次は残っていた、ノルウェー・ミステリです(*^o^*)/