16話目 場面緘黙症についての経験談小説 | HSP✖️不登校サポーターaikoᵕ̈*親と子を繋ぐ居場所作りをしています‍‍

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集団の場が苦手、人と話したいのに緊張して上手く話せない、場面緘黙症、共感性の高いHSPの気質をもつaikoだからこそ不登校になる子供の気持ちをくみとってきました。これから不登校の子と親を繋ぐ居場所を作ります ̖́-‬

あゆは、3年生になった。



 

3年生では、クラス替えがありあゆは、石井くんと違うクラスになった。




 

いじめられなくなったが、やっぱり同じクラスよりも違うクラスになって嬉しかった。




 

新しい担任の先生は、新任の男の先生だった。



 

若くて、当時流行っていたイケメン俳優似のかっこいい先生でお母さんたちがキャーキャー言っていた。



 

あゆも先生のことが好きだった。



 

相変わらず話せる友達は、いないけど、





 

いじめもなくなった。




 

あゆをとりまく心配は、もう何もないかのように見えた。






 

だか、おかしな異変があゆを少しずつ、襲い始めた。







 

なんだか頭が痛い。






 

学校にいると頭が痛くなることが増えた。





 

そのたびに保健室に行き早退して家に帰って寝て




 

家に帰ると頭痛は、おさまり退屈な時間を過ごした。




 

母も仕事で家にいないことも多く




 

何で自分が保健室に行って早退して家に帰るという意味が分からないことを繰り返しているのか謎だった。





 

「私、何でこんなことしてるのかな?」




 

自分で自分が分からなかった。




 

頭が痛くなることだけは、確実に分かっている事実だった。




 

あまりにも長く続く頭痛に




 

あゆは、母に思いをうちあけた。



 

「頭がずっと痛い」



 

そんなあゆのうったえで、母に連れられて病院で脳の検査を受けた。



 

頭痛がずっと続くあゆを見て、大きな病気じゃないかと母が心配したのだ。



 

検査の結果も異常がなく、とくにする治療もなく、結局そのままになった。





 

だが、その時にあゆには知らされていなかった事が一つだけあった。




 

母は、先生からこう言われていた。




 

「自律神経失調症でしょう」




 

そう言われていたのに母は、あゆに対して何もすることはなかった。




 

そのまま放置してしまったのだ。





 

ここで母が気がついていたら何かが変わっていたのかもしれない。





 

誰かが何かに気がつくきっかけは、たくさんあったはずだった。




 

大人たちがそろいもそろって、あゆの状態を無視したのだ。




 

もちろん、幼いあゆに気づくことはできない。





 

本当は、理解ある大人の助けが必要だったのだ。




 

のちに、大人になったあゆは、自分が放置されて育ってきたことを知ることになる。




 

親を憎み、恨み、最後は自分さえも自分を無視して、自分を大事にすることを放棄してしまうことになった。




 

たくさんの葛藤を乗り越えて両親を許すことができて、本当の自分を取り戻すこと始めようとした時



 

自分が場面緘黙症だったということに気がついた。




 

あんなに生きずらかったのは、あゆのせいではなかったのだ。








 

そして、今もかつての自分と同じように放置されながら育ってきている子供たちがいるだろうと思った。



 

その為には、まずはお母さんが楽しく満たされていることが一番だと伝えていきたいと考えた。



 

あゆの母は、精神的にとても弱い人だった。




 

いつも笑っていたけど、情緒不安定で自分の気分でものを言っては子供たちの気持ちを傷つけるような人だった。



 

そんな母を見て育ったあゆは、お母さんに分かってもらいたい、認めてもらいたいという気持ちばかりがふくれあがっていった。




 

やっぱり、お母さんが満たされていないと子供を救うことなんて、できないんだな。




 

大人になったあゆがたどり着いた答えはそこだった。





 

だけどあゆは、まだたった9歳になったばかりの女の子だ。




 

幼い子供に分かるはずがなかった。




 

それでも分からないながらもサインは必ず出していた。





 

自分ができる限りの力で






 

助けて!!





 

お母さん、助けて!





 

と伝え続けてきたのだ。






 

頭痛が出ていたのも学校にいる間だけだった。






 

心が限界をこえているのに無理をして学校に通い続けていたことで体にまでサインが出てきていたのだ。







 

そして、これはまだ苦しみの始まりに過ぎなかった。





 

その体からのサインは、あゆを長年苦しめる事になった。
 
 
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