エラリー・クイーン編 No.59.5◇クイーンの定員 Ⅲ◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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傑作短篇集よ、短篇よ、歴史を語れ。

 
 
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◇クイーンの定員 Ⅲ◇ -Queen's Quorum-
エラリー・クイーン 各務三郎 編
 
 
1.ドロレスと三人の野郎ども(デイモン・ラニアン)
  (Dark Dolores)ーーー#84『野郎どもと女たち -Guys and Dolls-(1931)』より
  ……和平会議を前に1人の女を巡り、争うギャングたち。ところが、女の思惑は恐るべき策略だった!
 
 
2.見えない恋人(エラリー・クイーン
  (The Invisible Lover)ーーー#90『エラリー・クイーンの冒険 -The Adventures of Ellery Queen-(1934)』より
 
 
3.釘と鎮魂曲(C・デイリー・キング
  (The Nail and Requiem)ーーー#91『せんさく好きなタラント氏 -The Curlous Mr.Tarrant-(1935)』より
  ……とある一室から繰り返し流れるミサ曲。その部屋には果たして死体が。その部屋のカンバスには深々と釘が打ち込まれていて……
 
 
4.綴られた名前(マージェリー・アリンガム
  (The Name on the Wrapper)ーーー#92『キャンピオン氏ほか -Mr.Campion and Others-(1939)』より
  ……冬の真夜中3時に車をぶつけて、逮捕されかけたキャンピオン氏。キャンピオン氏が招かれた家で盗難事件が発生したという。その事件を解くのは拾った指輪!?
 
 
5.銀のカーテン(カーター・ディクスン
  (The Silver Curtain)ーーー#94『不可能犯罪捜査課 -The Department of Queer Complaints-(1940)』より
 
 
6.ブロードウェイ殺人事件(ウィリアム・マハーグ)
  (Broadway Murder)ーーー#95『オマリーの事件簿 -The Affairs of O'Malley-(1940)』より
  …ブロードウェイで殺人事件が起こった。犯人は逮捕されたが無実を訴え、事件は難航の兆しを見せる……が。
 
 
7.裏窓(ウィリアム・アイリッシュ
  (Rear Window)ーーー#97『晩餐後の物語 -After-Dinner Story-(1944)』より
  ……訳あって行動範囲が狭まったわたしはその窓から見えるとある若夫婦に興味を持った。ところが、ある時から妻の姿が見えなくなり……
 
 
8.判事の論理(ダシール・ハメット
  (The Judge Laughed Last)ーーー#98『サム・スペードの冒険 -The Adventures of Sam Spade-(1944)』より
  ……昔、悪党だった老人から聞かされた判事による罪成立を完遂させる矛盾論理。
 
 
9.ゆすり屋は撃たない(レイモンド・チャンドラー
  (Blackmailers Don't Shoot)ーーー#99『五人の殺人者 -Five Murderers-(1944)』より
  ……探偵マロリーは女優ロンダ・ファーのラブレターをきっかけにラブレターをめぐる誘拐事件と揉め事に巻き込まれる!
 
 
10.蝋人形の死体(リリアン・デ・ラ・トーレ
  (The Wax-Work Cadaver)ーーー#100『探偵サム・ジョンソン博士 -Dr. Sam:johnson, Detector-(1946)』より
  ……「サーモン夫人の蝋人形館」に興味を持ったわたしは渋るジョンソン博士を説得して蝋人形館に行くことに。ところが、そこで遺体を見つけてしまう!
 
 
11.医者と瓜二つの男(スチュアート・パーマー
  (The Docter's Double)ーーー#103『ヒルデガード・ウィザーズの謎 -The Riddles of Hildegarde Withers-(1947)』より
  ……ヒルデガードとオスカーは悲鳴を聞きつけて駆けつけた。幸い命は取り留めたが、ここ最近そのウルツさんは命を狙われていた。果たして殺人は決行され、その犯人は……医者とそっくりな人!
 
 
12.ベッドに殺された男(ロイ・ヴィガーズ
  (The Man Who Was Murdered by a Bed)ーーー#104『迷宮課事件簿 -The Department Dead Ends-(1947)』より
  ……ベクシントンという退屈な街でベッドの角材と鉄枠で首を扼殺された男の遺体が発見された。その男は揺すりを働いていた。2人の男の間で……
 
 
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「クイーンの定員 Ⅲ」です。
本書は1930〜1940年代の短篇集と短篇が収められています。
 
 
サスペンスの第一人者アイリッシュやハードボイルドのハメットやチャンドラーは推理小説界に歴史を刻んだ作家だと思います。
本書の辺りから事件の調査内容やトリック解析だけに重点が置かれなくなっています。探偵も犯人も人間ですし、人間を深く掘り下げることで社会を客観的に見る。という試みが始まりかけています。
 
 
1はミュージカルにもなったあの名作「ガイズ・アンド・ドールズ」の原作者です。ミュージカル原作は気になるのでこの短篇集は読んでみたいところです。
 
 
実はここで初めてハメットとチャンドラーを読みました。ここまで読まなかったなんて恥ずかしいですが← うーん、マーロウに会ってからハードボイルドは考えようと思います。この時代のアメリカはお酒と煙草と拳銃と拳銃ホルダーの革ばっかり連想してしまいます。長居はできないタイプの作品群です←
 
 
4のアリンガムはクリスティーやセイヤーズ、あとナイオ・マーシュと並んで、「ビッグ4」と謳われた女流推理小説家です。最近は復刊で名前を聞くようになりましたが、最初はてんで知りませんでした。ごめんなさい!
 
 
いや、でも昨日まで知らなかった作家の作品を読むにはアンソロジーは結構いいものだと思います。アンソロジーは他作家で集まるものだし、短篇が常ですし。名前をさっぱり知らないで読むなら短篇が良いと思います。最初は何の知識がなくても読み終わる頃には好きになっているかもしれないじゃないですか!
 
 
アンソロジーはそういう点で読者の視野を大きく広げてくれるのです。
 
 
「クイーンの定員 Ⅲ」でした(・∀・)/
次は「文豪ストレイドッグス制覇計画」で再び江戸川乱歩です(*^o^*)/~