こんにちは。
「ビート・パー・ミニット」を観ました。
実話をもとにした映画です。
（公式サイト…http://bpm-movie.jp/ ）
1990年代のパリ。
エイズのことが、まだよく知られていなかった時代。
「アクトアップ」という団体が活動していた。
エイズへの無関心と差別をなくすために。
ＨＩＶ陽性の当事者、
ゲイやレズビアンが多数参加。
毎週、集まって話し合い。
率直に意見を交わし合う。
ゲイプライドのパレード。
デモ行進。
製薬会社と交渉。
学校に押しかけて、
エイズ予防の方法を学生に伝える。
ＨＩＶ陽性のショーンは、熱心なメンバー。
ショーンに恋する、ＨＩＶ陰性のナタン。
二人は愛し合うが、
ショーンの病状は進行していく…。
第70回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞。（2017年）
「行動＝生存」であるという、
鮮烈さ。
「沈黙は死」なのだ。
黙っていたらエイズの自分は死んでしまう、
しかも新しくエイズにかかる人が増えてしまう、
生きている間に、治療法の開発を！
エイズ予防の知識を広めたい！
その気持ちが、痛いほど伝わってくる。
とにかくリアルで、
覚悟して観る映画だった。
上映終了後は、
映画館がシーンとしているような。
「黙っていたら、死ぬ」！！
その切迫感。
たとえゲイ、レズビアン、と知られて差別されても、
沈黙しない。行動して道を切りひらくのだ、
という強い意志。
「私は、人間だ。
人間らしく、尊厳を持って生きるんだ。」
その意志が、胸に響いてくる。
毎週、大学の教室みたいな部屋で
何十人も集まって会議する。
ルールが決まっていて、
・タバコは、廊下で吸う。
（体調の良くない人がいるから）
・廊下で会議しない。
（意見は教室で皆と話す）
・意見に賛成のときは、指を鳴らす。
（皆の声が聞こえるように）
などなど。
手話通訳の人がいて、
1名の聴覚障害者のために通訳していた。
議長のソフィが仕切り、
時間を有効に使って、次々と議題を進める。
フェアでフラット、スピーディ。
こんな会議は、なかなか見ない。
差別されている人たちだからこそ、
公平な場を作る意志がはっきりしてるのかな？と思った。
「命」の時間が限られているからこそ、
形式的なことなどしない。ダイレクトに率直に話す。
その潔さ。
いろいろな意味で、
最先端だったのではないだろうか？
高校？に突撃授業しに行くシーンが印象的。
アポなしで、突然、おしかける。
授業中の教室に入って行って、
「アクトアップでーす！」と元気に自己紹介。
エイズを予防する方法が書かれた
パンフレットを生徒たちに配り、コンドームを渡す。
怒り出す先生がいる。
一方で、「あら、いいわよ。
みなさーん、大切な話ですって」と
受け入れる先生もいて、すてきだった。
（まあ、乱入だから違法なんだけど…
）
何も知らされず、
知識がないまま、感染してしまうより、
教えてもらえた方がいいと思う！！
知らないと、身を守れない。
ショーンとナタンの恋愛が、せつない。
二人のやり取りがていねいで、胸を打つ。
ショーンのお母さんのおおらかさ。
よかったなー。
ゲイプライドのパレードでは、
ショーンは踊って思いきり、はじける。
自分が自分であることを表現して、
すがすがしく、本当に楽しそうな笑顔。
「パレードへようこそ」を思い出す。
コメディで見やすく、あたたかかった。
「ビート・パー・ミニット」の真剣さは、
胸をゆさぶる。
自分の生き方を、問われる気がした。
「自分は、何をする？
死ぬまでの間に？」とー。
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