アーサー・コナン・ドイル No.32◇スターク・マンローからの手紙◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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1人の貧乏医師から見る、コナン・ドイルという人物。

 
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◇スターク・マンローからの手紙◇ -The Stark Munro Letters-
アーサー・コナン・ドイル 田中 喜芳 訳
 
幻の自伝的小説! 70年ぶりの邦訳─親友の裏切り、破滅、そして心やさしい人々との出会い……貧しい青年医師の波瀾に満ちた自画像。シャーロック・ホームズの生みの親ドイルが、自らの人生哲学や宗教観を色濃く映し出した名作。
「だれもが金持ちで病人という、どこか小さなまちはないものかな……」─本書は、ドイル自身が心血をそそぎ、こよなく愛した作品のひとつで、最も末永く生き続けると考えていた小説である。数多い彼の著書のなかでも、まさに原点に位置づけられる名作といえる。真理とは何か。人間とは何か。─「シャーロック・ホームズ」のファンにとって本書は、作者ドイルの謎多き思想や哲学を知るための格好の手がかりにもなり、ほかの伝記では見られない特異で貴重な自画像を伝えている。
 
 
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アーサー・コナン・ドイル、最後を飾るは本書「スターク・マンローからの手紙」です(・∀・)
 
 
これは先生自身をスターク・マンローに重ねた、自伝的小説です。
クリスティー女史でいう「未完の肖像」と同じ立ち位置ですね。
 
本書はスターク・マンローが友人バーティに書いた手紙で物語が展開されます。
 
その手紙がスターク・マンローに起こった出来事、
彼が抱いた思想、哲学が事細かく書かれています。
スターク・マンローは先生自身なので、
 
スタークに起こった出来事や、その時抱いた思想、哲学は、
全て先生のものである。ということになります。
つまり、これを読めば、
アーサー・コナン・ドイルという人物がほぼ分かる。ということになります。
最後にあたり、アーサー・コナン・ドイルという人物を振り返ってみようという意味で、この作品でコナン・ドイルを締めくくりたかったのです。
 
またここで出てくるカリングワーズ医師はこちらでも触れましたようにバット医師がモデルだとか。
うーん、友達を選びそう。というか友達少なry←
 
しかし裏切られて独り立ちしたからこそ、最後、彼は幸せな生涯を2人で送れたわけなので、カリングワーズ医師と友達だったのも、きちんと意味があったんだと思います。
 
「スターク・マンローからの手紙」でした(・∀・)/
 
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さて。これでアーサー・コナン・ドイル先生が書かれた物語をほぼ全部読み終えました。
 
 
「緋色の研究」でスタートしたのが4月の初めだったので、あれから10ヶ月経ったわけです。月日が経つのは速いものです。
 
 
先生の作品を読んで分かったのは、
シャーロック・ホームズだけでアーサー・コナン・ドイルを判断することはかなりの狭量である。ということです。
 
 
先生は推理小説以外にも歴史小説、冒険小説、ホラー小説、SF小説、スポーツ小説など多彩なジャンルを書いていました。
 
 
それは全て、
見事な表現描写と物語構成、綿密な研究で成り立っている!
 
 
といいますか、
これらのジャンルなしにシャーロック・ホームズの成功はあり得なかったと思うんです。
 
 
歴史小説が先生の本当に書きたかったジャンルでした。わたしはシャーロック以外のジャンルも好きになりました。
 
 
先生の物語は全て読むことはできなかったし、読めるまで時間もかかりましたが、出会えて良かったと心の底から思います。
 
 
稀代の名探偵にして、最高峰の探偵シャーロック・ホームズ。小学生の時に一度会いましたが、その時はまだ幼くて、何も分からなかった。
今、成長して再会しても頭の良さは到底及びませんが、貴方をもっと知ることができて良かったです。
 
 
破天荒冒険家、チャレンジャー教授、最初の教授はただ癇癪持ちの怖い人かと思ったけど、冒険心溢れる勇敢な人だと思い直しました。天国から未開の地を見つけて、しめしめと冒険心を膨らませてください。マローン君たちと一緒に(笑)
 
 
他にもたくさんの登場人物に出会わせ、たくさんの世界に飛び込ませてくれた先生に感謝します!!
 
 
ーーーアーサー・コナン・ドイル(文学のみ)、ほぼ全巻読破。
2015年、2月3日。