新品市場と中古市場の関係性について思うこと | ムズカシイことぬき!

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 ジャイアント・キリングを起こせ!大阪日本橋と東京秋葉原&渋谷ではたらく社長のブログ。

よくメーカーさんや、メーカーさんが集まって作る業界団体さんや、流通さんや、そのメーカーの商品の新品販売だけを取り扱っている小売店さんの中には、


・中古があるから新品が売れないんだー!(←と勝手に決め付けて思っている)

・中古があるから市場の発展がないんだー!(←と勝手に決め付けて思っている)

・中古は不当だー!(←製造したメーカーへのリターンが無いと思っている)


と思い込んでしまっている方達のお話をたまに聞くことがあります。新品が売れない理由、業界が発展しない理由が「中古があるからだ!」となぜか頑なに決めつけているので、反論してもほとんど耳を貸してくれない場合が多いです。。。まあ、面倒臭いのでたいがいは反論しませんけど(笑)


で、いやいや、こんな考え方もあるんですよ~的な、自分の思うところをここに書いてみたいと思います。


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・中古があるから新品が売れないんだー!

・中古があるから市場の発展がないんだー!


・・・について


ピンポイントなミクロ視点ではそういう場合もあると思います。同じ商品で新品と中古があって、迷ったあげく中古を買ったお客様がいたのなら、それは新品の売上がマイナス1本(中古が無かったら売れていた、と思われるので)となります。でも中古市場があるってことは買取・下取市場があるってことなので、新品を数多く売るためにむしろ最も重要なのが、この「買取・下取市場」なんです。


車にしろ、バイクにしろ、家にしろ、パソコン、ゲーム、カメラ、イヤホン、ヘッドホン、衣服、本、もうなんでもいいんですが、それらの「買取・下取市場」がたくさんの人達が参加して賑わっている市場であればあるほど、実は新品市場が伸びているんですよね。つまり、たくさんの「買い替え需要」が生まれているからなんです。


もし、買取・下取が無かったら?と考えてみてください。


例えば、めちゃめちゃ気に入った新築の家を買いました。数年後、子供も増えたり、収入も上がったりして、もっといい家に住みたくなりました。・・・ぽん、ともう1つ新築の家を買えたら即解決ですが、現実的にはまず今住んでいる家を売らないと買えないですよね。


新品のヘッドホンを買いました。1年後、同じメーカーから上位機種が発売されました。めっちゃ気になります。

めっちゃ欲しいです。でも毎年1本ずつヘッドホンが増えていっても困りますし、経済的にもしんどい。欲しいけど買うのガマンして諦めますよね。


つまり、買取・下取があることで、お客様は経済的にも合理的な「買い替え」をしていけるので、実はかなり新品市場の発展とは密接な関係性なんです。大袈裟に言うと、新品市場発展をサポートしているような関係とも言えます。



・中古は不当だー!(←製造したメーカーへのリターンが無いと思っている)


メーカーへの直接的利益還元はありませんが、間接的利益還元はあります。メーカーや業界団体なんかは直接目に見える利益が欲しいのでしょうが、間接的には上記で書いたように、今や買取・下取がないと新品は売れない「モノがあふれている」時代なんですから。


たとえば、ある家電メーカーが作った冷蔵庫が100年間使え、故障もしないとします。消費者はそれを一家に一台あれば、もう冷蔵庫は100年間買わなくていいのです。・・・ってそんな現実って本当にあると思いますか?また、それでメーカーはOKだと思いますか?市場が伸びますか?


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新品と中古は切っても切れない、表と裏、光と影みたいなもんです。この両方をうまく成長させることで、市場(新品+中古)はどんどん大きくなります。どっちか1つではなく、両輪として考えた方がベターだと思いませんか?

(↑それが僕の持論です)


あと、あまり知られていないメーカーさんにとってのメリットも他にも実は結構いっぱいあるので、その話は別の機会にでも。