15話目 場面緘黙症についての経験談小説 | HSP✖️不登校サポーターaikoᵕ̈*親と子を繋ぐ居場所作りをしています‍‍

HSP✖️不登校サポーターaikoᵕ̈*親と子を繋ぐ居場所作りをしています‍‍

集団の場が苦手、人と話したいのに緊張して上手く話せない、場面緘黙症、共感性の高いHSPの気質をもつaikoだからこそ不登校になる子供の気持ちをくみとってきました。これから不登校の子と親を繋ぐ居場所を作ります ̖́-‬

あゆの母とりっちゃんのお母さんが石井くんの家に行っている時間、あゆは気が気でなかった。




 

頭の中では、悪い妄想しか浮かんでこない。




 

母が帰ってくるとあゆは、すぐに聞いた。



 

「どうだった?」




 

「石井くんのお母さんと話したよ、りっちゃんのお母さんが一緒についてきてくれたから心強くてよかったよ」




 

「石井くんは、その時いたの??」




 

あゆは、一番聞きたくないことを聞いてみた。




 

聞かずにはいられなかった。




 

「近くにいたよ」




 

母の答えから行ったこともない石井くんの部屋が思いうかび、話し合っていた時の様子が妄想としてあゆの頭の中に描かれた。




 

そんな時、母が理解しがたいことを口にした。






 

「先生が言ってたんだけど、石井くんは、あゆちゃんのことが好きだから、そんなことをしてくるんじゃないかって」




 

へっ!?



 

なにそれ?




 

石井くんが私のこと好き??



 

そんなこと、あるわけがない。





 

先生は、何を言っているんだろう。




 

先生も理解できなかったが、母のことも理解できなかった。





 

大人たちの言うことが分からない。





 

幼いあゆには、理解できないことだらけだった。





 

だか、何かおかしい。



 

違和感がする。





 

その想いだけが強烈に残った。






 

その次の日、学校に行くことがものすごく怖かった。





 

怖い、怖い、怖い、怖い、怖い。





 

初めて意識的に怖いという感情を感じながら登校した。





 

頭の中では、これからもっとひどいことをされるんだ!という思いしかうかばなかった。






 

恐る、恐る、教室の中に入った。




 

恐怖が体と心を襲うけど、何もなかったように自分の席に座った。




 

ちらっと石井くんの姿を確認した。





 

何事もなかったように他の男子たちと遊んでいた。





 

その日、ずっと構えていたが石井くんがあゆに何かをしてくることは、なかった。




 

そして、最後まであゆに何もしないで1日が終わった。





 

そして次の日も、また次の日も何もしてこない日々が続き、あゆは思った。




 

やっと終わった。





 

いじめから解放されたんだ!





 

石井くんからいじめられなくなって、学校にいることが楽になった。




 

まるで羽がついてフワフワと、どこへでも飛んでいけそうな感覚だ。




 

何も気にしなくていいってこんなに楽なんだな。




 

あゆは、嬉しかった。




 

学校で話せる友達は、1人もいない。



 

教室では、いつも一人ぼっち。


 

その状況に何も変わりはない。




 

だけど、いじめがなくなったことであゆは救われたような気持ちになれた。




 

そのまま2年生が過ぎていった。



 

そして3年生での生活が始まろうとしていた。
 
 
 
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