【推しボン】素顔の岡村隆史(本多正織) | ほんだな

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#060 素顔の岡村隆史 本多正織(ほんだまさのり) ヨシモトブックス

 

 購入日が金曜日だったのだが、その前日木曜日深夜の「岡村隆史のオールナイトニッポン」で、ご本人から、こういう本が出ます、ということと、Yahoo!ニュースにてリリース情報も掲載されていたこともあり、書店で発見し即購入。最寄りのマクドナルドに駆け込み、速攻読破。2018年も差し迫っている中で、今年読んだ本の中で、ワタクシ的トップ10入りすることは確実な強烈なインパクト。面白いのだが、ジーンと感動する一冊でもあった。


 本多さんと言えば、「めちゃイケ」で、「ボケとツッコミ、逆なんじゃない?」と、岡村さん、その相方・矢部浩之に問題提起をした、ナインティナインにとって重要人物のひとり。そして、2011年の「FNS27時間テレビ」で、岡村が走る気満々であったマラソン企画。また、ここで逆なんじゃない(矢部だろ)という本多さんの鶴の一声で、決まった矢部の100キロマラソン。矢部の、病気療養の一因となったのは自分の責任だと語るVTR。後に、岡村を号泣させゴールを迎える感動のグランドフィナーレに導いた、そんなきっかけを作った、そんな方である。


 実は、NSCにて、「こいつは売れる!」と感じた4人の芸人の一人が岡村さんであった(他3人の名前は、ネタバレするので控える)。その後、国民的人気番組での大活躍があっても、接点があまりなく、今回、執筆するにあたり、ロングインタビューを経て、改めて、本多さんが、「素顔の岡村隆史」を引き出したのが、この著書の目的である。


 各項、岡村さんが語っている風に書き下ろし、その後に、本多さんの着眼点がその次にかかれており、その着眼点は、岡村さんにだけ向かれているのではなく、他の芸人へのリスペクトや、私たちが、岡村さんから学ぶべきことは、と言う自己啓発的なエッセンスもある。


 そんな内容において、意外にも、ナイナイの漫才師時代のエピソードに多くページを割いている。そして、読んで頂くと分かるのだが、島田紳助さん並に、岡村さんも策士なのだと、売れるためのハウツーを掴んでいたのだ。NSCを使い倒す方法、退学になっても返り咲く方法、如何に賞取りレースを活用する方法。正直、長年、コンビ時代から、二人のラジオを追っている熟知しているリスナー(私もその一人)にとっても、漫才師時代の「ナインティナイン」。そして、「岡村隆史」を知る機会は思ったよりも少ない。そういう意味でも、お笑い好きには是非読んで欲しい一冊。