読書会で村上春樹の本を読みました。
「職業としての小説家」はエッセイ。
村上氏の小説づくりへの考えが
書かれています。
印象的だったのは、「~の方法」的な
ノウハウのような表現ではなく、
「なぜ私はそうしているのか?」
と自分自身への問答だったこと。
それが、読む側にも読みやすい効果が
あると感じました。
村上氏は小説の主人公について、
「自分と同年代の人間を主人公に
していない」と質問されるという。
それに対し、
「なぜ、自分と同じ年代の人間を
書かなければいけないんだ」
と返す。
「小説で一番楽しいと感じるのは
「なろうと思えば、誰にでもなれる」
こと。なぜ、その素晴らしい権利を
自ら放棄しなければならないのか」
村上春樹の小説の主人公だけでなく
登場人物は、そのように一人ひとり
想像して描かれていると感じました
易きに流れない「こだわり」や
「ひねくれ」のある作家なのだと。
(「職業としての小説家」村上春樹、スイッチ・パブリッシング)