こんにちは。
「Red」を観ました。
エリートの夫、真(間宮祥太郎)と真の親と、幼い娘と暮らす、塔子(夏帆)。
ある日、10年前に愛した男性、鞍田(妻夫木聡)と偶然再会する。鞍田の紹介で建築事務所で働き始め、いきいきする塔子。
鞍田と再び付き合い始めた塔子は、何かに目覚めたようだ。
また、職場の同僚、小鷹(柄本拓)は塔子に好意を持つ。
塔子、真、鞍田、小鷹は、どうするのか?
塔子のいさぎよさ。決断力がすごい。
その決断は見ていてつらかったけど、決断しなかったら、こんどは別の問題が起きてきただろうなとも思う。
夫の真がひどい。
帰宅して、「晩ご飯、食べる?」と塔子が聞いたら「いらない」と言って立ち去ったくせに、母親が「煮魚あるわよ」と声をかけたら、「おお、じゃ、食べようかな」とリビングに戻ってくる。
そのやり取りを聞いて、目を伏せる塔子。
失礼だとは思わないのだろうか? 夫も、夫の母親も。
悪気はないけど、配慮も思いやりもない。
きっと塔子のことを心を持つ人間だと思っていないのだと思った。
もしくは、気軽に無視していい存在だと思っているのか?
裕福なら広い家なのだからリフォームして二世帯にしたり、別の家を建てるか部屋を借りるかして、近居にしたりすればよかったのに。とも思う。
夫は自分にとっては快適だから、妻の気苦労を考えないのだろう。
しかも、両親の手前、妻にうそをつかせたりする。妻はそのうそに疲れている。そりゃー疲れるよなあ。見ている私もくたびれるくらい、不自然なシーンだった。
夫自身は、「自分はいい夫」だと思っている。
裕福だしエリートで、いい大学を出ていい会社に勤めてまじめに働いてるし、浮気もギャンブルもしない。妻ひとすじ。愛している。
でも、その愛し方は、お人形さんを愛するようだ。
妻の着る服を指定したり。
塔子は、その服は着たくなくて、気が進まないことを伝えるのだけど、「いや、あの服がいいよ。」と笑顔で決めつける。
妻の気持ちを尊重しない。
夫に好みがあってもいいけど。そういうときでも、
「そうかー、あの服を着た君がステキだし僕はあの服、好みなんだけど、残念だなあ。でも君が着る服だものね!わかったよ。どの服を着たいの?」と言えば、まだいいのだけど。
妻は、夫の着せ替え人形ではない。
夜は妻に一方的に奉仕させ、1人で満足して「ありがとう」と笑顔で言って眠る。妻は、自分が満足するための道具なのだろうか。
塔子に、「真君にとって、結婚て何?」と聞かれて、夫が答える。
「ただ一人の愛する女性と、生涯、いっしょにいること」というふうに。
一見、まともなことを言っているようだが、
「いっしょにいる」中身が問題だ。
いっしょにいればいいわけではない、どんなふうにいるか?だ。
妻を着せ替え人形扱い、道具扱いして、妻の気持ちを無視して、それで?
妻はどう生きたいのか、聞いたことはない。妻の人生を応援するつもりもない。自分の思い通りにする付属品みたいに考えているのではないか。
塔子の行動は、夫の目を覚ますだろうか。(浮気はよくないけど)
でも、夫の真も、これまで考える機会を持てなかったのだろうと思う。
裕福な両親に支配され、敷かれたレールの上を、「(親にとっての)いい子」になって歩いてきたのだろう。親の反対を押し切って何かをしたことはないのではないか?思春期も逆らわなかったのかも。
真こそ、親のお人形だったのかもしれない。だから、塔子を愛しても、塔子をお人形のようにして接してしまったのかもしれない。
行動する塔子を、真が目を細めてまぶしそうに見るシーンがあった。その、こころもとないような、素直な表情がよかった。真の思春期や親からの自立は、これから始まるのかもしれないと感じた。
両親の仲がこわれそうなときに、子どもが負う心の傷の深さを思うと、胸が痛む。子どもがケガをしたのも、本能的に母親を取り戻そうとしたのかもしれないと思った。
小鷹さんが面白かった。塔子を好きになるけど、支配しようとはしない。塔子に関心を持ち、味方となり、塔子の生きざまを見つめている。いい人だなあ。小鷹さんには愛がある、と思った。
仕事を始めて、才能を発揮し始める塔子さんがステキ。
ファッションも、行動的な女性のデザインになっていく。
夫や夫の親に合わせて自分を殺していた?ときの、いるのかいないのかわからないようなぼやけたファッションと対照的だ。
意志を感じるファッションで、かっこよかった。
表情も明るくなる。
女性も男性も、表情が明るくなるような生き方ができるといいな。
「相手を自分の思い通りにする」のは、愛ではない。
「相手の生き方を理解しようとしたり、理解できなくても(犯罪以外は)応援しようとする」ことが、愛なのだと思う。
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