こんにちは。
「骨を掘る男」を観ました。
沖縄で40年以上、戦没者のご遺骨を掘っている具志堅隆松さんのドキュメンタリー映画です。
しみじみ、胸にしみました。
公式サイト…
あらすじ
今も、沖縄の土には第二次世界大戦のときに亡くなった人たちのご遺骨が埋もれている。だれにも知られず、弔われることもなく。
一般市民、日本の兵士、アメリカの兵士、朝鮮の人、台湾の人の遺骨が3000柱近く埋もれている。
具志堅隆松さんは28歳から遺骨を掘り始め、すでに40年以上。70才になる今も、一人で山間地に入り、そっと遺骨を掘っている。
奥間勝也監督は、ご自身も沖縄戦で大叔母を亡くした。
その大叔母をしのびながら、映画を撮影した。
具志堅隆松さんのプロフィール
(公式サイトより引用しました)
沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表。
1954年、沖縄県那覇市生まれ。
82年、ボーイスカウトの成人リーダーとして糸満市と具志頭村(現・八重瀬町)の境の原野での遺骨収集に携わって以来、活動を続ける。
年に1度行われる本土の遺骨収集団の行事に参加していたが、出土する遺骨が年々劣化していることに気づき、個人での収集を始める。
2008年、真嘉比地区で、はじめての市民参加型の遺骨収集を那覇市との共催で行う。
これまで探し出した遺骨はおよそ400柱。
遺骨を戦没者遺族のもとへ帰すためDNA型鑑定にかけることを厚生労働省に要請し、2011年にこれが認められ、沖縄戦戦没者の身元特定の道をひらいた。
2011年度、吉川英治文化賞受賞。
「県民の手による不発弾の最終処分を考える会」代表、「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」共同代表も務める。
(以上、引用です)
優しい。
静かに誠実で、とにかく優しい。
具志堅さんの静かに話す声の優しさ。掘るときの手のていねいな優しさ。
ご遺骨や遺品(茶碗のかけらが出てきたりする)を傷つけないよう、そーっと掘る。
その優しさと誠実さに、見ていて胸を打たれる。
亡くなった人への敬意がある。
いろんなところを掘るが、「この辺にご遺骨があるかな?」と林の中で地面をしばらく掘り続けても、何も出ないこともある。
そのとき、ガッカリするのかと思ったら、
「ここで亡くなった人がいなくてよかったよ」と言うのだ。
うう…。
本当に優しい。
ただただ、思いやりの気持ちでおられる。
掘っていて生活用品が出てきたり、ご遺骨(←大人と子どもの)が出てくると、「ここには親子がいたんだね」と語る。
手りゅう弾が出てくることもある。
ご遺骨の破損状態で、「きっと兵士だね。ここで自決したんだろうね」と推測する。
そして、その死を悼む。弔う。
気づいてもらえて、見つめてもらえて、ご遺骨はホッとしただろうなと思う。
もう戦後80年近くになるけれど、沖縄では戦没者の慰霊が続いている。
慰霊碑が並ぶ広場が沖縄にある。
戦没者のお名前が、国籍を問わず、彫られている。そのお名前の数、なんと、24万。
木々に囲まれた広場に、
慰霊碑がたくさん、たくさん並んでいるのだ。
その広場が明るい。
お花を持ってくる人、慰霊碑にお水をそそぐ人。
自分の先祖の名前が彫られた慰霊碑の前でお弁当を広げて食べるご年配の女性。「今、幸せだから、感謝しているの」と語る。
わいわい、人が来ているのだ。
あたたかい。
胸にしみる。
国籍問わずだから、沖縄の人の他、アメリカ人兵士、朝鮮の人、台湾人の人のお名前も彫られている。
「みんな戦争で、大変だったよね…。国が違っていても」という、建てた人たちの気持ちが伝わってくる。
その慰霊碑に彫られているお名前を、お一人お一人、読みあげるプロジェクトがあり、その様子も映画の中に出てきた。
時間のかかる大きなプロジェクトだ。
子どもたち、学生さん、一般市民の大人、たくさんの人が手分けして、読みあげる。優しくていねいに、お名前を読み上げる。
忘れてないんだ…。
今も大切にしているんだ。
見ていて涙が出た。
みんな、ほんとうに優しい。
小学生のとき、「ビルマの竪琴」を読み、とても心を揺さぶられたことがあった。
気になって気になって、何度も読んでしまう。
「おーい水島、一緒に日本に帰ろう」。
呼びかける仲間たち。
南方に行った日本軍兵士たちの話だ。
兵士の一人の水島さんは、南方の国、ビルマに放置された、たくさんの野ざらしの骨を見てしまい、どうしても見過ごせず、気になって仕方がない。
供養されず、そのままになっていたからだ。
