アイザック・アシモフ No.13◇はだかの太陽◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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ロボットに管理された惑星初の殺人に人間刑事のイライジャとロボット刑事のダシールが挑む!

 
 
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◇はだかの太陽◇ -The Naked Sun-
アイザック・アシモフ 冬川亘 訳
 
 
すべてがロボットによって管理される惑星ソラリア─だが、そこで、有史以来初の殺人事件が発生した。ロボットしかいない密室で人間が殺されたのだ。ロボットに殺人ができるはずはない。ソラリアの要請で急遽地球から派遣されたイライジャ・ベイリ刑事は、ロボットのオリヴォーとともに捜査に着手するが……『鋼鉄都市』の名コンビがふたたび登場し、完全殺人の謎を鮮やかに解明する、ファン待望の傑作SFミステリ!
 
 
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イライジャ・ベイリはまたも特別要請を受けてこれまた特別な事件を調査することになった。ーーーしかも地球以外の惑星の場所で!
 
 
その場所は惑星ソラリア。地球からはるか遠くの、ロボットが全てを管理する惑星。地球から出なければならないことにイライジャはげんなりする。
しかもソラリアは何から何までロボットが行い、人口の増減も管理され、人と人が直に会わない文化で事件以前に文化面で苦労することになる。
 
 
しかしそれはそんなに悪いことでもなかった。ロボットの相棒ダシール・オリヴォーとまた組むことになったのだ。かくして人間とロボット刑事コンビが再び事件に挑む!
 
 
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「はだかの太陽」です(・∀・)
あの人間とロボットの刑事コンビが帰ってきた!
 
決定的に違うところが多い、信頼も疑心も抱くが、決して裏切らない、一筋縄ではいかない2人の活躍がまた読めます。尤も活躍するのはイライジャですが←
 
 
さて、惑星ソラリア。この星はロボットが全てを管理し、人間1人につきたくさんのロボットがあてがわれる世界。さらに人口の増加に歯止めをかけるため、出産、結婚をも制限します。あとソラリア人は広大な領地を持っているため、人と人が直に会うことは極めて稀で、それに恐怖する人さえいます。
 
 
……これは地球の未来の姿なのか……?
わたしはこれを読んで「なにこれ、怖い!」と思いましたが、現実として考えると……ロボットが全てを管理する社会の実現は夢物語ではなくなってきていることに気がついてしまいました。
 
 
事実、ロボットが社会で活躍するようになったら、接客業のほとんどはロボットで賄えるようになるでしょう。
ソラリアは今の世界の未来なのかもしれません……
 
 
人と人が直に会わないのも恐ろしい話です。そんなことができるのでしょうか。それ以前に欲求のない世界が恐ろしい。空虚で何のために生きているのかも分かりません。
 
 
それに対する警句を最後、イライジャが述べています。最終章でイライジャが述べていることはそのまま、アシモフの言いたいことだと思います。
 
 
さて、イライジャとダシール。
イライジャは今回、ソラリアの経験を通して広い場所に対する嫌悪感、恐怖感を克服します。人間がまた前進できる力を得たことを暗に示しています。これから人間はまたはだかの太陽の下に立てるのです。
 
 
ダシール。彼はまたもロボットであることでイライジャと一線を引きます。彼は半永久的にイライジャのことを忘れません。なぜなら機械だから。仮にダシールが起動停止しても機械は代替可能で、そうなることでダシールは生き続けーーー動き続けます。
 
 
そういうこと淡々と言うなよダシール……って感じますが、これ、普通人間が抱く当たり前の感情なんですよね。
機械はそれは普通でしょう? って感じで。
そもそも機械に感情を持たすのはメリットにならないんですよね。立場対等じゃないし。
しかしその考えをロボットや機械が持つだけで悲しくなるような、切なくなるような複雑な気持ちになるのはどうしてでしょう……
 
 
「はだかの太陽」でした(・∀・)/
次はエラリー・クイーンなのですが、ちょっと小休止。森博嗣の「すべてがFになる」をお送りします(*^o^*)/~