「死者」が「よみがえる」時、血濡れた殺人の幕が上がる!
助けを求められ、フェル博士立ち上がる!
ジョン・ディクスン・カー 橋本福夫 訳
友人と賭けをし、南アフリカからの無銭旅行に出た新進作家のクリストファ・ケントは、何とかロンドンには着いたものの、一文無しになっていた。約束の日が明日に迫っているというのに、彼は空腹を我慢できず、やむなくホテルに飛び込み、客に見せかけて無銭飲食を決め込んだが……。ホテルを舞台にした殺人事件で、ギデオン・フェル博士の究明した大トリックの真相とは何か?
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無一文から始まる冒険。
友人に坊ちゃん暮らしをなじられたケントは南アフリカからロンドンまで無銭旅行の賭けにのる。
なんとか銀行の助けを借りることなく、ロンドンへ着いたはいいが、空腹で死にそうに。そこに天の助け、ホテルの窓から朝食カードを拾い、宿泊客になりすまして食い逃げを試みる。
しかしなんと不運な。ホテル従業員に請われて問題の部屋に入るとなんと女がトラックに頭を突っ込んで死んでいたのだ!
ケントはフェル博士に助けを求める。しかしそこで明らかになったのは死体の女は自分の従兄弟の妻で、その従兄弟も殺害されていたという事実だった!
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「死者はよみがえる」です(・∀・)
序盤、すっごくクリスティー的展開ですが、フェル博士がすぐ登場したり、賭けの決着があっさりつくところにディクスン・カーを感じます。
多分クリスティーだったらケントは自分で事件を解こうと奮闘した挙句、罠にかかったり、逃げ場のない状況に陥って(←この辺でヒロイン登場)初めてフェル博士を呼ぶと思います。で、エピローグは賭けの決着。
話、脱線。
この話は題名がすべての始まりです。
題名「死者はよみがえる」は殺人トリックでもなく、事件の解決の鍵でもなく、始まり。
そこにトリックがあります。
あと被害者がどんな女だったのか? がとことん問われます。
こういう女が一番怖いんだよおおおおお!
最後、エピローグのフェル博士の言葉はその世界すべての真理ですね(笑)
「死者はよみがえる」でした(・∀・)/
ここでしばらくディクスン・カー名義とフェル博士とお別れし、カーター・ディクスン名義とH.M卿にまた会いに行きます。
そんなわけで次回はチェスタトンの「詩人と狂人たち」、次次回はカーター・ディクスンの「第三の銃弾」をお送りします(*^o^*)/~