カーター・ディクスン No.3◇白い僧院の殺人◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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「白い僧院」が「殺人」の血に染まる。しかし雪原に犯人の足跡はなく、空中に消え去った!?

 
 
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◇白い僧院の殺人◇ -The Priory Murders-
カーター・ディクスン 厚木淳 訳
 
 
〈白い僧院〉と呼ばれる邸の別館〈王妃の鏡(クイーンズ・ミラー)〉で、女優マーシャ・テートは絶命していた。他殺なのは誰の目にも明らかである。だが、別館を囲む新雪には発見者の足跡が一筋残されているだけだった。本書は”雪の密室”テーマの最高傑作として知られるだけでなく、その考え抜かれた謎の構成から、”不可能犯罪の巨匠”の残した数多くの名作の中でも代表作の一つに数えられている。
 
 
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どんな探偵にでも家族や親戚はいる。
 
 
(自称)多忙のヘンリー・メリヴェール卿のところに外交官を勤める甥ジェームズ・ベネットが訪ねて来た。
女優マーシャ・テートに命の危険が迫っているかもしれないと言うのだ。先日彼女が密かに泊まっていたホテルに毒入りチョコレートが贈られてきたのだ。
 
 
彼女は彼女が主演する作品の脚本と製作者を勤めるブーン兄弟の住む「白い僧院」という館に招待されている。そこには監督、新聞界の大物の娘等も泊まり、嵐の予感が……
 
 
ベネットは早速「白い僧院」に足を運ぶが、彼を迎えたのはマーシャ・テートが「白い僧院」の別館「王妃の鏡」で死体となって発見されたという知らせだった!
 
 
しかし問題が。別館へ続く足跡は発見者のものだけ。犯人のものと思われる足跡がどこにもないのだ!
 
 
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「白い僧院の殺人」です(・∀・)
 
 
またもヘンリー・メリヴェール卿が登場です。
ここではH.M卿と略されてます。簡単でいいですね(´∀`) 
ハヤカワ文庫と東京創元文庫では少し相違点があるようです(第1作目の「プレーグ・コートの殺人」はハヤカワ文庫です)。
 
 
話、脱線。
 
 
本書「白い僧院の殺人」は珍しいことに、
曰く付きの物が登場することもなければ、
一族に物騒な言い伝えがあるわけでもなく、
舞台がひどく怪奇、幻想趣味でもなければ、
遺体が猟奇的でもない、正統派ミステリーです。
 
 
しかも舞台設定も定番の定番、「雪の中の殺人と言えばー!」と問えば一発で「犯人の足跡がない!」と返ってくる十八番です←
 
 
カー特有の怪奇、幻想趣味が好きな人には本書は物足りないかもしれませんが、「カーの推理小説は面白いのは分かるけどオカルトじみているのがちょっと……」と辟易している人にはオススメできる……かもしれません。
 
 
本書はまさかのH.M卿の甥御さんが登場! 探偵に家族がいるのって現実味がありませんが←、ホームズにもポワロにも兄弟がいるのでH.M卿に親戚がいたって不思議じゃない。
 
 
マスターズ警部はともかく、ここが初対面の甥御さんはぞんざいで口の悪いなH.M卿がよく分からず、やきもきします。
そして語り手と容疑者の1人がラブラブするのはディクスン・カーのテンプレなんでしょーか(笑)
 
 
肝心のトリックは江戸川乱歩が絶賛したと言われている、すごいものらしいですが、
確かにその発想は素晴らしい!
そういうのって好きです! 一筋でいかないところが!
 
 
しかし「白い僧院」の招待客がみんな一癖も二癖も三癖も四癖もあるような人たちでその人たちの行動の時系列がものすごく分かりにくかったですorz 
 
 
みんな思い思いのことをやりすぎだよ!
「それはあなたの読解力不足だ」と言われたらそれまでですが(苦笑)
 
 
「白い僧院の殺人」でした(・∀・)/
次回もすみません、自称多忙のH.M卿で、「赤後家の殺人」です(*^o^*)/~