突然の対面 ハニー誕生! | COTO*HANAぶろぐ

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我が家のむすこ【コットン】と2012年CRS(先天性風疹症候群)で生まれたむすめ【hana】、その父ちゃん、母ちゃんの日常。

CRSはワクチンで予防出来ます。
必ずワクチンの接種をしてください。

その日は、ダンナがどうしても行かなければならない仕事があり、面会がなかった。しかも、病院から6時間程かかる所に行っていた。

面会がない日は寂しい。

でも、ゆっくり過ごそうと思っていました。

たぁたんの入院していた病院にはテレビがなく自分で持って来なくてはいけなかったんだけど、あまりテレビか好きではない たぁたんは、1ヶ月程は無くてもいいやと持って行かなかったんです。

でも、カーテンがひかれ、お部屋は4人部屋だったけど殆ど会話もなかったので、夜になるに連れてどんどん暗い気持ちになっていくのか嫌になってきて、ちょうど2週間ほど前に外泊した時に、テレビを注文して持ち込みました。
それと同時に旦那が持ってきてくれたDVDプレーヤーで、大好きな『さまぁ~ず×さまぁ~ず』を観ようかなぁ~テレビと思っていました。

しかし、2日程まえから どうにもこうにも眠くて仕方なくて、朝寝て、昼寝て、晩も寝て…と言った感じで、ずっと寝ていました。そんな状態なんで、DVDも、観ようとしても10分くらいで直ぐに寝てしまっていました。

今思うと、これも何かのサインだったのかな?と思います。




ゆっくりしようとしていたら、また主治医の先生が来られ

「お腹の上からでは分かりにくかった部分があるんで、下からのエコーをさせてもらえませんか?」と。

もちろんお願いをして、内診室へ行きました。

下着をとって、内診台に乗る。
何度やっても、やだなぁ~。と思いながらいたら、経膣からのエコーが始まりました。

いつもと違って何か騒がしい。
カーテン越しではあるもの、どうやら先生が、1.2.3.4…?4人くらい居そう。
その内の1人の先生(女の先生)が、

「1人で寂しくない?私、こっち側(カーテンのこちら側)に居ようか?」

と、言って下さったけど、特に何とも思って居なかった私は、

「大丈夫です!」

と、断りました。

先生は、冗談混じりに

「いらんかぁー(泣)」

と、言いながら、カーテンの向こう側に帰って行きました。

結局この時に何を調べていたかはわからないけど、終わってから

「やっぱりお腹からのエコーをします。」

と言われ、4回目のエコーが決まりました。

このエコーの前に、トイレに行っていたら、この日の担当のAさんが

「夜中に急変しちゃったら部屋が狭くてベッドが動かせなくなっちゃうから、移動していていいですか?」

と、言いに来てくれました。
この時、私は、窓際だったのだけど、廊下側に…とのこと。

この時に、『あれ?もしかして私、ちょっと良くないのかしら?』
と、初めて気付くという私汗

そして、エコー室に入りました。

いつものように主治医の先生が、エコーをして下さっていると、部長先生(外来の時に診て下さった先生)が突然入って来ました。

軽く会釈をしたら、すぐに先生同士がエコーをみながら話しを始めました。

その会話、全ー部専門用語!!

理解しようとしても、何一つ分かりませんでしたあせる

途中で、頭の血流と、呼吸様の運動を調べているということを言われました。

主治医の先生が、部長先生に
「先生どう思う?この人もう、34しゅうでしょ?」と、何回も言っていたのが気になりながらも、エコー終了。
同時に、部長先生は退室され、主治医の先生から話がありました。

「赤ちゃんを出してあげた方がいいかもしれない。」

「これから、また先生同士で話し合いをするから、まだご家族には連絡しなくていい。」


とのこと。

とりあえず一旦病室に戻ると、斜向かいにベッドが変わっていて、変な感じがしました。

トイレに行くと、Aさんが、

「先生、なんて?」

と。

「帝王切開になるかもしれないけど、本決まりじゃないから、家族にはまだ連絡しなくて良いって言われた。」

と伝えると、

「今から飲食禁止にしておいてね。あっ、うがいはOK!」

と言われました。


でも、ここまできても、
「どうせ私のことだから、『もうちょっと様子見ましょう』とかって言われるんやろなぁ。あ~あ、窓側気に入ってたのになぁ。」

なんて呑気に考えていて、トイレを済ませ、ベッドに横になると 直ぐに主治医の先生や看護師さん数名が来られました。

「やはり、胎動がないし、呼吸様の運動もない。頭の血流が早くなっているので、赤ちゃんが貧血になっている可能性が考えられます。もう34週だし、今手術する方が人も揃っているから安全です。どうしますか?」


えっ…………!?


私、手術??

しかも、今から??



この時に初めて帝王切開が我が身に起ころうとしていることに気付きました。

出来るなら、自然分娩がしたい。

心臓は大丈夫なら、今出さなくても もしかしたら明日、また胎動をかんじるんじゃないの?

恐い!


嫌だ!!


でも、もし、今帝王切開しなければ、ハニー、死んじゃう??


