作家丹羽文雄氏(1904-2005)
の「小説作法」(初版昭和40年)を
読んでみる。
丹羽氏は、小説を書きたい人に対して
「小説を書くことを、
決して急いではならない」
という。
「先ず、身辺のことを、
ノン・フィクション的に
書くことからはじめること。
判っている現在の自分を見つめて、
それだけの自分を描けばいい。
自分の経験、生活、愛情、考えを
持っていれば、概念的なものに
なるはずがない。
持っている限りの、誠一杯の
ものであればいい。
自分を知ることは、
次の飛躍を約束してくれます」
(「小説作法」丹羽文雄、角川文庫)