ジョン・ディクスン・カー No.21◇テニスコートの殺人◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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「テニスコート」で凶行に及んだ「殺人」犯はその後飛ぶか跳ぶかして消えたのか!? フェル博士が「足跡の謎」に挑む!

 
 
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◇テニスコートの殺人◇ -The Problum of the Wire Cage-
ジョン・ディクスン・カー 三角和代 訳
 
 
死体の倒れている雨上がりのテニスコートには、被害者と発見者である自分自身の足跡しか残ってはいなかった。愕然としたブレンダは、友人ヒューと共に、この自分に不利な事実を隠し通して切り抜けようとするのだが……。主人公たちと警察と犯人の三つ巴の混乱の中、さらに第二の不可能犯罪が発生。”犯罪捜査の天才”フェル博士は、この難局下において二つの謎をどう解決するのか?
 
 
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殺人に嘘を塗り固めると……?
 
 
弁護士ヒュー・ローランドは婚約者のいるブレンダ嬢に想いを寄せていた。ブレンダの方でも同じだったが、どうしても婚約者と結婚しなければならない事情があった。
 
 
とんでもなく暑い夏のある日、ヒューはブレンダ、その婚約者フランク、近所の未亡人キティとテニスをすることに。ヒューはフランクと言い争いをし、一触即発の事態に。
 
 
雨が降り、テニスを切り上げた一行。しかしその雨上がりのテニスコートにはフランクの死体があったのだ! 
 
 
しかしここで問題が。雨上がりのぬかるんだテニスコートには死体とかしたフランクの足跡(片道)
と発見者のブレンダの足跡(往復)しか残されていなかったのだ。
 
 
潔白を主張してもブレンダが疑われるのは必至。ヒューとブレンダは一緒にこの事態を潜り抜けようとするが……
 
 
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「テニスコートの殺人」です(・∀・)
 
 
これはH.M卿が登場する「白い僧院の殺人」と同じように足跡をめぐる殺人です。
発見者が犯人でないなら犯人どこへ行った!? が問われる作品です。
 
 
本書は足跡は被害者と発見者だけ。というのは「白い僧院の殺人」と同じですが、疑われないようにと策を講じたばっかりにどんどん泥沼に嵌っていくパターンでもあります(苦笑)
 
 
……なんかクリスティー作品にあってもおかしくなさそうな展開です。
でもクリスティー的ヒロインだったら「だからわたしは犯人じゃないって言っているでしょうが!!」と終いにはブチ切れて自分で犯人を探しちゃいそうです(笑)
 
 
しかし主人公が男性だとヒロインは男の陰に隠れがちです。そこが残念と言えば残念かな。
 
 
というか最初からフェル博士を信じれば良かったという話ですよ。ハドリー警部は今回懐疑的ですが←、フェル博士は応用力も想像力も豊かですからね。
 
 
でもいくら想像力を働かせたって真相がまさかこうだとは思わないよおおおお!!
 
 
前回がとんでもなく心理的だったのに対し、今回のトリックは心理も何もへったくりもないような!
なんだ……せっかく人間心理によるトリックをまた期待していたのに。ただそこまでいくと狂っていますね。
 
 
「テニスコートの殺人」でした(・∀・)/
次回は宇宙に……じゃなくて地球に向けて快進撃! 「地球の危機」です(*^o^*)/~