ドイツ至上、最も不可解で、多くの謎を秘めた未解決殺人事件。その裏には一体何があったのか。
◇凍える森◇ -Tannöd-
アンドレア・M・シェンケル 平野卿子 訳
1950年代半ば、南バイエルン地方の森に囲まれた静かな農村で起きた凄惨な一家皆殺し事件。なぜ家族は殺されなければならなかったのか?犯人は誰なのか?友人や教師、郵便配達人、近所の農夫など村人たちの証言から被害者家族の意外な事実が明らかになり、その中から犯人像がおぼろげに浮かびあがる。ドイツ犯罪史上最もミステリアスといわれた迷宮入り事件に基づいた出色の作。
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「凍える森」です(・∀・)
本当はハルとセイヤーズ女史だったんですが、出かけ先で時間を潰すため、図書館に行ってこれを読んでました(時間潰しに読むものではなかったけど)。
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この物語の核となる事件は1920年代のミュンヘン近くで実際に起こった「ヒンターカイフェック事件」と呼ばれるものです。
一家皆殺しという類を見ない残虐な事件は決め手になる証拠も手かがりもなく、迷宮入りになってしまいましたが、ドイツ至上最もミステリアスな未解決事件として犯罪史に刻まれることになります。
特にドイツの人なら誰でも知っているような事件です。
怖いです。実に怖いです。事の起こった後、数日も居座った形跡もあるのがめちゃくちゃ怖いです(((゜д゜;)))
そんな事件を基にした本書は時期を1950年代に置き換え、被害者の友人、使用人、その家族、村人たち等の証言から始まり、核心に近付くにつれ、被害者本人の言葉に行き着きます。
かなり怖いです。
証言からどんどん浮き彫りになる、昔ながらの因習が生々しいぐらい怖い。
特に読者視点から見るとかなり客観的になるので、想像力だけで恐怖と嫌悪を感じます。それが第三者の恐ろしいところですが。
どこまでも灰色な曇り空。その下にあるのは、どこまでもどす黒い、因習と閉鎖にがんじがらめにされた田舎町……
未解決殺人事件となったこの事件ですが、一応有力な容疑者となった人物は何人かいますし、本書でも一応「犯人」は出てきます。
わたしもわたしなりにこの事件を調べてみました。確かにこの人物が無罪と考えるに一番根拠が薄いですが……うーん。
もともと被害者の家族はケチで変人で評判も良くなく、嫌な噂も多かったそうです。
犯人にも不審な行動が多かったですが、被害者家族にもらしくない行動があったとか。やっぱり彼らの周りは人の言うとおり、「何かに取り憑かれてい」たのでしょうか。
「凍える森」でした(・∀・)/
今度の今度こそ! ハル氏とセイヤーズ女史です(*^o^*)/~!