2018年 1月18日 ワイン会「Bon Vin Club」のスペシャル 第6回目が開催されました。
テーマ:シャトー・ムートン・ロートシルト 1982

・・・・・Wine Lists・・・・・
①Champagne Barons de Rothschild Brut
②Champagne Barons de Rothschild Rose
③le Chardnnay Domaine de Baron'Arques 2009
④Domaine de Baron'Arques Rouge 2008
⑤Almaviva 1997
⑥Opus One 1991
⑦Chateau Mouton Rothschild 1982
*パーカーポイント100点
Comments・・・・・
☆シャンパーニュ・バロン・ド・ロスチャイルド
「シャトー・ムートン・ロートシルト」を所有するバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド、「シャトー・ラフィット・ロートシルト」を保有するドメーヌ・バロン・ド・ロスチャイルド、そして「シャトー・クラーク」を保有し、金融業を主に営むバロン・エドモン・ド・ロスチャイルドの3社のロスチャイルドファミリーが、一家のこれまでの功績とロスチャイルド家の精神的価値を代表するシンボルとして、世界でも最も名声の高いワインの一つであるシャンパーニュを造ろうと考案されたのが、<シャンパーニュ・バロン・ド・ロスャイルド>です。
①フレッシュさとフィネスを保つため、発酵は温度管理されたタンクで、天然酵母を用いて約2週間かけて行われます。
発酵後はブレンディングまでステンレスタンクに入れて熟成します。デゴルジュマン後は6ヶ月間セラーにて休ませ、瓶詰め後4年間の長期熟成を経て出荷されます。
青みがかった黄金色で、泡はきめ細かく持続性があります。繊細でフレッシュな花の香りに、蜜りんご、トーストのアロマ、そして微かにコリアンダーやナツメグなどスパイスのニュアンスが加わる事により、深みも感じられます。
アタックは溌剌(はつらつ)としており、中盤からピノ・ノワールが与えるストラクチャーは、豊かで力強いものがあります。ジューシィと表現したい果実味と、柔らかな酸味が造り出すリッチなシャンパーニュは、豊かな広がりを見せ、長い余韻ももたらします。
②・・・①と同様に、シャルドネの聖地とされる「コート・デ・ブラン地区の中でも最高の区画である特級畑を中心とし、最高の区画から選りすぐったシャルドネを高い割合で使用しており、ピノ・ノワールは、モンターニュ・ド・ランス、ヴェルズネイ村(17あるシャンパーニュのグランクリュのうちの1つ)の畑の上質なものを使っています。
サーモン・ピンクの色調の美しいピンク色で、持続性のある泡が立ち上ります。繊細な赤系果実のアロマがあり、シルキーで口当たりは非常に滑らかです。
シャルドネの比率が高く、タンニンの印象が抑えられ、力強い余韻が長く続きました。また、ドサージュ(補糖)が控えめで、果実のみずみずしさ、純粋さを感じ取ることが出来ました。
☆ドメーヌ・ド・バロナーク
シャトー・ムートン・ロートシルトを所有する「バロン・フィリップ・ド・ロートシルト社」とラングドックの名門、シュール・ダルク社によって南仏ラングドック、リムーに立ち上げられ、ファーストヴィンテージのリリース(赤)は1998年です。カリフォルニアのオーパスワン、チリのアルマヴィーヴァに続き、ムートンの第3となる、プレミアムワイン・ジョイント・ベンチャーです。
ラングドック西端の高台にあるリムーには、地中海から温かい風が、大西洋からは湿度を含む風が、そしてピレネー山脈からは夜の涼しい風が吹き込み、これら3つの要素がワインに複雑性を与え、力強くもエレガントな味わいをもたらしています。
それまで白やスパークリングワインの産地として知られていたリムーでも、上質な赤ワインが造れることを証明し、新たに「AOCリムー・ルージュ」の原産地呼称を、2003年に認可させたという功績は非常に大きいと言えます。
③ルージュのファーストヴィンテージ(1998年)から遅れること約10年、ブランもリリースされることとなり、この2009年は記念すべきファーストヴィンテージです。
ぶどうは手摘みで収穫後、小さな籠に入れられ、熟成はオーク樽を使用して行われます。
外観は輝きのある深い黄金色で、ノーズは完熟したマンゴー、メロン、パイン、バナナ等の含み、徐々に樽からのバニラ香、バター、そしてアーモンドなどのナッツ系のニュアンスも現れます。
果実味はまさに、南国の熟したフルーツにかじりついたかのような、たっぷりとしたボリューム感がありますが、ミネラルによってしっかりと引き締められています。
リムーの豊かなテロワールを体現した、厚く、複雑味のあるシャルドネであり、非常に持続性のある長い余韻を伴います。
ブラインドでは、熟成した極上な「シャサーニュ・モンラッシェ」「ムルソー」と間違うのでは?と言いたいくらい、非常にクオリティが高い1本でした。
④ぶどう畑は、標高250~350メートルにあり、一部を除き、主に粘土と石灰岩土壌です。
3つの大西洋品種<メルロー50%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%、カベルネ・フラン10%>と、3つの地中海品種<シラー10%、マルベック10%、グルナッシュ10%>が植えられています。
ぶどうはシャトー・ムートン・ロートシルト、オーパス・ワン、アルマヴィーヴァと全く同様に12キロの小さなバスケットに手作業で摘み取られ、さらに醸造過程と樽熟成においても同じケアがなされます。
