バンド名とアルバム名が長いとブログのタイトルの中に入りきれません。本作品は『FAIRPORT CONVENTION / WHAT WE DID ON OUR HOLIDAYS』。フェアポート・コンベンションの2ndアルバムです。1969年1月にリリースされた作品です。このバンドはアルバムごとにメンバーが変わることが多く、同じトラディショナル・フォークでもその音楽性も変化していくのでアルバム順に取り上げることにします。といっても僕が持っているのは1stから7thまでですが。
レコーディングメンバーは
Sandy Denny・・・Vocals, Guitar, Organ, Piano, Harpsichord
Ian Matthews・・・Vocals, Congas
Richard Thompson・・・Guitar, Piano, Accordion, Sitar (A-③), Vocals
Ashley Hutchings・・・Bass, Backing Vocals
Simon Nicol・・・Guitar, Autoharp, Dulcimer, Backing Vocals
Martin Lamble・・・Drums, Percussion, Violin, Tabla
メンバーとしては女性ヴォーカルがジュディ・ダイブルからサンディ・デニーに変わってます。フェアポート・コンベンションといえばサンディ・デニーというイメージの方も多いはず。いやリチャード・トンプソンだ、デイブ・ペグが重要人物だなど色んな見方があるバンドなのでこういうことを言うと怒られるんですよね、トラッドの森に住む本格派の知り合いがいるもんで。
ゲストプレイヤーとしては
Claire Lowther・・・Cello (A-③)
プロデュースは Joe Boyd (バンドのマネージャー)。
A-① Fotheringay (Sandy Denny)
サンディ・デニーといえば一般リスナーとしてはあのレッド・ツェッッペリンⅣでのヴォーカルが有名で、あのイメージからするとこの曲がピッタリの感じだと思う作品です。でもこういう作品は1stではなかったんですよね、意外にも。この曲はサンディ・デニーもお気に入りだったんでしょうね、フェアポート・コンベンション脱退後に結成したバンド名が "Fotheringay" なんですもの。
A-② Mr. Lacey (Ashley Hutchings)
1曲目でこんな感じのバンドかなあと思わせておいてまあビックリのブルースロック的な作品。彼らにとってもこれは異色な曲ですね。メンバーのアッシュリー・ハッチングスの作品です。彼、このバンドの後スティーライ・スパンを結成する程のフォーク大好き人間だけにこの曲にはちょっとびっくりですね。
A-③ Book Song (Ian Matthews, Richard Thompson)
アメリカのカントリーバンドのような曲で、メンバーのイアン・マシューズとリチャード・トンプソンの作品。う~んバーズにも似ているかな。
A-④ The Lord Is in This Place…How Dreadful Is This Place (Hutchings, Thompson, Denny)
サンディ・デニーのハミングとリチャードのアコースティックギターのスライド奏法による曲。こういう雰囲気ちょっとクセになるよね。
A-⑤ No Man's Land (Thompson)
アコーディオンによる演奏が古い音楽を彷彿とさせるのが印象に残る曲。曲そのものはポップなメロディの作品ですけどね。
A-⑥ I'll Keep It With Mine (Bob Dylan)
彼らにとってお気に入りのボブ・ディランの作品のカバー。いつも書きますがボブ・ディランの曲っていいカバー作品多いですよね。この曲は英国フォークらしい演奏もあって好きだなあ。左右のチャンネルから聴こえるギターがいいんですよね、好みのフレーズとサウンドになっているんです。
B-① Eastern Rain (Joni Mitchell)
1stでも取り上げていたジョニ・ミッチェルの作品。彼女も彼らのお気に入りのミュージシャンのようです。この曲はジョニ本人のヴァージョンが無いみたいです。サンディのヴォーカルは透明感があっていいですね。
B-② Nottamun Town (traditional)
本アルバムで取り上げたトラッドの1曲で曲そのものは中世まで遡る作品だそうです。リチャード・トンプソンによるアコースティックギターが実に味わい深いです。このアルバム、耳に残るギターがいっぱいで若い頃に知っていたらコピーしてみたかったなあ。
B-③ Tale In Hard Time (Thompson)
トラッドに挟まれた作品のせいか、より明るいサウンドに聴こえる曲。エレクトリックギターが何とも60年代のバンドで聞き覚えのあるようなギターソロって感じがして嬉しくなっちゃいます。
B-④ She Moves Through The Fair (traditional)
再びトラッドでアイルランドの伝統歌のようですね。トラッドとサンディのヴォーカルは鉄板の組み合わせですね。
B-⑤ Meet On The Ledge (Thompson)
イアン・マシューズとサンディ・デニーのツインヴォーカルで歌われるリチャード・トンプソンの曲。彼らのライブでも人気の作品。コーラスをみんなで歌えるからだそうです。
B-⑥ End Of A Holiday (Simon Nicol)
最後はサイモン・ニコルによるインストゥルメンタルの曲。アコースティックギターによる短い作品ですが、このアルバムの最後としては相応しいかな。
メンバーのサイモン・ニコルはこのアルバムをお気に入りの作品に挙げてます。1stにくらべるとグッと英国フォークの香りがするし、親しみやすい楽曲が揃っていて好作品となっていますね。
あっ、こんなこと書くと怒られそうですが、このアルバムを聴くと何故かジャンルは違うんだけ Yardbirds の 『Little Games』を思い出しちゃうんですよね。普通はジェファーソン・エアプレインなんだろうけど。小技のギターとかギターソロとかアコギとかがね、ちょっとね。あくまでも私見です、ここ責めないでね。
ちなみに紹介済の1stアルバムはこちら。
FAIRPORT CONVENTION / FAIRPORT CONVENTION | さとまるのROCKな日々 (ameblo.jp)