「よなよなエール」のビールメーカー
ヤッホーブルーイングの井手直行社長
は、2008年に社長に就任した。
地ビールブームが去った数年後、
業績も前年比伸び率2~4%に
とどまっていた。
社内の雰囲気は暗く、「おはよう」と
呼びかけても、挨拶は帰ってこない。
井出社長は、「挨拶は大事だよ」
と社員への挨拶を見せ、説き続けた。
「挨拶の浸透は、社内の文化を変える
一大プロジェクト。
社長が文化を変えようなんて
言い始めたら、社員が戸惑うのは
当たり前。強制しても定着しない」
挨拶を続けるうち、一人また一人
と挨拶をしてくれる社員が現れた。
そして、挨拶の気持ちの良さが
分かった社員が、周りに伝え、
挨拶の連鎖が生まれていった。
「気持ちを持ち続ければ、
3年目で効果が出始めて、
4年目くらいから社内の文化に
なり始める。
そういうものですよ」
今では、多くの経営者から、
「井出さんのところの社員は、
どうしてこんなに明るいんですか」
と繰り返し尋ねられている。
(日経トップリーダー 2016.7、挨拶定着へ鉄壁の指南書、井手直行 ヤッホーブルーイング)