中原中也 No.2◇中原中也詩集◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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哀惜と惜別に満ち満ちた夭折した詩人の叫び!

 

 

 

 

◇中原中也詩集◇

中原中也 吉田凞生 編

 

 

愛する者よ、無垢なる日々よ――。 
生と死のあわいを漂いながら、失われて二度とかえらぬものへの、あふれる惜別の想いを、ノスタルジックにうたい続けた、夭折の天才詩人、中也。哀切で甘美なことばが、胸をうつ調べとなって響きあい、はかない余韻が心に沁みる2冊の詩集『山羊の歌』『在りし日の歌』に、詩集として編まれなかった作品も併せた140篇の詩篇を収録。 

 

 

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1.山羊の歌

・初期詩篇

・少年時

・みちこ

・秋

・羊の歌

 

 

2.在りし日の歌

・在りし日の歌

・永訣の秋

・後記

 

 

3.未刊詩篇

 

 

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自分が捕まれば元相棒の中也が乗り込んでくると分かっていた太宰さんは中也と格闘します。中也が太宰さんについて「わざと捕まった」ことが分かったように、太宰さんも中也に有利になるように見せかけて、敦くんに対して賞金首かけた人間たちの情報を入手するために凡ゆる策略を講じていました。中也が太宰さんによって良いように振り回されるこの図は……まるで太宰さんの「黒の時代」のよう。在りし日々の出来事。

 

 

3巻の第11話の題は「在りし日の……」。中原中也の代表作にして遺作の「在りし日の歌」の登場です。

中也は30歳の早逝ですから詩集は「山羊の歌」と「在りし日の歌」しか有りません。しかも後者は死後出版なので中也は目にすることは有りませんでした。託された小林秀雄、出版グッジョブだ!← これを託した本当にすぐ亡くなったことに気がついたら涙腺崩壊するしか無かった←

 

 

亡き文也に対する惜別の歌がただただ悲しい。゚(゚´Д`゚)゚。

あまりにも早過ぎる死んだ子どもの居ない世界を歌った詩に父親の、いやそれを超えた人間中也の哀しさが滲み出て出て悲壮に切なくなります。もう「また来ん春」とか「春日狂想」とか涙腺崩壊。……世の中に悲しい例はいくつもあるけど世界で1番悲しいのは子どもを亡くした親の姿だよなぁ……

 

 

読んでいて中也の歌は読む、では無く唱う、が相応しいと思いました。思わず口ずさみたくなるというか、声に出すことが中也の惜別と哀切さを我が物にする1番良い方法だというか……中也は口に出して歌うように詩を紡いだんだな。書くだけでは中也の哀切哀惜は表現できない。いや、詩とは皆、そうしたものか。

 

 

「中原中也詩集」でした(・∀・)/

次は死を予告する手紙が届く!?(*^o^*)/