詩人は狂人たちと対峙する。
◇詩人と狂人たち◇ -The Poet and the Lunatics-
G・K・チェスタトン 中村保男 訳
ガブリエル・ゲイルは風変わりな詩人画家であるが、いくつかの怪事件を解決した名探偵でもあった。「もしあたり一面についた誰かの手の跡を見せられたら、その男がなぜ逆立ちをして歩いていたかを教えてあげましょう」彼自身狂人で逆立ちをよくするから、それが分かるというのだ。奇妙な人物が引き起こす奇怪な事件をたちどころに解決するゲイルの幻想的な探偵法。全八編収録。
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1.おかしな二人連れ
(The Fantastic Friends)
……《昇る太陽》という宿屋にジェイムズ・ハレルとガブリエル・ゲイルの二人組がやってきた。そしてその時、事件が起こった!
2.黄色い鳥
(The Yellow Bird)
……(建前上)スケッチクラブの1人はとある家に対して気にかかることがあるらしい。それはそこの下宿人に関することらしく……
3.鱶の影
(The Shadow of the Shark)
……学問と芸術のパトロンだったオウエン・クラム卿の不可解な死。その鍵となるのはおなじみ詩人と狂人たちと鱶の影!?
4.ガブリエル・ゲイルの犯罪
(The Crime of Gabriel Gale)
……ついにガブリエル・ゲイルが発狂した。無害の人間に熊手で襲いかかったというのだ。しかし襲われた男から届いた電報は感謝の言葉だった!?
5.石の指
(The Finger of Stone)
……徒歩旅行中のガブリエル・ゲイルは友人ガース博士からボイグ氏の訃報を耳にする。しかし実際は失踪で、そこには驚くべき真相が!
6.孔雀の家
(The House of the Peacock)
……数年前、1人の男がとある屋敷に招待されたっきり姿を消した。そしてその謎を解いたのはやっぱり狂人たちと詩人のガブリエル・ゲイル氏だった。
7.紫の宝石
(The Purple Jewel)
……フィニアス・ソールトという著名人が姿を消した。アブサンをしこたま飲んで自動車を運転してそれっきり。果たしてフィニアス・ソールトはどこに消えたのか?
8.危険な収容所
(The Asylum of Adventure)
……ゲイル氏はハレルという狂人と出会い、共に生きてきた。そしてその亡き後、ゲイル氏はダイアナ嬢を尋ねにウィンブルドンへ。そしてーーー
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「詩人と狂人たち」です(・∀・)
全8編!
本作もなんとまあ、幻想的な後味なこと!
どこを歩いているのかも定かでなく、足元も覚束ない感じです←似たようなことを「木曜の男」でも言ったような。
まず主人公、ガブリエル・ゲイル氏だって幻想的です。
詩人でありながら、画家としての方が成功しており、狂人たちに対して鋭い慧眼と考えを持っています。
事件の犯人をここでは「狂人たち」と呼んでいます。
犯行や動機やトリックが常識を逸脱してますから。
そんな狂人たちと向き合うガブリエル・ゲイル氏もきっと狂人たちと同じなのかもしれません。
「詩人と狂人たち」でした(・∀・)/
次回、お久しぶりのカーター・ディクスン~(*^o^*)/~