私は彼に出会うまでは経験と勘だけを頼りに釣りするアングラーだった。
「釣りは80％が頭(データ)の勝負。結果は考え方の差。」と彼は言う。
馬鹿にしているとは思わなかったけど、何か分からないけど少しイラッとしたので「頭(データ)なら経験や勘でも十分使っているけどな！」と言い返した。
彼は諭すように「いや経験や勘が優れてるなら記憶力がいいのは間違いない。それらをメモ書きでもブログの隅っこにでも、数値が苦手なら物語でもいいから可視化するといいよ。経験や勘でデータを駆使する人間に付いてくるんだから、データを駆使する様になったらきっとお前はスゲー釣り人になるよ。」と言った。
そんな彼のススメで私はブログを書き始めた。
データを取ったりまとめると言うのは非常に苦痛で堪らず、直ぐに記事を書くのをやめたくなったので、途中から面白可笑しくちょっとおふざけ混じりの文章を書く様になった。
そんな変化にいち早く気付いた彼は「最近のお前の書く記事面白いよ！特に擬音とか言い回しが好きやわ笑(笑)無理にデータを載せる記事にする必要無いから、皆やってる事よりもお前らしくいこう！」と後押ししてくれた。
それから写真と文章で記事を書く様になり、周りから面白いと感想を貰える事が増え、ブログを書くのがドンドン楽しくなり没頭していった。
ブログを書く年数が増えると比例する様に不思議と釣果が増えて安定していき、いつどこで何がどうやって釣れるかイメージが自然と出来るようになってきた。
それから数年経ち、久々に彼と一緒に釣りをした。
その時はいつもは涼しい顔でバンバン釣る彼が1匹も釣れない所か苦戦、ワンバイトすらない状況に陥っていた。
その場所のデータの無い私は自分の勘を信じ、諦めず粘ると待望の1匹を引き出した。
すると彼は私の1匹で得たデータから、その釣果を10倍にも20倍にもした。
彼は言った「お前は0を1に出来る男だな！俺には真似出来ないよ笑」と
私も言った「お前は1を10に出来る男じゃないか！真似出来んよ笑」と
手の感覚が失われ程かじかむ星空の綺麗な寒空の下で2人とも声を出して笑いあった。
釣りもブログも彼のアドバイス無しでは辿り着けなかった境地であり、見ることの出来ない景色だったのは大袈裟ではなく事実だなと今振り返って思う。
私は彼の事を「トライアンドエラーの鬼」と呼ぶ。
彼は私の事を「何度でも立ち上がる不屈の漢」と呼ぶ。
2人とも負けず嫌いで諦めが悪いのは間違いないと思ったw
そんな彼との価値ある一匹！
スゲー釣り人にはなれてないけど、スゲー釣りを楽しめる釣り人にはなれたと思う！
ありがとう！これからもよろしく！
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