混合というグレーゾーン ~完母の孤独②~ | 母乳110番のブログ

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混合というグレーゾーン

~完母の孤独②~

 

 

 

 

 統計の世界では授乳方法をふつう

「母乳のみ」「混合」「人工乳」の

3つに分けていますが、

 

「混合」の定義は実はそんなに

明確ではありません。

 

 

言葉をそのまま受け止めれば、

一日のうち1回でもミルクを足せば

「混合栄養」になりますが、

 

ミルクにしろ母乳にしろ

赤ちゃんに授乳したことがある人ならば、

そう単純には分類出来ないことが分かります。

 

 

 

 

特に母乳がそんなに簡単に

最初から順調に分泌されるものではないことは、

今やよく知られていることです。

 

 

 母乳育児と言っても、

欲しがって泣かれて何度も抱っこして

乳首をくわえさせることで分泌が促され

じょじょに重要と供給のバランス、

つまり母子のリズムが出来あがっていくわけで、

それまでの過程で

ミルクを足すことも勿論あります。

 

 

 

しかしハッキリしているのは

「半々がいいわ」とばかりに

最初から混合育児を目指す人はほとんどいない、という点です。

 

 

(完全ミルクという言葉はありませんが)

最初からミルクでいくケースはあっても、

最初から混合栄養をめざす人は多分いません。

 

なにしろ母乳の手間と

ミルクの調乳の手間と両方かかるので。

 

 

 

(でも最近は「最初から混合の方がラク」

という噂が流れていて

それを信じてしまう妊婦さんが

結構いるそうです)

 

 

 

「やっと完母になれたのよ」

「完母になりたくて頑張りました」

「完母したかったんですがねえ」

「私、完母になり損ねまして」

 

 

 

そんな言葉から見るとおわかりのように

 

・・・母乳にミルクをはさんでいく・・・

つまり「混合」には、

 

母乳が順調にいくまでの途中経過

としての混合と、

 

逆に母乳を諦めて

全部ミルクになっていく前の

ミルクの量が増えていく途中経過としての混合、

 

この2つがあります。

 

 

 

 

悩む人が多い、というよりも、

ほとんどの悩んでいる人たちが

ここに集中しているといっても

いいかもしれません。
 

 

 

統計では、いかにも3種類

あるかのように見える授乳方法ですが、

 

そう考えると表面上の区分けとは別にある、

授乳現場の現実が見えてくると思います。

 

 

 

つづく

 

 

おっぱいとだっこ』(PHP)著者 竹中恭子