ベスト・オブ・レム!
◇すばらしきレムの世界 1◇ -Opowiadania-
スタニスワフ・レム 深見弾 訳
東欧SF界の巨星が描く奇想天外の宇宙譚。天空の彼方から飛来した謎の物体をめぐり地球人が大騒ぎを演じる『侵略』、コンピューターと合体して神になろうとする『友人』、肉体の全てを、つまり脳までも《サイバネチックス・カンパニー》から購入した男の裁判をめぐるドタバタギャグ『ミスター・ジョンズ、きみは存在しているのか?』など満載!
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1.ミスター・ジョンズ、君は存在しているか?
(Czy Pan Istnieje, Mr.Johns?)
……被告人ハリー・ジョンズは元カー・レーサー。彼は義肢から心臓までの臓器を《サイバネチックス・カンパニー》から買い求めたが、いつしか支払いを滞納するように。しかし脳までも人口だとすると、今裁判に出て訴訟人に不服を訴えているのは……?
2.迷路の鼠
(Szczur W Labirycie)
……キャンプ場で隕石落下のニュースを読んだロバートとカールはその直後、その隕石そのものを目の当たりにする。翌朝隕石を探しに出た2人はいつしか弾力性のある何かに横たわっていてそこには光る魚が……
3.侵略
(Inwazja)
……平和な田舎町に洋梨型の半透明な物体が落下した。軍が調査を開始すると梨に触れた大尉がショック反応を起こしてしまい……果たしてこれの正体とは?
4.友人
(Przyjaciel)
……アマチュア無線電信士クラブの指導員助手のわたしはハーディンという男から銅線とプラグを貸して欲しいと請われる。友人の為にこんな頼みをするハーディンの態度は不可解で秘密主義的だ。果たして友人とは何者で、彼の目的とは何なのか?
5.アルデバランからの侵略
(Inwazja Z Aldebarana)
……宇宙人アルデバラン人の地球の侵略は、どうして失敗と相なった?
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「すばらしきレムの世界 1」です(・∀・)
その名もベスト・オブ・レム。レム自選の短編が5作収録されています。宇宙人が登場しては地球侵略に失敗したり、最先端技術が「人間とは?」の意義を問い直したり、神になろうとしたり、SFの魅力が詰まっています。
1は恐らくこの先移植技術等が発達したら起こり得る問題です。人間はどこまで人間たりえるか? ここではドタバタギャグになっていますが、私はドタバタギャグと笑えない……2、3、5は宇宙人もの。どれもはっきりとした説明は無いのが薄ら寒い……4に至っては人が神になろうと企むバベルの塔になろうとする話ですし……しかしレムの文章ってなんか読みにくい……密度的なものでは無く、文法的な問題なんでしょうが、訳する人の苦労が分かります……
「すばらしきレムの世界 1」でした(・∀・)/
次は〜……なんとメグレの財布がスられる!!(*^o^*)/