エラリー・クイーン編 No.59.25◇クイーンの定員 Ⅱ◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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傑作短篇集よ、短篇よ、歴史を語れ。
 
 
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◇クイーンの定員 Ⅱ◇ -Queen's Quorum-
エラリー・クイーン 各務三郎 編
 
 
1.外務省公文書(クリフォード・アッシュダウン
  (The Foreign Office Despatch)ーーー#30『ロムニー・プリングルの冒険 -The Adventure of Romney Pringle-(1902)』より
  ……プリングル氏は賭場で出会った若者にお金を貸した縁で外務省勤めの青年と知り合った。プリングル氏は彼が持っていた外務省公文に手を入れて英仏を混乱に陥れた! その目的はーーー
 
 
2.千金の炎(アーノルド・ベネット
  (The Fire of London)ーーー#34『都市の略奪品 -The Loot of Cities-(1905)』より
  ……手妻師ボウリング氏のところに危険を知らせる謎の電話が入った。それはボウリング氏の踏み倒しをよく思わないソロルドの仕業だった!
 
 
3.緋色の糸(ジャック・フットレル
  (The Scarlet Thread)ーーー#38『思考機械 -The Thinking Machine-(1907)』より
  ……とあるアパートの1室で度々ガス漏れが起こった。何度も起こったそれでとうとう死人が出た! 我らが思考機械が殺人事件の気配を見る!
 
 
4.当世田舎者気質(O・ヘンリー)
  (Modern Rural Sports)ーーー#40『お人好しの詐欺師 -The Gentle Grafter-(1908)』より
  ……わたしはカモにしようととある百姓のところに出向いた。その百姓は劇場通いや新聞等、世情によく通じてとても敵わないと思ったがーーー
 
 
5.英国プロヴィデント銀行窃盗事件(E・オルツィ男爵夫人
  (The Theft at the English Provident Bank)ーーー#41『隅の老人 -The Old Man in the Corner-(1909)』より
  ……ポリーは隅の老人に「英国プロヴィデント銀行窃盗事件について話して欲しい」とせがむ。隅の老人はまたしても真実を嗅ぎつけていた!
 
 
6.モアブの暗号(R・オースティン・フリーマン
  (The Moabite Cipher)ーーー#42『ジョン・ソーンダイク事件簿 -John Thorndyke's Cases-(1909)』より
 
 
7.折れた剣の看板(G・K・チェスタトン
  (The Sign of the Broken Sword)ーーー#47『ブラウン神父の童心 -The Innocence of Father Brown-(1911)』より
 
 
8.ドイツ大使館文書送達箱事件(ヴィクター・L・ホワイトチャーチ
  (The Affair of the German Dispatch-Box)ーーー#51『スリリング鉄道物語 -Thrilling Stories of the Railway-(1912)』より
  ……外務省から重要な書類が盗まれた。誰が盗んだかは分かっていて、誰が持っているかも分かっている。問題はそれをどうやって取り戻すか!
 
 
9.ナイツ・クロス信号事件(アーネスト・ブラマ
  (The Knight's Cross Signal Problem)ーーー#56『マックス・カラドス -Max Carrados-(1914)』より
  ……ナイツ・クロス駅構内で起こった大衝突事故。ところが信号のことで機関士と信号手の証言が食い違っていた。どちらが正しく、どちらが間違っているのか?
 
 
10.シナ人と子供(トマス・バーク)
  (The Chink and the Child)ーーー#58『ライムハウスの夜 -Limehouse Nights-(1916)』より
  ……酒呑みのボクサーに虐待されている少女と中国人の詩人の青年の悲しい恋。
 
 
11.ナボテの葡萄園(メルヴィル・D・ポースト
  (Naboth's Vineyard)ーーー#60『アンクル・アブナーの叡智 -Uncle Abner : Master of Mysteries-(1918)』より
  ……「黄金の十二」参照。
 
 
12.偶然の一致(J・ストーラー・クラウストン)
  (Coincidence)ーーー#65『キャリントン探偵の事件簿 -Carrington's Cases-(1920)』より
  ……殺した相手が何事もなく生きていたーーー? 2人の人間が話す奇怪な話。その真実とは?
 
 
13.チョコレートの箱(アガサ・クリスティー
  (The Chocolate Box)ーーー#71『ポアロ登場 -Poirot Investigates-(1924)』より
  ……「ポアロ登場」参照。
 
 
14.文法の問題(ドロシー・L・セイヤーズ
  (The Entertaining Episode of the Article in Question)ーーー#76『ピーター卿、死体を観察する -Lord Peter Views the Body-(1928)』より
  ……ピーター卿はパリの駅内で派手な口喧嘩を聞き、とあることが気にかかる。が、まさかそれが結婚式での窃盗事件を解決する糸口になろうとは!
 
 
15.ウィルスン警視の休日(G・D・H&M・I・コール
  (Wilson's Holiday)ーーー#77『ウィルソン警視の休日 -Superintendent Wilson's Holiday-(1928)』より
  ……休暇に出かけたウィルソン警視はその先で遺体の第一発見者になってしまう。見つかった遺書から自殺と思われたが、その痕跡はあまりにも杜撰だった。
 
 
16.ベナレスへの道(T・S・ストリブリング
  (A Passage to Benares)ーーー#80『カリブ諸島の手がかり -Clues of the Caribbees-(1929)』より
  ……心理学者的好奇心を起こしたポジオリはインド寺院で一夜を明かすことに。ところが、その翌日そこで殺人事件が起こり、ポジオリ自身も容疑者になってしまう!
 
 
17.ドアの鍵(フレドリック・アーヴィング・アンダースン
  (The Door Key)ーーー#82『殺人教書 -Book of Murder-(1930)』より
  ……ベルディング少尉の車が川中から引き上げられた。遺体は流され、見つからないと思われたが、ベルディング少尉の正体は思わぬものだった!
 
 
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「クイーンの定員 Ⅱ」です(・∀・)
 
 
本書は思考機械、ソーンダイク博士、マックス・カラドス等々ホームズのライヴァルたちと呼ばれた名探偵たちの台頭から本格黄金時代と呼ばれた1920年代の短篇集たちから一篇が収められています。
 
 
ここで初めてマックス・カラドスに会いました。史上初の盲人探偵として探偵小説界に歴史を残しました。
あまりの超人ぶりに引きました。あんた、本当は見えてるんでしょ!←
そのマックスに疑問を感じてできたのがベイナード・ケンドリックのダンカン・マクレーン大尉だと言われています。
 
 
1の作者はソーンダイク博士の生みの親フリーマンのもう一つのペンネームで、なんと刑務所医ピトケアンとの合作です。面白い組み合わせです← 医者同士なのに主人公は医者じゃないんかい! と思いました←
 
 
5の隅の老人と14のピーター卿はまだ読んでいない短篇があったのか! と地団駄踏みました。ピーター卿については公爵家ならではの高い教養が活かされているなと思いました。
 
 
16は中盤あたりから流れが怪しくなって最後の一言にお茶噴き出す衝撃のラストもの。言うなれば「どこからどこまでが現実? どこから夢?」といった感じ。ランプを消したら貴方の現実も消えるかもしれません……
 
 
「クイーンの定員 Ⅱ」でした(・∀・)/
次はディクスン・カーの歴史物の原点を探ります(*^o^*)/~