昨日は超加工食品には依存性があることに触れました。

 

 

それで考えたのですが、

加工食品を食べているのは地球上で人間だけです。

(幸島の猿がサツマイモをを海水で洗って食べるなど、

 例外はあります)

 

超加工食品は脳の報酬系を刺激するのですが、

超加工食品の“何”が刺激するのでしょう?

糖分、塩分、脂肪分、その他味を増強する成分とされています。

それらが報酬系を刺激するのは、私たち生物が生きていくのに

必要とされる能力だったと考えられます。

糖はエネルギーになります。

脂肪はエネルギーの貯蓄や伝達物質の生成や分泌など。

塩は体液のバランスを保ち、神経や筋肉の働きを調整します。

必要だから、その味を好むようになったのでしょう。

 

以前私は動物の味覚についての話をしました。

 

 

犬は甘味を感じますが、猫は感じられません。

猫には糖分が必要無いのか?といえば、

そんなことはありません。

けれど猫は肉食に特化した動物なんですね。

肉さえ食べていれば、必要な栄養素を摂取できます。

一方犬は雑食です。肉だけでは足りない栄養素があります。

そして犬は甘味に敏感なんだそうです。

それぞれに進化の過程で得たものと捨てたものがあるわけです。

 

現代人は、必要以上の糖分や塩分、脂肪分を

食べられる生活環境を得ました。

食によって得られる快感は、

元々は生存本能と結びついていたのですが、

現代人の場合は苦も無く手に入ってしまうので、

そのための弊害が出てきたと言えるでしょう。

 

ならば私たち人間が、生物として次はどの方向を選ぶのか。

それが気になってしまいました。

生存のためには重要ではない過剰な快楽を

切り捨てる方向へ行かないのか?

 

進化は不可逆とされていますが、退行進化というものがあります。

 

 

美味しいものを食べて感じる多幸感を手放したくはないですが、

それによって過食を招き、健康を損なうことの危機感が強くなれば、

いつか私たちは、食の楽しみを今より求めなくなるかもしれません。

そういう方向の進化もあり得るのかなと思いました。

 

経済を考えるとそれは由々しきことなので、

かなり遠い未来でしょうけれど。