ドロシー・L・セイヤーズ No.13◇顔のない男◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




TwitterもといX: 「https://twitter.com/KYoCaTHouWoR
エブリスタ: https://estar.jp/users/153193524

ピーター卿のさらなる活躍、あるいはセイヤーズ女史の考察。

 
 
{1F51B556-EBAB-4920-B635-B48F3126D4D6:01}

 
◇顔のない男 ピーター卿の事件簿Ⅱ◇ -More Tales of Lord Peter-
ドロシー・L・セイヤーズ 宮脇孝雄 訳
 
 
黄金時代を担ったミステリの女王セイヤーズ。本書は、特異な動機の究明が深い余韻を残す表題作、不思議な遺言の謎を解くウィット満点の「因業じじいの遺言」、幻想味豊かな「歩く塔」等、貴族探偵ピーター卿の魅力溢れる七編に、セイヤーズが実在の犯罪事件を推理する「ジュリア・ウォレス殺し」と必読の歴史的名評論「探偵小説論」を併載した、待望のオリジナル短編集第二弾。
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
 
 
セイヤーズ女史終盤もあと少し。
今回はピーター卿の事件簿Ⅱと名付けて「顔のない男」。番外編その2です。
 
 
あと終わり2つは実際の事件に対する考察と探偵小説というセイヤーズ女史の考えた方が載っています。
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
 
 
1.顔のない男 
  (The Unsolved Puzzle of the Man with No Face)
  ……海岸で顔が潰された男の遺体が発見された。ピーター卿が話す"お伽話"は真実へ近づくのか。
 
 
2.因業じじいの遺言
  (The Fascinating Problem of Uncle Meleager's Will)
  ……メアリ嬢の知り合いのおじが奇妙な遺言を遺した。なんとかお金が欲しい進歩的考えの彼女のため、ピーター卿はゲームに立ち向かう。
 
 
3.ジョーカーの使い道 
  (The Unprincipled Affair of the Practical Joker)
  ……ダイヤモンドの首飾りと昔の弱みを盗まれた女性のため、ピーター卿はひと肌脱ぐ。
 
 
4.趣味の問題
  (The Bibulous Business of a Matter of Taste)
  ……「殺人は広告する」でお馴染みデス・ブリードン氏。彼の目の前に現れたのはなんと2人のピーター卿!? 
 
 
5.白のクイーン 
  (The Queen's Square)
  ……ピーター卿と母の先代公爵夫人が出席する仮想舞踏会で殺人事件発生!
 
 
6.証拠に歯向かって
  (In the Teeth of the Evidence)
  ……憂鬱な歯医者さんに行った日、ピーター卿な歯科医から殺人事件の話を聞く。決め手になったのは歯の治療の跡?
 
 
7.歩く塔 
  (Striding Folly)
  ……幻想的な夢とチェスプレイヤー。チェスの試合の前後して殺人事件が起こる。チェスプレイヤーの存在は夢だったのか?
 
 
8.ジュリア・ウォレス殺し 
  (The Muder of Julia Wallace)
  ……実際にあった殺人事件をドロシー・L・セイヤーズが考察する。
 
 
9.探偵小説論
  ……セイヤーズが唱える探偵小説とは。
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
 
 
バラエティーと心理に富んだ一冊となっております。
 
 
特に表題作「顔のない男」と「歩く塔」は幻想と御伽が混じって世にも奇妙な物語風で面白い後味です。
「趣味の問題」はまさかまさかのピーター卿の偽物現るというお茶を噴きそうな←汚い。内容。ピーター卿のワイン通が光ります。
 
 
「ジュリア・ウォレス殺し」は一時夫に有罪判決が出たものの、一転無罪となり、後に正式に無罪が確定した奇妙な事件。偽の名前におびき出され、翻弄される事件はそうないでしょうね(((゜д゜;)))
 
 
「探偵小説論」は非常に興味深い内容だと思われたのですか、ネタバレ多数! ということで流し読みです、ごめんなさいm(_ _)m
 
 
「顔のない男」でした(・∀・)/
次回、いよいのギデオン・フェル博士が登場!