英仏海峡のヨットからは遺体が2つ。殺人犯は3人のうちの誰か! フレンチ、タナー、ウィリスの文殊の知恵が冴える!
◇英仏海峡の謎◇ -Mystery in the Channel-
F・W・クロフツ 井上勇一 訳
英仏海峡をフランスへ向かう定期連絡船。バカンス客で満員のチチスター号の進路を横切って漂流する一艘の小型遊覧船ヨットがあった。そのハッチに頭を撃たれた男の死体、船室にはさらに別の男の死体が。どちらも死んで一時間ほどしかたっていないばかりか、二人以外にヨットの中には誰一人いなかった! 海の上の密室で起こった証券会社社長と副社長の死の謎を追うフレンチ警部。
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英仏海峡を渡っていた客船チチスター号は漂流していると思しきヨットを見つけた。ヨットは動いていなく、人の動きもない。果たして乗員は死んでいたのだーーー
死んでいた2人の男は死んで1時間しか経っていなかった上に凶器が見つからなかった。殺人だ! しかしそれなら殺人鬼ーーーもう1人の乗員はどこへ消えたのか?
死んだ男たちはモクスン証券会社の社長と副社長で、会社は直後に倒産した。さらに金策の150万ポンドも紛失した。犯人は重役3人の誰かに違いない。しかもそのうち2人は行方不明。フレンチ警部は同僚のタナー警部、ウィリス警部と一緒に事件を調査するーーー
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「英仏海峡の謎」です(・∀・)
はたまた海の事件です。今回は「ヨットを覗いたら遺体がありました」パターン。遺体しかないヨット、死んでまもない遺体……なんか怪談話の匂いが漂いますが、そんな気配は最初だけです←
ていうか、海の事件多いですよねー。フレンチ警部もぼやくけど警部が関わった事件で海が出て来なかったこと、ないんじゃ? 鉄道ならともかく海とは。早く鉄道ミステリーが待ち遠しいところです←
今回はなんとあのタナー警部とウィリス警部が登場するだけでなく、フレンチ警部と一緒に調査します。いわば「三人寄れば文殊の知恵」を地で行きます。ノン・シリーズのポッと出だと思っていたので「おお〜!」と思いました。別に嫌いじゃなかったし、1回ポッキリももったいない気がしていたのでまた会えて嬉しいです。
一応主人公はフレンチ警部なのであくまでアシスタント的ポジションですが、ばっちりフレンチ警部を助けています。3人のコンビネーションと会話にも注目どころです。
今回もまた中盤終わりから終盤が1番面白いところです。今回は今までの推理が根本的に覆って最初から考え直しパターンだったため、ことあるごとくに事件の様相が全部変わってしまいます。シロからクロに変わる、光線のようにその考えが横切る瞬間は最高ですね。癖になります。躓きが多いからこそ閃いた瞬間は快感です。フレンチ警部はこれだからやめられません(笑)
「英仏海峡の謎」でした(・∀・)/
次はベスト・オブ・アーサー・C・クラークをお届けします(*^o^*)/~