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ほんだな

本棚から本を引っ張り出して読むように、新たな驚き・発見・喜怒哀楽を得ることができるそんなブログでありたいです。

【推しボン】

 前回(第155回)芥川賞受賞作である、本谷有希子さんの「異類婚姻譚」と同時期に、文庫版として書店に並んでいるのを見て、購入し再読をしてみた。


 ネタバレになるが、「駄目人間」「ヒモ」「彼女いない歴イコール年齢」の男・白羽、彼でさえ、どん引きをし、後ずさりを知って去ってしまう、主人公・古倉恵子のコンビニに洗脳された、「処女」「未婚」の重いオンナの行く先は、古巣のコンビニを決意して去った意を固めるも、結局ただ言えることは、コンビニ店員であったということ。


 だいたい、いい年齢してコンビニで働けるガッツのある人って、夢を追いつつ劇団員をしながら夢に向かって強烈なスピリッツがないとできないのだが、恵子には、そう言う純情な感情を持つ人も物もない。「衣」「食」「住」の三要素に続くのが、「コンビニ」なのだ。そんな四本柱を心に掲げる。


 と、いいつつ、「衣」に関しては、同居人に旧制服を提供する無頓着さ。「食」については、コンビニの廃棄物を食料として持ち帰るほどのこだわりなし。「住」に関しても、ただ職場が近くだから引っ越しさえ考えない環境への不満のなさ。何よりも、恵子自身が社会不適合者であるのだが、更に不適合者と同居を始める。結局は、「コンビニ」という土台に、「衣」「食」「住」があるのだ。


 これだけ熱心に働けるのなら正社員にしてやれよ、と母体会社に陳情をしても何ら問題ない人間だが、「これが、古倉恵子」の生きる道なのだ。

 

 余談だが、この本を読んでいて、脳内にリフレインした曲が、猿岩石の「コンビニ」。某大手コンビニチェーン店のCMソングにもなっていたのだが、女性のコンビニ店員に、淡い恋心を抱いてします。彼女がいるコンビニにいたいから、必要もないコピーを取って少しでも長居をしたいと思い… でも、彼女には、もうパートナーがいたのを目撃してしまう。一発屋芸人として、「白い雲のように」にしか印象に残ってないかと思うが、是非、聴いて頂きたい一曲。

 

 

 

 

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250円
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#063 黒田目線 黒田有 毎日新聞出版

 

 黒田有さん、関西近隣の人はご存じかと思いますが、お笑いコンビの「メッセンジャー」のエエ声と貧乏エピソードでお馴染みの人。現在は関西を中心に様々な番組で活躍されています。


 そもそも、この一冊を知ったきっかけは、名古屋で活動されている「アンダーポイント」(増野豊・本美大)のラジオ番組に、ゲストで黒田さんか来られ、当日その後、用事があって書店に即買い。


 そもそも、私がメッセンジャーを知ったのは、よみうりテレビが「ミヤネ屋」の数年前に鳴り物言いで関東に逆ネットするも、大不評により半年で撤退した「なるトモ」の月曜レギュラーとして出演されていたとき。そこから、名古屋では、番組終了までネットを継続してくれたのですが、陣内智則さん(後に降板)、山崎方正さん(現在、月亭方正)の3人のやり取りは毎週楽しみにしていました。とある警察沙汰で、一時期活動は休止いていたものの、名古屋で見る事ができる番組も複数あり、大体は、関西の局遅れネットの番組ですが、観ると、彼の虜に鳴ってしまう。


 黒田有さんと言えば、先ず「エエ声」。本人は意識をしていないのだが、仕事の上では大きなアドバンテージとなっている。そんな風貌も含めて親父臭を感じさせるところが、マザコンを自負している母に煙たがれるところもある。そして、「貧乏エピソード」耳の片方がちぎられているように見えるのは、幼少期にネズミにかじられたからだとネタにするほど。といっても、貧乏を不幸せに思わないのが黒田さんの美学。それも、肝っ玉な母親かが起因するのだろう。


 さらに、「未婚」。某有名女優とも噂になったが、女性に対して不器用で、幼少期や思春期の苦い想い出、そんなエピソードも満載。テレビでは、進行を淡々と進めるが、ワイプで抜かれている顔は人情味溢れている。喜怒哀楽をはにかみながら具現している。また、恥ずかしがり屋なところが、私は大好きである。稚拙ながら、ワタクシも黒田さんにも気ないぐらい、エエ声で認知を得ている。よそ者とは思えない親近感を勝手ながら抱いていて、黒田さんは他人とは思えないのも、個人的なツボな芸人さん。

 

 

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1,404円
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#060 素顔の岡村隆史 本多正織(ほんだまさのり) ヨシモトブックス

 

 購入日が金曜日だったのだが、その前日木曜日深夜の「岡村隆史のオールナイトニッポン」で、ご本人から、こういう本が出ます、ということと、Yahoo!ニュースにてリリース情報も掲載されていたこともあり、書店で発見し即購入。最寄りのマクドナルドに駆け込み、速攻読破。2018年も差し迫っている中で、今年読んだ本の中で、ワタクシ的トップ10入りすることは確実な強烈なインパクト。面白いのだが、ジーンと感動する一冊でもあった。


 本多さんと言えば、「めちゃイケ」で、「ボケとツッコミ、逆なんじゃない?」と、岡村さん、その相方・矢部浩之に問題提起をした、ナインティナインにとって重要人物のひとり。そして、2011年の「FNS27時間テレビ」で、岡村が走る気満々であったマラソン企画。また、ここで逆なんじゃない(矢部だろ)という本多さんの鶴の一声で、決まった矢部の100キロマラソン。矢部の、病気療養の一因となったのは自分の責任だと語るVTR。後に、岡村を号泣させゴールを迎える感動のグランドフィナーレに導いた、そんなきっかけを作った、そんな方である。


 実は、NSCにて、「こいつは売れる!」と感じた4人の芸人の一人が岡村さんであった(他3人の名前は、ネタバレするので控える)。その後、国民的人気番組での大活躍があっても、接点があまりなく、今回、執筆するにあたり、ロングインタビューを経て、改めて、本多さんが、「素顔の岡村隆史」を引き出したのが、この著書の目的である。


 各項、岡村さんが語っている風に書き下ろし、その後に、本多さんの着眼点がその次にかかれており、その着眼点は、岡村さんにだけ向かれているのではなく、他の芸人へのリスペクトや、私たちが、岡村さんから学ぶべきことは、と言う自己啓発的なエッセンスもある。


 そんな内容において、意外にも、ナイナイの漫才師時代のエピソードに多くページを割いている。そして、読んで頂くと分かるのだが、島田紳助さん並に、岡村さんも策士なのだと、売れるためのハウツーを掴んでいたのだ。NSCを使い倒す方法、退学になっても返り咲く方法、如何に賞取りレースを活用する方法。正直、長年、コンビ時代から、二人のラジオを追っている熟知しているリスナー(私もその一人)にとっても、漫才師時代の「ナインティナイン」。そして、「岡村隆史」を知る機会は思ったよりも少ない。そういう意味でも、お笑い好きには是非読んで欲しい一冊。