スクラップアンドビルドとリストラと。 | ムズカシイことぬき!

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 ジャイアント・キリングを起こせ!大阪日本橋と東京秋葉原&渋谷ではたらく社長のブログ。

ここのところ、志、理想、と来てるので、バランス的にこのへんで物凄いリアルな話。

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■スクラップアンドビルド(統廃合)

小売業界では、古くなった店舗や小さな店舗を閉店し、同じエリア(地域)で売場面積の大きな新店に置き換えることをいいます。

同じ商圏のなかで不採算店舗を閉店(スクラップ)し、新規に出店(ビルド)することで利益率の悪化が改善され、販売シェアの拡大が狙えるため、ある一定の店舗数に達したチェーン店ではよく使われる出店手法です。

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前職ソフマップ時代に最もいい勉強(経験)になったのが、

■スクラップアンドビルド(統廃合)

■リストラ(再構築)


です。1990年代前半は毎年二桁成長で右肩上がりだったパソコン市場も、1990年代後半頃から成長の鈍化、また競合店が増え競争の激化が始まりました。何もしなくても飛ぶように売れた商品が、何か工夫をしないと売れなくなってきたのです。

このように外部環境が厳しくなっていく中、実は内部環境が一番やっかいな事になっていました。簡単に言うと「何もしなくても飛ぶように売れていた」時に実績を評価され、昇給・昇格人事の恩恵を受けている「実力不足な高給取り世代」と、「何か工夫をしないと売れない」時に入社して実績が厳しい為、昇給・昇格人事の恩恵がない「実力があるのに安月給世代」に分かれてしまったんですね。

で、売上はどんどん下がってる、経費を下げない限り赤字だ、さあ、どうする?

「実力不足な高給取り世代」

  ・・・もっとTVCMとか新聞チラシを打つべきだ!
  ・・・メーカーがもっと売れる商品を作らないと。我々の問題ではない!
  ・・・そもそも立地が悪いんだ。もっと一等地のでっかいビルに・・・!

「実力があるのに安月給世代」

  ・・・もっと無駄取りをして販売効率を上げよう。
  ・・・利益率の高い商品の構成比を上げよう。
  ・・・商品の見せ方、説明の仕方、接客話法をもっと工夫しよう。

みたいな感じ(一例です)でした。これはもう手術をするしかないな、という状態。まずは今後のあるべき形(GOAL)を設定。店舗戦略の総見直しですね。赤字から黒字化。PLとにらめっこ。スクラップアンドビルドは一度ゼロベースにしてから組上げ。現状を破壊するところから始めます。そして理想形に再編成。それを実行。つまり、リストラなわけですね。

で、その頃多い時で年間で100人以上の従業員に会社を辞めてもらってたと思います。(配置転換や減給によることその他を理由に自主退社)自分よりも年上で小さなお子さんがいる先輩でも容赦なかったですね。もう、とにかく会社が黒字になることしか考えていませんでした。

ちなみに、こう言う話の場合、「いやーリストラはキツい仕事だったよ」「あれはほんとに嫌な役回りだったなー」とかを期待されるかも知れませんが、当時そんな思いは一切ありませんでした。当たり前ですが、悪いことをしているとかって、一欠けらも思って無かったですからね。会社に利益貢献出来ていない高給取りの従業員に「これが適正ですよ」と是正作業をしていただけですから。感覚としてはいたって普通でした。

大昔に活躍して年俸が高くなったけど、最近は数字を残せないスポーツ選手の契約更新に似てる感じ。過去の栄光や既得権益にすがって、何もしないで楽をしている人達が嫌いなんでしょうかね。

もちろん並行作業で、「実力があるのに安月給世代」でも活躍して実績を残せば昇給・昇格人事をどんどん積極的にやっていきました。要するに「会社本来のあるべき姿」に向けた全体的な最適化な訳ですね。

こう書くと「会社側の人間だ!」「会社のイヌだ!」みたいな話にもなりやすいのですが、僕は会社をより良くする為に、従業員が従業員の立場で会社のことを真剣に考えて行動を起こすことは、すごく当たり前のことで、まったく何も間違っていないと思っています。逆に言うと「社外の人間ならわざわざこんなリストラとかしないよー!」ですね。


うーーーん。


何事も誰かに「やらされている感」より、自分から考えて「やる感」がいい。