こんにちは。
「時代革命」を観ました。
香港の民主化を求める一般市民のデモのドキュメンタリー映画です。テレビのニュースでは見られない映像かも。
公式サイト…
「東洋の真珠」と呼ばれ、自由な都市だった香港。
1997年、香港はイギリスの統治から中国へ返還された。
2019年、中国は「逃亡犯条例改正案」で香港の犯罪容疑者を中国本土に引き渡す法を通そうとする。
「逃亡犯条例改正案の完全撤回」「普通選挙の導入」などを求めて、香港人はデモをした。
「光復香港、時代革命」(香港を取り戻せ、革命の時代だ)がスローガンだ。
700万人の人口のうち、200万人がデモに加わった。
無名の一般市民がSNSで現場の状況を知らせ合い、助け合う。
武装した警官隊が容赦なく一般市民に暴力をふるった。
一般市民の有志が救護隊としてケガ人の手当てをする。
香港人はなぜ、勇敢なのか?
158分の大作。
万障繰り合わせて、2回観に行った。
もう、個人的に今年のベスト3に入るかもしれない。
(まだ今年は終わってないけど)
心を揺さぶられる…。
デモに参加する一般の人たちのまっすぐな瞳。
10代、20代の若い人たちがたくさん参加していた。
ケガ人を手当てする救護隊の少年が14歳だった。
彼のがんばりには涙が出た。
救護「隊」というけど、単独でデモの中に飛び込んでいく。
ケガ人を救出して手当てし、ときには自分の装備まで渡す。
お年寄りたちも立ち上がる。
「子どもたち(若い人たち)を守りたい」と。
お年寄りがデモの最前線で警官隊に話しかける。
「暴力はいけない」「法を守ってほしい」と。
そしてデモしている人に、「警官隊が来るぞ!逃げろ!」と誘導する。
優しい。
そう、警官隊は容赦なく市民に暴力をふるうのだ。
催涙弾、放水、棒で殴りつけ、銃で撃つことさえあった。
警官隊だけではなく、(おそらく雇われた)白いTシャツの男性たちが、一般の人たちを棒で殴るシーンがあって衝撃だった。
女性も殴られる。
通報しても警察はなかなか来なくて、白いTシャツの人たちは1人も逮捕されなかった。
そんな世の中で、無力感からか、
若い人の自殺が増えたそうだ。
その一方で、警官隊が、自殺を装って、とらえた市民を海に捨てたり、高層ビルから投げ落とした疑いがある。水泳選手の女性が海で自殺できるだろうか。しかも全裸で。
警察署内で18歳の女性への性暴力もあったそうだ。
また、催涙弾を浴びると体調をくずし、女性は生理不順となり、黒褐色や黒色の血が出るという。
大学を包囲する警官隊。何千発も撃ち込まれる催涙弾。
放水。傘をさしたデモ隊が、数分ごとに最前列の人と交替することで踏んばっていた。
何日も続く包囲に、「大学生たちを助けろ」と、たくさんの大人たちが列をなし、続々と大学に向かってきて、警官隊に交渉する。(もちろん聞いてもらえない)
包囲を抜けようと、真っ暗な下水道を通って逃げた大学生がいた。「首まで汚水につかった。暗くて方向がわからなかった。つらかった。それに、汚水に沈んで亡くなっても、誰にもわからない。どうして22歳の大学生がこんなことを」と少し笑って話す。
笑って控えめに話していたけど、
汚水の中から、世界への叫びだ。
大きなデモだけれど、デモ隊のリーダーはいない。
SNSを駆使して、お互いに現場の状況を知らせ合い、役割分担をしてデモをする。スマホで位置や情報を確認する。
デモ隊の合言葉は「水のようになれ」(Be Water)。
水のように流れて、警官隊との衝突を減らしながら、また水のように集まり、デモを続行する。
また、現場の動画を皆が撮って共有するので、テレビで「けが人なし」と報道しても誰も信じない。
この映画にも監督が撮った映像とともに、皆が撮った映像も使われている。
デモ隊の人たちは、ヘルメットにガスマスク姿でお互いの顔も名前も知らないが、協力し合う。お互いのピンチに間髪入れずに助け合う姿があたたかい。
ある10代の子が、「親には知らせていない。バスケに行くと言って(デモに)来た」という。
もし知ったら、親は心配で胸がつぶれるのではないだろうか。
それとも、子どもの勇気に敬意を示すだろうか。
子どもたちがデモ隊に出ている姿は、言葉が出ない。
安全を祈った。
香港人700万人のうち、200万人の人が参加したデモ。
その姿をドローンで上空から撮影した映像は圧巻だ。
自由を求める人、人、人。海の波のように街に寄せて返す。
暴力も流血も実際のシーンなのでつらい。
あのような体験をして、数年後、数十年後には何が起こるだろうか。
一方で、10代、20代、ご年配の人が静かに語るシーンは胸に響いた。
「香港のために戦っているのではない。
香港人のために戦っている。次世代と未来の自由のためだ」(20代)
「親は『世の中は変わらない』と言った。でも、ぼくは『やってみないとわからない』と思った」(10代)
「勉強時間以外に失ったものはない。
自分が犠牲になっているとは思わない。
戦いは人生の一部だ」(20代)
たしかに。戦いは人生の一部なのかもしれない。
たとえ武器を取らなくても、
世界中で多くの人がそれぞれの現場で戦っていると思う。
「自由」とか「思いやり」のために。
このドキュメンタリー映画の中に見えたのは、「支配」だった。
支配するために、「暴力」を使う。
対話は行われない。
聞く耳を持たず、市民の声は無視する。
上から一方的に決めつけて命令するだけ。
そのシステムが明らかに現れていた。
家の中も、政治も同じだなと思った。
家の中で、
パートナーを「支配」しようとするとDV(ドメスティック・バイオレンス)となる。
大人が子どもを「支配」しようとすると、虐待、マルトリートメント(不適切な扱い、接し方)となる。
支配するために暴力を使ったり、おどしたりする点も同じだ。
そして、対話がないことも同じだ。
一方的に決めつけたり命令したりするばかりで、話し合ったり、パートナーや子どもの話をしっかり聴いたりはしない。
世界で起きていることと、家の中で起きていることは似ている。
相似形だ。
その逆で、暴力と支配を手放すには、
「対話」、「聴くこと」が必要だと思う。
まずは家の中から、あるいは身近な人の間で
「聴く」ことができたら、対話できたら、
世界はそこから変わっていくのではないだろうか。
エンドロールの後に、監督からのメッセージがあります。
この監督の目がまた、静かでまっすぐなのです。
「時代革命」の映画は、香港では上映できず、そういう映画があることさえ言えないそうです。「時代革命」という言葉を使っただけでも逮捕されることがあるそうです。
コロナの影響もあり、現在はデモは禁止されているそうです。
この映画は2019年のデモの記録です。
「(何かをしなくてもいいので)知ってもらうだけでうれしい」と監督が話しておられました。
予告編が印象的です。こちらから見られます。
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