被害者は画家、犯人も画家!? ピーター卿、6匹の鰊の中から犯人を推理する!
◇五匹の赤い鰊◇ -The Five Red Herrings-
ドロシー・L・セイヤーズ 浅羽莢子 訳
スコットランドの長閑な田舎町で嫌われ者の画家の死体が発見された。画業に夢中になって崖から転落したと思しき状況だったが、ピーター卿はこれが巧妙な偽装殺人であることを看破する。怪しげな六人の容疑者から貴族探偵が名指すのは誰? 大家の風格を帯び始めたミステリの女王が縦横無尽に紡ぎ出す本格探偵小説の醍醐味。後期の劈頭をなす、英国黄金時代の薫り豊かな第六弾!
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だいぶ間が空いてしまいました、すみませんm(_ _)m
行きつけの本屋になかったのと、読破に思った以上の時間がかかったのが、敗因です←
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ピーター卿が訪れていた、画家と釣り師の楽園と呼べるのどかな田舎町に一つの事件がやってきた。嫌われ者の画家が死んだというのだ。
地元警察は事故死と判断するが、我らがピーターのはそれを跳ね除け、これを殺人事件と断言する。
遺体の側に描きかけの絵があったことから犯人は被害者と同じ画家であると推理したピーター卿。
果たして被害者キャンベルを恨みを持ち、かつ彼との間に問題を抱えていた人物は六人いたが、どれもみんな疑わしい状況に陥っていた!
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約1ヶ月ぶりのピーター卿。お久しぶりです(笑)
ピーター卿、第6巻はロンドンをはるか離れたスコットランドの田舎町が舞台。
なのでお馴染みロンドン警視庁パーカー警部はあまり登場せず、その町の、スコットランド訛り丸出しの警察官と協力し、時に独断で事件を解くことになります。
しかも容疑者6人は皆、疑わしい証拠を持ち、誰が犯人でもおかしくない状態、さあ、誰が犯人だ!? という立派なフーダニットーーーwhodunitもの。
……でもさ、ピーター卿。
「それ」を前から知っていたならここまで引っ張ることはなかったのでは?
だってそれ、最初の時点で分かったでしょうよ!
しかしアリバイトリックに描きかけの絵を利用するところは画家の楽園と呼べる町らしいと思いました。こういうトリックはここ時代の推理小説でしかお目にかかれません。
蛇足。この本の怪説(解説)は〆切を追われ、うっかり居眠りしてしまった解説者が夢の中でセイヤーズ女史とお話しするといううらやまryで、セイヤーズ女史の、その時代の推理小説の考えや世界観が垣間見え、とても勉強になりました。
……だけど「量のクリスティー、質のセイヤーズ」はないと思う。←
「五匹の赤い鰊」でした(・∀・)/
次はコナン・ドイルから「コロスコ号の悲劇」です(*^o^*)/~