ご無沙汰しております。
今頃で恐縮ですが、2018年最初の投稿です。今年もどうぞよろしくお願いします。
今年は、少なくとも2冊は国際コンクール向けの本を作るつもりです。完成&出品は来年ですが、制作の大半は今年です。時間をうまく使わねば!
さて、前回は天小口の装飾についてでした。次は出来上がった本文に表紙の芯材となる、ボール紙を綴じ付けます。
ここがこの製本の最も特徴的な所。製本名にもなっています。表紙ボール(紙)を本文を綴じた糸で付けるから綴じ付け製本。フランス語ではパッセカルトンですが、パッセ=通す、カルトン=紙、だそうです。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180109/18/bookbinding-rema/49/2f/j/o0692096014108680118.jpg?caw=800)
あとの工程で、今回取り付けたボール紙に革を貼り付け表紙を作るんですよ~。
この製法に対して、現代的で簡易な製本、商業的な製本では、ボール紙を革や布、紙などの表紙材でくるんで一体化した表紙を先に作ります。それを本文に接着して仕上げます。
↑こんな感じの表紙。こちらはくるみ製本と言います。
一見、2種の製本法による外観上の違いは無いように思えますが、背の両サイドに溝の有る無しでハッキリと違いが分かります。
こちらはくるみ製本。溝有り。
上2点は綴じ付け製本。溝は無い。
本の開きやすさという実用性から言うと、実はくるみ製本の方が優れていますが、やはり溝無しが美しいなぁ。
とってもマニアなお話になりましたが、今日はここまで。続きはまた。