神聖な学び舎に悪意の言葉が横行する。
そしてついにピーター卿とハリエットの関係に決着が!!
◇学寮祭の夜◇ -Gaudy Night-
ドロシー・L・セイヤーズ 浅羽 莢子訳
探偵作家のハリエットは醜聞の年月を経て、母校オクスフォードの学寮祭に出席した。するとその夜、けがらわしい落書きを中庭で拾い、翌日には嫌がらせの紙片を学衣の袖に見つける。幻滅の一幕。だが数ヶ月後恩師から、匿名の手紙と悪戯が学内に横行していると訴える便りが……。学問の街を騒がせる悪意の主は誰か。ピーター卿の推理は? 英国黄金推理時代有数の大長編、畢生の力業!
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探偵作家ハリエット嬢は複雑ながらもオクスフォードの学寮祭に出席し、同期や恩師との再会を果たす。
しかし中庭で猥雑な落書きを、袖に嫌がらせの手紙を見つけてしまい、オクスフォードの学寮祭は一気に嫌な思い出になってしまう。
しかし恩師からカレッジ中に中傷、悪意の手紙がばら撒かれているという知らせが入り、ハリエットは母校で探偵役を務めることになる!
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というわけで「学寮祭の夜」です(・∀・)
セイヤーズ女史、最大の分厚さを誇る作品ですが、
主人公はハリエットです!
ハリエットです!!←2度言った。
ピーター卿はなかなか出ません。ローマやらワルシャワやら色んなところに行っています。まぁ、探偵するのも解決するのもピーター卿ですが(笑)
しかしピーター卿がいない分、ハリエット嬢の心情がありありと書かれ、興味深いです。
ハリエットだけではなく、カレッジの女史たちの結婚と仕事の間に立つことの苦悩、夫とは妻とは、などの議論をするところはセイヤーズ女史と当時の英国の考えが見えました。後半、人物と性格描写に力を入れたセイヤーズ女史の真骨頂だと言えます。
でも推理小説は殺人事件があってなんぼな方にはちょっとおすすめしづらいです……(´□`。)
700pもあって人が殺されない(怪我人は出ます)ミステリーを、わたしは初めて読みました。ほんとに。
しかし悪意の言葉や中傷が誰彼構わずぶちまけられるこの事件は今のネット社会で十分起こりうる出来事なので今までで一番現実味のある話だと思いました。面白くなかったとは言いません、絶対に。
あとピーター卿、おめでとう!
言葉少なくてもきっと十分( ´艸`)
「学寮祭の夜」でした(・∀・)/
次こそ「絞首台の謎」! のはず(*^o^*)/~!