江戸川乱歩 No.2◇孤島の鬼◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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恋人と友人の死は恐ろしい惨劇の幕開けだったーーー! 私と友人諸戸の死闘が始まる!

 
 
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◇孤島の鬼◇
江戸川乱歩
 
 
密室状態での身寄り頼りのない恋人の死に始まり、その調査を依頼した素人探偵深山木幸吉まで、衆人環視のもとで殺された蓑浦は、彼に不思議な友情を捧げる親友諸戸道雄とともに、事件の真相を追って南紀の孤島へ向かうことになった。だが、そこで二人を待っていたのは、言語に絶する地獄図の世界であった……! 『パノラマ島奇談』や『陰獣』と並ぶ、江戸川乱歩の長編代表作。   
 
 
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箕浦金之助は会社の同僚、木崎初代と熱烈な恋に落ちた。初代が捨てられた子であること、初代に求婚するライバルがあること等々を乗り越えて結婚する……はずだった。
 
 
初代が密室中で殺されたのだ。箕浦は悲しみに暮れ、復讐を誓い、素人探偵深山木を頼るが、今度はその深山木が海水浴の真っ只中で殺されてしまう!
 
 
恋人も友達も喪い、八方ふさがりになった箕浦。その彼の前に現れたのは愛情とも友情とも言える情を捧げる不思議な友人諸戸だった。
 
 
実は諸戸は初代に求婚した、いわばライバルだった。ところが、それには深く恐ろしい訳があった。深山木の遺留品と諸戸から明かされる経緯は恐ろしく、おぞましいものだった……!
 
 
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「孤島の鬼」です(・∀・)
「文豪ストレイドッグス制覇計画」、引き続き江戸川乱歩です。乱歩さんの好敵手? 「箕浦」警部の元ネタとなった思しき「孤島の鬼」を「文豪ストレイドッグス」と交えてお届けします。
 
 
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この腕組んでいる仏頂面の男が「箕浦」警部。探偵小説によくありがちな実直なライバルです。ちなみに後ろにいるのは部下の杉本巡査です。ある意味この回のキーパーソンです←
 
 
「孤島の鬼」の主人公は「箕浦金之助」と言いますが、偶然と片付けるにも箕浦という苗字は変わっているし、江戸川乱歩の作品中に同名のキャラクターがいるなら100%クロです← 乱歩さんと絡ませるにあたって江戸川乱歩の代表作を持ってきたと思われます。
 
 
なお箕浦警部は4巻、7巻にも登場します……が、トラック真正面からくらったら普通死ぬよね……死んだのかなぁ……それとも大怪我?
 
 
大怪我で入院中なのを祈って11巻を待とうと思います(出てこない可能性大ですが)。10月5日を全裸待機です←
 
 
さて、本書「孤島の鬼」。
 
 
……前半は推理、後半は冒険。両者には怪奇と猟奇という闇が渦巻いている!
犯人も殺人トリックも登場人物の立ち位置も中盤で明らかになるので、後半部はまさに孤島の冒険が肝です。
芯から芯まで、底の奥の奥の奥まで闇が浸透しています。
孤島や登場人物の描写とかそう思いました。なのに始終続きが気になる!状態だったのだから救われない← 怖いもの見たさってやつです。
 
 
とはいえ、恋人の空白の過去、謎の家系図、恋路を邪魔する謎の友人、七宝の花瓶、閉じ込められる謎の存在……推理小説を彩るには十分な存在ばかりです。
猟奇色が濃いのに辟易しますが、それはそれで日本の土着の文化として無視できないと思います。それもある意味日本の闇部の1つです。
 
 
物語を通してその土地の暗部を客観視できるという点で、推理小説や探偵小説は創作の域を超えていると思うのです。小説を読んで現実を考える瞬間はそうないと思うゆえに。
 
 
「孤島の鬼」でした(・∀・)/
次は久しぶりにフェル博士にお目にかかります(*^o^*)/~