カーター・ディクスン No.18◇青髭の花嫁◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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「青髭の花嫁」たちは死して消える運命にあるーーー現代の青髭が蘇ったのか?

 
 
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◇青髭の花嫁◇ -My Late Wives-
カーター・ディクスン 小倉多加志 訳
 
 
牧師の娘、音楽家、占い師、そして四人目は……謎の男ビューリーと結婚した女たちが次々と消えた事件に、住民は”青ひげ”出現と震え上がった。しかもビューリーは警官の張り込みのなか、死体と共に忽然と姿を消したのだ。11年後、ある俳優のもとに何者かから脚本が送られてきた。それは、警察しか知りえないビューリー事件の詳細を記した殺人劇の台本だった! ”現代の青ひげ”にH・M卿が挑む
 
 
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演技が本当になる瞬間。
 
 
むかーし、むかーし、ロージャー・ビューリーという名前の殺人鬼がおりました。その男は妻にした女を次々と跡形もなく消しておりました。しかし殺人の証拠がなく、警察は困り果てておりました。近隣の住人たちは恐怖を込めて、彼を「青髭」と呼びました。
そんな中、ビューリーが四人目を妻に迎えました。警察はそこでやっと殺人の証拠を捉えましたが、ビューリーはその死体と一緒に消えてしまいました。
 
 
それから11年が経ちました。
1人の俳優のところにそのビューリーを基にした脚本が贈られてきました。俳優には演出家と弁護士の友達がおり、演出家はその俳優に現実世界でビューリーを演じてみろとたきつけました。
弁護士は嫌な予感がするから前以て警察に言おうと言いました。
 
 
世間は狭いもので弁護士の友達の警察はビューリー事件を担当しておりました。弁護士から話を聞いた警察と探偵はその脚本に極秘事項が書かれていることを指摘し、脚本の贈り主がビューリーでないかと疑い始めました。
 
 
演出家と弁護士が気づく頃には事態は大事になってしまいました。ビューリー演じる俳優は仕掛けた相手に恋をし、その部屋には女の死体。
 
 
誰が青髭?
 
 
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「青髭の花嫁」です(・∀・)
 
 
おとぎ話風に物語紹介をしてみました(結構頑張った←)。というのも「青髭」は欧米では結構メジャーなおとぎ話なんです。確か「長靴を履いた猫」で有名なペローが執筆しました。
 
 
青髭にはペロー版とグリム童話版と2つがあります。創作ものではありますが、似たような伝説があったのかも。ちなみにモデルはジル・ド・レだとか。
 
 
青髭は結婚した女を次々と殺害しては、その死体を抹消することから殺人鬼の冠名にも使われます。今回はH.M卿がその殺人鬼、"青髭"に挑みます。
 
 
話としてはかなり面白いです。
死体と一緒に消えた殺人鬼、その殺人鬼についた渾名、ごく一部しか知らない極秘事項が書かれた脚本。と魅力的です。今だったらネットと2ちゃんの出番ですが、それでも魅力的なのは変わらない。登場人物の意外な正体も面白い。
 
 
ただ本当にそれは死体消失を完全犯罪にするのか?
死体を消すとなると常套手段は硫酸とか焼殺とかです。しかし推理小説でそれはねーよと思っていましたが、その発想はなかった……でもこれは国を選ぶと思うな……
 
 
というかこの話って、話の肝はビューリーは誰で、どうやって死体を消したのか? なので複雑なトリックとかってないんですよね。
しかし雰囲気は怪奇と謎がむんむんです。俳優とか脚本とか劇場関係が出てくるのも個人的にはツボです。劇場とかって海外古典推理小説でいい味出してますよね(°∀°)b 
 
 
そして我らがH.M卿。
 
 
ゴルフやってかーらーの、乱闘www
スコットランドからプロゴルファーを呼ぶも、口喧嘩ばっかし、しかも主人公たちと入ったお店で乱闘www 爆笑です←楽しい。マスターズ警部も今回は完全に巻き込まれ、ほとほと愛想が尽きたご様子。大変だなぁ←楽しい。乱闘やらかしたH.M卿を逃すーーーつまり犯人を逃すマスターズ警部に爆笑←
 
 
「青髭の花嫁」でした(・∀・)/
次はアシモフ、初の長編推理小説です(*^o^*)/~