赤と黒の摩訶不思議な「グラン・ギニョール」にご招待!
ジョン・ディクスン・カー 白須清美・森英俊 訳
美しい女性との結婚を間近に控えたサリニー公爵に届けられた一通の殺人予告。そして婚礼の夜、華やかなカジノの一室で、無残にも首を切断された公爵の死体が発見される。しかも公爵以外部屋に出入りした人物はなく、現場は完全な密室状態であった。あたかも魔物の仕業のごとき怪事件に挑むパリ警察の名探偵バンコランの活躍。デビュー作『夜歩く』の原型となった傑作中篇「グラン・ギニョール」を初出誌から70年ぶりに発掘。戦慄の怪奇譚「悪魔の銃」他、本邦初訳の短篇全3篇と、エッセイ「地上最高のゲーム」(完全版)を併録した、〈不可能犯罪の巨匠〉の輝かしい原点。
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1.グラン・ギニョール
(Grand Guignol)
……「夜歩く」参照。
2.悪魔の銃
(The Devil-Gun)
……ノエル・バーンストウは火を怖がるアンストラザに父に会いに行くのに同行して欲しいと頼む。果たして父親は狂っており、自分を殺そうとする者に返り討ちをしようと悪魔の銃を取り出して……
3.薄闇の女神
(The Dim Queen)
……ナポレオンのフランスとスペインが敵対していた時。2人の男が1人の女を愛した。1人は残り、1人は放浪の旅へ。そして3人が出会う時ーーーほろ苦い、愛のお話。
4.ハーレム・スカーレム
(Harem-Scarem)
……東洋のハーレムに忍び込んだ男の世にも奇妙な犯罪物語。
5.地上最高のゲーム
(The Grandest Game in the World)
……ディクスン・カーの「探偵小説論」
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そんなわけで久しぶりのアンリ・バンコランです!
久しぶり! バンコラン!
「グラン・ギニョール」はご存知「夜歩く」の原型となった中編です。
題名の由来はフランスに実際にあった劇場のことで、ホラー等を上映していたそうです(((( ;°Д°))))
そんな「グラン・ギニョール」。確かに大筋は「夜歩く」と一緒ですが、やっぱり細かいところが違います。起こる出来事も微妙に違うし、語り手の名前も違うし(ジャック君と言います)、登場しないキャラクターもいます(シャロン嬢とか←)。
しかしやっぱりこの人、怖い!
生首持ってこっち来いなんて言うんじゃないぃぃぃぃぃぃぃぃ( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚!!
ジャック君、お疲れ様です(。-人-。)
だけど初登場時は性格がかなり違うとか……ほんとかよ( ゚ ▽ ゚ ;)!?
2、3、4はいままで陽の目を見なかった短編たちで、バラエティーに富んでいます。4は恐らく推理小説至上、最も短い話と言ってもいいでしょう。
5はディクスン・カーの探偵小説論です。ネタバレもかなり多かったですが、読む頃には忘れてる! ……と思いたい(苦笑)
想像力を必要不可欠とし、想像力をフル活用することが要求される推理小説は、いつの世でも「地上最高のゲーム」です。
「グラン・ギニョール」でした(・∀・)/
次回は再びブラウン神父~(*^o^*)/~