木下堤雄 著 理科系の作文技術 (中公新書 (624))

昨日紹介した「流星と流星群~流星とは何がどうして光るのか」はとても読みやすい文章だった。頭の中に勝手に文章が投げ込まれているかのようにすらすらと内容が頭に入ってくる。まさに理系の文章のお手本と言ってよい。

本書ではこのような文章を書く上で参考になる技術が解説されている。ここでは、そのために活用できそうな10個の理系文章技術をピックアップしてみた。これらは、論文やレポートを書くときのみならず、就活のエントリーシート、ビジネスでのメールのやりとりや報告書など、理系の文章以外の文章を書く上でも応用できそうな技術である(もちろんケースバイケースであるが)。

1、一つ一つの文章を書く目的を明確にする。そのためにも今書こうとする文書に与えられた特定の課題を十分に認識する必要がある。

2、情報と意見のみを書く。心情的要素を混入させない。

3、一つの文と次の文との結びつきを明瞭にし、論理の流れはっきりさせる。理論の説明は「明白でない」より「くどい」をよしとする。

4、一文をなるべく短くする(一文が50~60文字の文章を心がける)。受動態ではなく能動態をつかうことで、文が短くなる場合が多い。

5、一義的に読めるような表現を心掛ける。

6、含みをもたせた、ぼかした言い方を避ける。

7、パラグラフのトピックは何かを常に意識する。

8、意見と事実を区別する。

9、理論を展開するうえでどんな仮定を付け加えているかをわかるようにする。

10、何かを説明するときは、まず概観を説明してから細部の記述に入るように心掛ける。

これらのことを考えながら文章を書くだけでも、文章がより簡明になり、文にリズム感が生まれるだろう。使えそうな技術があったらどんどん使ってみて欲しい。

また良い文章を書く技術を習得するには、やはり名文を読むのが一番だ。本書を読んでおけばいざ名文を読んだときに、その名文がなぜ読みやすいのかを言語化するのにも役立つ。作文技術に限らず、どのノウハウについても言えることであるが、そのノウハウを自分のものにする為にも、まずはそれを言語化できなければならない。自己啓発本はその限りにおいて役に立つ。