頭の中が色んな事でいっぱいでした。


看護師さんも先生も、私が返事をするのを今か今かと待っている。

時間は金曜日の17時過ぎ。

時間を下さいと言える猶予はありませんでした。

どうしよう…どうしようと考えて固まっていると、部長先生がやって来ました。

固まっている私や、その周りの人たちを見て一言。

「やりますよね?」

あまりにも、当たり前のように言われたんで、

「…は、はい…。した方がいいんですよね?」

と聞き返した。


「金曜日だから、今から様子見て、もし夜中や土日で緊急カイザーになるより、今する方が確実。やるなら、小児科や、麻酔科の先生に連絡取らなダメなんだけど…いいですか?準備はじめますよ。」

そう言われると、もう、

「はい…。」

と言うしかなかった。



慌ただしく周りが動きはじめた。

右手には輸血も視野に入れた、1番太い針(18G?)を刺され、導尿もされた。

そうこうしていたら、担当のOさんが駆けつけてくれた。


「ビックリしたよ!今日外来やって、病棟に帰ってきたらカイザーやって聞いたから!!」

と、言いながら左手を握ってくれた。

本当は、怖くて怖くて泣きそうなのを我慢していたから、握ってもらった時に本当に涙が出そうになった。

でも、泣いてしまったらハニーの命より、自分の気持ちを優先しているような気がしたので、絶対に泣かない!ハニーを無事に産むんだ!!と、堪えて

「今日がお誕生日になるんやね!何日だっけ?」

と気丈なフリをしていました。


ハニーはしゃっくりをしていました。

胎動はどれも、愛おしかったのに、このしゃっくりだけは、正直、嫌でした。

『胎動がないからこんな大変なことになってるのに、何でしゃっくりはするのよ!』


と。

それくらい、余裕がなかったんだと思います。

全部用意が出来たのが17時45分。

車椅子に乗って、手術室まで行くそうで、ベッドから車椅子に移り、Oさんに押してもらってエレベーターまで行きました。導尿の管が痛くて、きっちりお尻が着けられず、気持ち悪かったですガーン
Oさんは勤務が終わっていたのに、延長してこの時まで付き添って下さいました。本当に嬉しかったです。ありがとう!Oさん。

そして、準夜勤のSさんに変わりました。

いよいよ手術室。

嫌だと思っていても、どんどん押されて中に入っていきます。

もう、後戻りは出来ない…。


手術室には、オルゴールがかかっていました。

予定帝王切開だったら自分の好きな曲をかけてもらえたみたいだけど、緊急の為、もちろん私の選曲にはなりませんでした。
そして、曲はなぜかSMAPでした(笑)


事前にビデオで観ていたように事が進んで行くのが、なんだか不思議でした。当たり前なんだけど。

右を下にして背中にまず麻酔。効いたら下半身を麻酔するための管が入れられます。
何度か神経に触れたようで、右足がビリ!ビリ!として、その度にビクっ!!と身体が動いてしまいました。

怖がりだから、麻酔がちょっとでも効いていなかったら、絶対に「まだ!」って言おうと心に決めていた私。

麻酔が爪先から効いてきて、ポワーンとあったかくなってきました。

キタキタ!!

でも、痛かったら絶対に痛いって言うんだもん!!


しかし、効きやすいらしく、保冷剤を脇腹に当てられても全く冷たくなくなり、

「18時00分、始めます。お願いしまーす。」


と言う、先生の掛け声で始まりました。

どうやら、もう切られてるみたい。

こうなったら、早くハニーに会いたい!

「手術が始まったら、直ぐに出てきたよー!」

って、先輩ママさんから聞いていたけど、私には長く感じました。

私の頼りは、頭上の麻酔科の先生だけ。


「お腹をグイグイ引っ張りますね。」

なるほど、グイグイ引っ張られてる。

でも、まだ?

上を見ると、手術の様子がライトに映ってそうで怖くて、右を見たり、左をみたりしていました。
手術室の戸棚にはプーさんや、他にもキャラクターが、色々飾られて居て、小さな子もここで手術受けるのかなぁ~なんて思いながらも、『早くハニーを出して!』と思っていました。

「もう、赤ちゃんの頭の見えてますよー。」


「おめでとうございます!」


姿はみえないけど、産声が聞こえてきた。


何度、何百、何千回『産声は聞けないかも…』と思い、その度に『いや、そんな事考えたらアカン!』と、後ろ向きな気持ちを振り切ってきた。

でも、これは現実。

ハニーは、産声をあげて産まれてきた。

緊張の糸が切れる音が聞こえ、同時に号泣していました。


「よかった…よかった…。」


「お母さん。ごめんね。私からは赤ちゃん見えてるんだけど…。もうすぐ左に来るからね。」

と、言いながら、別の看護師さんが涙を拭いてくれました。


そして、念願の対面。


このとき、私には普通の赤ちゃんにしかみえませんでした。

「よく頑張ったねハニー。はじめまして。」

足に触れながらそう言ったのが初めての言葉になりました。

ハニーはまだ時々泣いては泣き止み…を繰り返していました。
担当の看護師Sさんは、助産師さん。

「お預かりしますね。」

と、大事に抱っこして下さり、ハニーはそのまま、保育器に入り、NICUへ向かったようです。

私はお腹を閉じてもらい、寝たまま見える限りの周りの先生の一人ひとりに

「ありがとうございました!!
「ありがとうございました!!

と言って、手術室を後にしました。