「悪魔のひじの家」が幽霊によって血塗れになるーーー! 歴史家ガレット、1つの愛を胸に幽霊と対峙する!?
◇悪魔のひじの家◇ -The House at Satan's Elbow-
ジョン・ディクスン・カー 白須清美 訳
悪魔のひじ〉の家につぎつぎと起こる怪事件。 その謎に迫るフェル博士。待望の〈不可能犯罪〉の大家カーの長編。
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相続した屋敷にはもれなく幽霊と揉め事が付いております。
ガレットの友人ニックは最近遺言によって財産と屋敷「緑樹荘」を相続した。
ところが、その緑樹荘は「悪魔のひじの家」とも呼ばれ、幽霊が出るという曰く付きだった! しかもニックは屋敷を相続する気はなく、緑樹荘を愛するペニントン伯父さんに譲る気でいた。
一方、ガレットはガレットで旅先で出会ったフェイという女性のことが気になって気になって仕方がない。運命なのかフェイはニックのペニントン伯父の秘書だったが、彼女の様子はおかしく……
屋敷の問題、幽霊問題……いくつも問題が起こる悪魔のひじの家でもう1つ問題が勃発する。ーーーペニントン伯父が2度も撃たれたのだ!
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「悪魔のひじの家」です(・∀・)
久しぶり! と懐かしい! の匂いが漂います。
まずフェル博士も久しぶりですが、エリオット警視もハドリー警視も久しぶりです。
エリオット警視とかこの話ではまだ結婚もしていない若造だったのに彼より偉いのは警視総監ぐらいなぐらい、偉くなってしまいました。しかもハドリー警視は引退……ああ、月日は流れています。
その中でフェル博士だけが安定です← フェル博士がいるだけで安心するんだから不思議です。
エリオット警視とハドリー警視は懐かしいですが、1つ気になる名前があることに気がつきましたでしょうか。
その名もフェイ。
……あのフェイ!?
同じ名前で、しかも同じ過去を持つなんてまさか同じ人物!? 結局マイルズとは幸せにならなかったのかよ!! と本気で思いましたが、安心してください、別人です。後味の良し悪しは言いませんが、そこは請け負います。
しかしエリオット警視を出したり、ハドリー警視のことを話題にしたり、過去の作品と同じ名前と経歴を持つキャラクターを出したり、初期の作品に多かった曰く付きでの家での怪現象とかまるで……過去を振り返っているみたいですね?
幽霊騒ぎについてはうすうすそうかも。と思っていました。でも後々のの方はかなり巧妙です。うーん、利用できるものは利用するってこういうことだな。全然不自然じゃなかったもの。それに反比例するかのように独りよがりな動機がクソですが←
どの作家でもそうですが、後期になればなるほど人間像が複雑になっています。本書もそうで最後のニックの言葉とか、初期には絶対に出てこなかったと思います。
「悪魔のひじの家」でした(・∀・)/
次は新! ファウンデーションシリーズ開幕です(*^o^*)/~!