イヤホン・ヘッドホン専門店 という小さなお店(約20坪+20坪)をやっていますが、始めからバックヤード(倉庫や事務所、休憩室など)にも、通常は売場で使う「商品陳列棚(スチール什器)」を使っています。
僕がいた頃のソフマップではほとんどの店舗が「オカムラ(岡村製作所) 」の什器を採用していたので、オカムラ製になじみが深いんですが、2007年9月オープンに向けて準備していた時に、たまたまコクヨのネット直販サイト「STORE GOODS(ストグー)」が安かったので、現在の店舗ではコクヨ製の什器を使っています。
※ストグーは現在、カウネット になっていて、値段がちと高くなっちゃってます・・・。(当時は組み立て費は別で安かった)
自分の経験値として「本当に良かったな~」と今でもよく思うんですが、マップ(←ソフマップのこと)時代に店舗の出店(オープン、リニューアル、統廃合など)にはかなりの数(計40~50店舗?)に関わらせて頂くことが出来たので、現在の約60坪(売場40坪+倉庫・事務所20坪)程度の什器・売場作りなどは、ほんとに軽くこなすことが出来ました。それが出来たのも、今までの経験による「什器をフル活用するための自分ルール」があったからこそ。今日はそのルールをチラリとご紹介します。
<<陳列什器をフル活用するための自分ルール>>
■大きさ、長さなどはなるべく少ない数(単位)に決める!
システム什器の基本サイズを絞って決めることが、まず第一です。
例えば、システム什器の横幅だけでも数種類ありますが・・・
・横幅
⇒600mm ⇒750mm ⇒900mm ⇒1200mm ⇒1500mm
幅は、【900mm】に決定!他は使わない!(と決める!)こうする事によって、その後のオプションパーツ(棚板や角バー等)の管理がめっちゃ楽になります。※経験上、この幅900固定はちょっとした小改装からフルリニューアルまで、何でもカバー出来ます。逆に幅900の他にも幅600やら幅1200やらが混在していると、レイアウト変更の際に自由が奪われるのと、棚板やパーツ類を追加で新規購入しなくてはいけなくなったり(=無駄)、またレイアウト変更のたびに不要な什器置場が必要になったり(=無駄)、大変なことになります。
・高さ
⇒1200mm ⇒1350mm ⇒1500mm ⇒1650mm ⇒1800mm ⇒2100mm
高さは、壁面【1800mm】、中島ゴンドラ什器【1500mm】に決定!これもオーソドックスですが、店の真ん中に置く什器を1500にすると、棚でお客様が隠れてしまわないので、見通しが良くていいです。ドンキホーテやCD/DVDショップなどの圧縮陳列手法でとにかく商品点数を増やしたい(フェイスを増やす)って場合は真ん中も1800ですかね。壁面は高けりゃ高いほどいいんですが、最高の2100を使うと、店舗・物件によっては入らないケースも出てくる恐れがあるので、1800と決めています。
ちなみに、使い勝手を考えるとボード什器よりも、メッシュ什器がオススメです。メッシュ用フックがかなり便利なのと、後ろを見せたくない場合はスチレンボードや布なんかで十分目隠しは出来るので、基本はメッシュにしておくといいと思いますよ。後、すべてキャスター付き仕様にすれば、日々の掃除や改装がめっちゃ楽できます。このキャスター仕様にする費用はケチらない方がいいです。
■棚板の長さ(奥行き)、フックの長さも少ない数(単位)に決める!
システム什器の時とまったくいっしょです。数ある種類の中で、実際に採用する長さを規格統一しておくことで、後あとめっちゃ無駄もなく、管理も楽になります。
・棚板
⇒250mm ⇒300mm ⇒350mm ⇒400mm ⇒450mm
奥行きは、基本【300mm】、サブ【350mm】に決定!ここは本当は幅300と幅400で統一しようと思ってたんですが、狭い店舗で通路幅などを考えると棚板はなるべく最低限必要な奥行き(なるべく短い方が良い)と思ったんでこうなりました。この5cmの差は結構でかくて「作業用の備品のパソコンを使える最低限の奥行は350mm」という訳で決めました。売場面積に余裕があれば、350mmオンリーと決めてもOKかも。
そんなちょっとぐらいのサイズ違いってどうってこと無いように思えるかも知れませんが、棚板をなめちゃーいけません。棚板をシステム什器に取り付ける際に「ブラケット(またはアーム)」と呼ばれる部品が必要で、これも棚板の奥行サイズに合わせて各々作られています。また、短いブラケットの上にサイズ違いの奥行きの長い棚板を置くと非常に不安定で危険です。(場合によっては商品が崩れ落ちるだけでなくお客様にも危険が及びますからね)
ってな訳で、奥行きサイズ違いの棚板を適当に発注して使い始めると、売場の小改装のたびに追加新規購入(=無駄)と余剰パーツが山ほど出てきます(=無駄)
・フック
⇒100mm ⇒150mm ⇒200mm ⇒250mm ⇒300mm
フックの奥行きは、基本【200mm】、サブ【100mm】に決定!これも全種類適当に(例えば初回導入時の商品棚台帳通りに)発注しちゃうと、あとあと大変なことになります。
・・・で、ここまでは売場経験の長い方や、物販の出店経験がいくつかあればだいたいわかること(基本)だと思いますが、あともう1つ”とっておき”があるんです。
■事務所・倉庫・休憩室など、すべて売場と同じ商品陳列棚を有効活用!
これ、結構ポイントというか、かなり”ミソ”なとこです。よく事務所には事務用の書庫とかオフィス用の家具とかを揃えて、倉庫には物流倉庫用の重量棚を揃えたりしがちなんですが、リアルショップをやるにあたっては、バックヤードも売場と同じ什器を揃えておくと、もーーーそりゃホンマにめっちゃ便利なんですよね~!
何といっても使いまわし出来る共有資産なので、ちょっとした売場の改装も新規部材購入しなくてもさっと出来ちゃいますし、余った什器パーツも片付ける場所をわざわざ作らなくても、倉庫什器に組み込んじゃえばいいしね。極め付けは、売場増床(事務所・倉庫を移転など)の時に、あっと言う間に増床分の売場が出来ちゃうこと!売場と同じ什器を使ってるメリットの真骨頂はまさにこれですね。
・・・とまあ、今日は興味の無い人にはまったく興味の無い話でした~。。。(-"-;A
がんばろうっと。