国際的スパイと贋金がらみの殺人事件の道中で先導を切るのは「パンチとジュディ」!?
目指せ! 自分自身の結婚式!
◇パンチとジュディ◇ -Punch and Judy Murders-
カーター・ディクスン 白須清美 訳
結婚式前日、かつての職場、英国情報部の上司であるH・M卿に呼び出されたケンは、元ドイツ・スパイの老人の屋敷に潜入を命じられた。その老人が国際指名手配中の怪人物Lの正体を明かすと情報部に接触してきたので、真贋を確かめろというのだ。だが、屋敷でケンが目にしたのは老人の死体。事態の急変にめげず、ケンは任務を遂行し、式を挙げることができるのか? 奇想天外な大犯罪を暴くH・M卿の名推理が新訳で登場。
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おはようございます(・∀・)
ほんとはブラウン神父だったのですが、図書館に頼んだこちらが先に来たため、本書から紹介します。
もっと言いたいこともありますが、後述します←
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大事な日前の電報は大体厄介ごとであることが多い。
主人公ケンの場合もそうで、自身の結婚式まであと24時間、というタイミングで上司のH.M卿から至急会いたいという電報を受け取る。
ちょっと待て。と返信するが、そんなことを素直に聞くH.M卿ではない。ケンはしぶしぶ観光地トーキーまで足を運ぶ。
H.M卿はケンに仕事を頼む。かつてのドイツスパイが国際的ブローカー"L"の正体を教えると言うのでそれが信頼に足るかどうか、さらに彼が正気かどうかを確かめろと言うのだ。
泥棒七つ道具まで渡されて任務遂行のため、そのドイツスパイの家に忍び込むが、そこにあったのはその遺体! しかもなんの手違いか逮捕までされるし、追われて追われて贋金まで付いてきた!
はっちゃかめっちゃかな犯罪劇に巻き込まれたケンは自身の結婚式に間に合うのかーーー!?
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ーーーという本書。
実は主人公ケン君はH.M卿初登場作品「プレーグ・コートの殺人」でも登場し、1つ前の「一角獣の殺人」でも活躍し、婚約者になるイヴリン嬢と恋に落ちます。
「ってそれならそっちから先読みなよ」って声が聞こえてきそうですが、
まさかの届かないんだから仕方がない!!
ほんとは19日は届いているはずなのにー(-з-) とーなってるのー(-з-)
愚痴ってもしょーがないのでこちらから先に読んだわけです。ブラウン神父の下を一旦辞退して。
そんなわけで「パンチとジュディ」
「パンチとジュディ」は夫婦喧嘩から始まって、なんでもかんでも投げて、挙げ句の果てに死刑執行人や悪魔みで殺しちゃう、英国でポピュラーな人形劇です。
内容は物騒ですが、基本的に荒唐無稽なドタバタ劇は人気があります。
さて、H.M卿はこの事件は「パンチとジュディ」のようだと言います。
確かに!!
あらゆるものがごっちゃになって、何が起こっているのか分からないところが今回の事件とダブります。
というか、これは本格推理ではなく、スパイスリラーと言ってもいいのでは? というぐらい、スパイと陰謀、犯罪計画(スパイスリラーの場合は殺人や暗殺じゃない)の匂いがプンプンします。
それでも殺人にはきちんと意味があります。
そして発見。
ディクスン・カーでも噴き出せる。
ディクスン・カーは怖い箇所ばかりで、噴き出すところじゃなかったのですが、今回、初めて噴き出しました。ラストに意外な謎が明かされ、その答えとH.M卿の言葉に噴きました。
なんかトミーとタペンスみたい後味が!
ディクスン・カーでも面白い後味があるのですね! なんか新鮮です(*゚ー゚*)
「パンチとジュディ」でした(・∀・)/
次こそブラウン神父(*^o^*)/~ 「一角獣の殺人」はいつ来るのかしら……