G・K・チェスタトン No.1◇ブラウン神父の童心◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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事件を解決するは小柄で丸顔に大きな黒帽子に蝙蝠傘を持った神父。その名はブラウン神父!

 
 
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◇ブラウン神父の童心◇ -The Innocence of Father Brown-
G・K・チェスタトン 中村保男 訳
 
 
奇想天外なトリック、痛烈な風刺とユーモア、独特の逆説と警句、全五冊におよぶ色彩豊かなブラウン神父譚は、シャーロック・ホームズものと双璧をなす短編推理小説の宝庫で、作者G・K・チェスタトンのトリック創案率は古今随一だ。まんまるい顔、不格好で小柄なからだ、大きな黒い帽子とこうもり傘の神父探偵の推理は、常に読者の意表を突く。初登場「青い十字架」ほか十二編。
 
 
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「ブラウン神父の童心」です(・∀・)
前回から少し間が空きましたね(^▽^;)
今月からブラウン神父が登場です!
 
 
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1.青い十字架
   (The Blue Cross)
   ……名探偵ヴァランタンは大泥棒フランボウを捕まえに英国へ。だが、彼の目の前で奇妙な行動を繰り返す2人組の神父がおり……!?
 
 
2.秘密の庭 
   (The Secret Garden)
   ……再びヴァランタン登場。彼は自宅で社交会を催したが、その庭で死体が発見された。しかしこの事件を解決したのはまたしてもブラウン神父だった!
 
 
3.奇妙な足音 
   (The Queer Feet)
   ……ヴァーノン・ホテルに泊まっていたブラウン神父は音がころころ変わる足音を耳にした。そしてその頃、「真正十二漁師クラブ」で窃盗と殺人が起こっていた!?
 
 
4.飛ぶ星
   (The Flying Stars)
   ……しょっちゅう盗難に遭うので「飛ぶ星」と呼ばれる宝石が盗まれた。クリスマスの日、大泥棒フランボウがついに……!
 
 
5.見えない男 
   (The Invisible Man)
   ……アンガス青年がプロポーズした娘は既に2人の男スマイスとウェルキンからプロポーズされていた。娘とスマイスはウェルキンにつきまとわれいたのだ。
 
 
6.イズレル・ガウの誉れ 
   (The Honour of Israel Gow)
   ……グレンガイル城という代々奇人が城主を勤める城にやってきたブラウン神父と探偵フランボウ。失踪したグレンガイル卿が遺したのは……珍品だらけ?
 
 
7.狂った形
   (The Wrong Shape)
   ……詩人レナード・クイントンに会いに来たフランボウとブラウン神父。ブラウン神父はクイントン邸の何もかもを「狂った形をしている」と言うが……!?
 
 
8.サラディン公の罪 
   (The Sins of Prince Saradine)
   ……休暇を取ったフランボウはブラウン神父を連れて、ボートでサラディン公爵の招待を受けに赴いた。しかしそこに思わぬ来客が舞い込み、事態はとんでもないことに!
 
 
9.神の鉄槌
   (The Hammer of God)
   ……ボーハン・ビーコンの村で殺人事件が起こった。しかし殺された男は大男で凶器はよりによって小型のハンマーだった。小さいハンマーで大男を殺す説明はつくのだろうか?
 
 
10.アポロの眼
   (The Eyes of Apollo)
   ……フランボウの新しい探偵事務所を見物しに来たブラウン神父は豪華な看板の新興宗教に、フランボウのその下の事務所の女性に興味があったが、その女性がエレベーターで死亡する事件が起きる。
 
 
11.折れた剣 
   (The Sign of the Broken Sword)
   ……ブラウン神父とフランボウは森の中を歩いていた。セント・クレア将軍の記念碑を見に来たのだ。セント・クレア将軍はなぜ最後の戦闘で非道な作戦をたてたのか?
 
 
12.三つの兇器
   (The Three Tools of Death)
   ……列車の中でエアロン・アームストロングの死体が発見された。陽気な男がなぜ? そしてどうやって殺したのか? やがてアームストロングの秘書が犯行を自白するが……
 
 
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全12編!
 
 
本書の主人公にして探偵ブラウン神父は黒い帽子と蝙蝠傘をトレードマークにした小柄、まん丸顔の神父さん。一見、頼りなさそうで油断を誘いますがどっこい、事件が起これば神父ならではの観察力と洞察力を持って真相に近づきます。
 
 
作者G・K・チェスタトンはあのコナン・ドイルと肩を並べるほど、数多の推理小説家に影響を与えた人物です。
エラリー・クイーン(作者)もその1人で作品の中でチェスタトンの名前が出ることも多いです(ある意味ネタバレ注意! と言えるかもしれない←)
「トレント最後の事件」のE・C・ベントリーと良い友達だったそうです。
そしてギデオン・フェル博士のモデルにもなりました。影響の大きさが分かりますね。
 
 
さて、G・K・チェスタトンが生んだこのブラウン神父は変人、超人探偵が多かった19世紀後半~20世紀前半には珍しい、普通のどこにでもいそうな人が探偵です(同じ時代と括られる中にシャーロック・ホームズ、ソーンダイク博士、思考機械、盲人探偵マックス・カラドス、隅の老人等がいます)。
しかしトリックは本格的で、後々の影響は計り知れません。
 
 
いや、全く。
奇想天外、意表を突くトリックと真相が目白押しです。
 
 
というか、「その発想はなかったわ!」という言葉が出ずにはいられません。
そこはホームズと似てますね。
 
 
 
面白かったのは「イズレル・ガウの誉れ」と「折れた剣」ですね(°∀°)b 
 
 
今月からそんなブラウン神父と相棒フランボウとお付き合いしていきます! 「ブラウン神父の童心」でした(・∀・)/
次回は再びH.M卿。「雪の中の密室」がテーマです(*^o^*)/~