我輩は、犬である。
マイネーム イズ ミッキー.
おっといけない、つい英語が出てしまった。
いつも、1(イチ)・2(ニー)・3(さ~~ん)の
1(イチ) は、「ワン!」と言ってしまう。
ちなみに、2(ニー)は、「ワン! ワン!」である。
100まで数えると、あごが疲れる。
時々、私の顔を見て、
キャン ユー スピーク イングリッシュ ?
と尋ねられる。
当然、答は、「キャン!」である。
そう、私は、英国生まれの純粋の外国犬(日本人からすると)なのだ。
祖先を訪ねると、その血筋は、英国王室にさかのぼる。
ひょっとすると、チャールズ皇太子は、
私のまた・また・また~いとこの隣のおじさんかもしれない。
それほど尊いお犬様であらせられるのに、わが家では、
それほど大事にされているとも思えない。
一般の庶民の扱いである。
そもそも、私を飼いたいと言ったのは、上の兄(なぜか人間)なのである。
ご飯もやります!散歩にも連れて行きます!
面倒は全て私が見ますからと、約束してボス&マダムの了解を得たらしい。
であるが、今の現状を見ると、その約束はほとんど守られていないと思われる。
でも、こんな兄だが、私にはとても優しい兄である。
部屋は、いつも散らかしまくって、足の踏み場も無い。
マダムからは、「今日中に片付けへんと、ご飯ないよ!」
と毎日言われている。
しかし、片付けたタメシがない。
兄の汚い(人間からすると)部屋は、私にとっては、
とても居心地がよい。
昼の間、彼のベッドは私の寝床となっている。
マダムは、くさいと言うが、
私にとっては、とても心落ち着く良い香りである。
部屋の中には、大きな山ができて、
部屋への侵入を阻む時がある。
それは、東大安田講堂のバリケードよりひどい!
カバン、くつ、服、ズボン、本、テニスラケット、
ゲーム機、携帯、空き缶、空き瓶、その他‥‥‥
一度などは、その山を越えようとして、
遭難しかけたことがある。
一気に駆け上がろうとしたら、突然の雪崩に遭い
上から落ちてきたテニスラケットで、
イヤというほど、お尻をぶたれた。
わん!わん!泣きながら家の中を3周もしてしまった。
痛かったからではない。ビックリしたのだ。
この兄は、虫が大の苦手。
チョウチョウが近づいてくると、わき目もふらず逃げ出してしまう。
小さな、1センチも無いようなクモは、
本人には、20センチ以上もある化け物に見えるらしい。
クモが出た部屋には、金輪際、近づかない。
私は、イングランドの狩猟犬の血が騒ぐので、
虫を見ると、うれしくなって、もう止まらない。
尻尾を振りながら、どこまでも追いかける。
全然、兄とは正反対である。
兄は虫が嫌いなくせに、部屋を汚くしているのは、何故だろう?
と時々思うことがある。
あれだけ汚くしていると、きっと虫がわいていると思う。
押入れには、キノコが生えているに違いない。
間違いない!
こういう兄だが、やはり血がつながっているのか、
顔もどこか似ていると言われる。
私の方が、当然ハンサムだとは、思うが、
まあいい、許そう。
私は、こんな兄が大好きである。
(追記)
このくらい褒めておけば、明日は、きっと
ビスケットがもらえると思う。
エライぞ、兄貴!
