ジョルジュ・シムノン No.123◇死の脅迫状◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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家庭内不和に満ちた家の主人に届いた死を予告する脅迫状は嘘か、真か!?

 

 

 

 

◇死の脅迫状◇ -Menances de Mort-

ジョルジュ・シムノン 長島良三 訳

 

 

殺人を予告する手紙を受け取ったという兄。双子の弟は、それを狂言だと言うのだが……

 

 

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6月のある日、メグレは局長から呼び出しを受ける。面会人はエミール・グロボワという男で最近死を予告する脅迫状を受け取り、メグレに護衛を依頼しに来たのだ。メグレは休日を返上してクードレイに向かうが、エミールは双子の弟オスカール、姉のフランソワーズとその子供たちと仲が悪く、皆、脅迫状を眉唾物だと思っていた……

 

 

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「死の脅迫状」です(・∀・)

シムノン作品の中ではあまり知られていない中編ですが、金銭的にも健康的にも恵まれていながらも不和に満ちた家庭を書いた佳作の1つだと思います。脅迫状を狂言だと疑う弟、兄弟に怯える姉、抑圧された甥と姪、疑り深く怒ることしか能の無い主人……これ、ノンメグレものにしたら傑作になったと思います。

 

 

また本作ではメグレが家族に対して軽蔑と嫌悪を隠しきれないところにも注目です。対象者に対して抱く感情がメグレにとっては大きな手がかりなので正直に思ったり、時には発言したりします。ある意味メグレにはクードレイに着いた途端に事件の本質が分かったのでは無いかと思います。

 

 

「死の脅迫状」でした(・∀・)/

次は復活〜……って、え、復活ってどゆこと??← (*^o^*)/