つらい戦争が終わり、ようやく日本に帰れることになっても、水島さんは南方でご遺骨を供養して歩こうとする(お坊さんではなく、もともとは一般人)。
何度も仲間に「一緒に帰ろう」と呼び掛けられても…。
何回読んでも、泣いてしまった。
泣き泣き読みながら、子どもの私は何回も考えた。
「こんなに優しい水島さんには、ぜひ幸せになってもらいたい。
(優しくない人にも幸せになってもらいたいけど)(幸せになったら、優しくなれるかもしれない)
やっと大変な戦争が終わったのだから」
「水島さんに、日本に帰ってふかふかのお布団で安心して寝てほしい。
会いたい家族や友人がいたら再会できたらいいな。いい人と出会えて結婚したかったら家庭を持ったり、美味しい日本食をおなかいっぱい食べたりしてほしい」と心の底から思った。
でも、、、
何度読み返しても、何度考えても、同じ結論になった。
「水島さんは、もしも日本に帰れても、南方の地に放置されたままのご遺骨が、どうしても気になってしまうだろう。安心できないだろう」
オウムが出てくるのです。
大事な役割で…。
学校で歴史を勉強したとき、世界中で何度も戦争があったことを知った。
くらくらした。
なんて大変なことが、あっちでもこっちでも起きていたのだろうか。
第二次世界大戦は体験した両親から話を聞いていたから知っていたけど、それ以外にもいろいろな国で、いくつも戦争があったのか…。
これは、世界中、各地に野ざらしの骨が何千、何万(何億かもしれない)もあるということだと思った。そのご遺骨が、弔ってもらえたら、どんなにいいだろう。
世界中を供養して歩く人が必要だと痛切に感じた。
それは命がけかもしれない。
やりたかったけど、私にはできない。と、そのとき思った。
(どの宗教にも入っていないし入らないし…)(いやそのためだったら入ってもいいかもしれないが…)
(大自然への感謝の気持ちや、心を澄ませていきたい気持ち、助け合う気持ちは入らなくても持っているけど)
「すごく残念だけど、この人生で、自分にはそれはできない」。
断腸の思いだった。
(なぜなら、子どもを産みたかったからだ。小学生のときには、将来、10人くらい産みたいと思っていた。出産も育児も、ほとんど何も知らなかったころに。授からなかったら孤児院で働きたいと考えていたほどだった)
(その辺の話は、この本の最初のほうにマンガでも少し描きました↓)
今は、宗教に入らなくても(あるいは入っていても差支えが少ないかも)だれでもできる「お茶供養」をネットで知って、
ほとんど毎朝、お茶をいれている。
紅茶のときもある。
「これまでの戦争や災害で亡くなった方々、どうぞこのお茶をお召し上がりください」(←自己流の言葉)と思って、いれたてのお茶をそっと置いている(そして1時間ほどで下げる)。
古来、茶道は、鎮魂の意味もあるらしい。
(茶道は、3回くらいしかやったことがないけれど)
(しかも、教わりながら見様見真似…)
(でも楽しかった)
映画では、沖縄の辺野古の基地の話も出てきた。
基地を作るため、海の埋め立てに、土が足りなくなり、
なんと、沖縄南部(激戦地だった)のガマがある地域(人々が隠れた地面の穴)の土を掘り、埋め立てに使うことになってしまう。
それを知った具志堅さんは黙っていられない。
沖縄県庁の前でハンガーストライキを始める。
「ご遺骨がまだ、その土の中に眠っている。全部掘り出せていない。埋め立てに使ったら、もう掘り出せなくなる。やめてほしい」と訴える。
その訴え方も優しかった。
「助けてください」と呼びかけるのだ。沖縄県知事のデニーさんに。
何度も呼びかけ、デニーさんは県庁から出てきてくれていた。
その後、どうなったのかな。。
辺野古の基地については、他の映画では、「利権(建設会社などの)があるから、なかなか止まらない」という話があった。
米軍は逆に今後、沖縄の基地を縮小していく方針だそうだ。
また、沖縄戦のご遺族が希望すればDNA鑑定をして、自分とDNAが関係するご遺骨があったら受け取れるシステムも紹介されていた。
綿棒で口の中(頬の裏側)をこすって、その綿棒を郵送していた。
そのシーンからも、あたたかい気持ちが伝わってきた。亡くなった人を思い、一緒にいる感じといおうか。なかったことにしたり、知らんぷりしたりしていないのだ。
全編、優しい映画です。
「骨を掘る男」公式サイトで、具志堅さんの静かな、優しい声が聴けます。予告編で。1分くらいです。慰霊碑の名前を読み上げる子どもたちのきれいな表情も。
予告編だけでもおすすめです。
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