濃く深みのあるルビーカラーで、強調され芳香の強いノーズはほとんど花の様で、バニラ、プラム、スパイスのニュアンスを持ち、豊かで熟した、果実味のしっかりとした核を持ちます。
がっしりとしたタンニンと綺麗な酸により引き締められており、豊満かつエレガントな長い余韻をもたらします。
ボルドーと南仏の要素が絶妙に融合したワイン、そのクオリティは理想とする「ラングドックのグランヴァン」をついに完成させたと言える程秀逸です。
⑤ムートンとチリ最大かつ最高峰とされるワイナリー「コンチャ・イ・トロ」社とのジョイント・ベンチャーによって生み出されたワインです。チリの恵まれたテロワールとフランス流の技術の融合と言えるアルマヴィーヴァですが、ファーストヴィンテージの1996年(未発売のようです)がパーカーポイント92点を獲得し、一気に注目を浴びることとなりました。
それまでの、気軽で安価なワインの産地という印象のチリに「プレミアム・チリワイン」という、新しいカテゴリーを造り上げた立役者でもあります。
外観は深みのある濃いルビーレッドの色調で、熟したプラムやブラックベリーの黒系果実の豊満なアロマにバニラやシガー、甘草、スパイスなどの様々な要素が折り重なる、魅惑と言える香りです。チリのテロワールはワインに甘みを与え、ムートンの技術は、厚みと複雑味をもたらしています。
20年熟成しても若々しく、凝縮感のある果実味が圧倒的な存在感を示し、繊細な酸ときめ細かなタンニンのバランス、そして心地良い余韻が長く感じられました。
⑥「オーパス・ワン」はワイン界の2人の巨匠の夢から生まれました。
シャトー・ムートン・ロートシルトの「バロン・フィリップ・ド・ロートシルト」、そしてもう1人がカリフォルニアワイン界の重鎮・パイオニアと言われる「ロバート・モンダヴィ」です。
1960年代、フランスおよび世界のワイン市場でカリフォルニアワインがほとんど流通していなかった時代、バロン・フィリップ・ド・ロートシルトは男爵は、自らカリフォルニアを訪れました。カルフォルニアでは、ボルドーにおけるグレートヴィンテージの条件である、乾燥し日照も充分である気候が毎年繰り返されるという事に感銘を受けました。
そこで、即カリフォルニアでのワイン造りを決意します。
一方のロバート・モンダヴィは、カリフォルニアの中でも群を抜く優良地帯、ナパヴァレーで1966年に自身の名のワイナリーを設立していました。
彼らがともにワイン造りを行うにあたって定めたコンセプトは、ボルドーの伝統的ワインメイキングを尊重しながら、カリフォルニアの豊穣なテロワールを活かし、唯一の最高品質のワインを造るということでした。
オーパス・ワンとは音楽用語に由来し、「作品番号第1番」を意味します。フィリップ・ド・ロートシルトが、「1本のワインは交響曲、1杯のグラスワインはメロディである」というコンセプトで始めたことから命名されました。
100%フレンチオークの新樽で約18カ月の熟成、最終的なブレンド後に瓶詰め、さらに18カ月程度の熟成を経てリリースされます。
僅かに褐色がかった深いルビーレッドカラーで、濃縮したカシスを彷彿とさせる豊かなアロマにバラの花びら、ナツメグなどスパイスの要素も加わります。力強いテクスチャーを伴う、クリーミーで柔らかい飲み口、凝縮感のある深い果実味、甘美なタンニンと美しい酸が完璧な調和をなしています。
ボルドーらしいエレガントさと、カリフォルニアの豊潤さを絶妙に融合させたワインとして、1979年のファーストヴィンテージのリリース以来世界中の注目を集め、今やカリフォルニアワインの最高峰と呼ばれています。
⑦今や5大シャトーの一角を担うムートン、ロスチャイルド家がこのシャトーを買収したのは、1853年の事でした。
1855年、パリ万博時に制定のメドックの格付けにおいて、必ず1級を取るであろうと評されていましたが、まさかの2級に格付けされてしまいます。当時の当主であったバロン・フィリップ男爵は「1級にはなれないが2級には甘んじれぬ、ムートンはムートンなり」と言い放ち、1級になるために並々ならぬ努力を重ねました。
そしてメドック格付けから118年後の1973年、4世代にわたる努力の末、ムートンは悲願の1級昇格を果たします。
今なおボルドーワインの指針として存在するメドックの格付けは、160年以上の歴史を誇りますが、中でただ唯一、格付け変更が許されたシャトーが、この「シャトー・ムートン・ロートシルト」です。
1991年には白ワイン「エール・ダルジャン」の生産を、1993年にはセカンドワインである「ル・プティ・ムートン・ド・ロートシルト」の生産を始めました。
その後カリフォルニア、チリ、南仏リムーで現地の著名ワイナリーとのジョイントによる、ハイクオリティな「プレミアムワイン」も積極的に手がけてきました。
ワインのクオリティもさることながら、ムートンのオリジナリティと言えるのは、ラベル(エチケット)です。1945年以降毎年、巨匠美術家により制作された特別な絵画作品がラベルに記載されており、ワインコレクターのみならず美術コレクターも欲しがるようです。1979年ヴィンテージは、日本人として初めて堂本尚郎氏がムートンのラベルを描きました。12年後の1991年ヴィンテージには、再び日本人アーティストの絵画が描かれています。
5大シャトーの中で最も"豪勢"と言われるムートンは、濃厚で芳醇、ふくよかで肉づきのよい、リッチなテイストと表現されることが多いようです。
コーヒー、バニラ、きのこ、スパイス、なめし皮のような香りは何層にも重なっているかのようで、非常に複雑です。
豊かな果実味に、熟成を経て角が取れたタンニンと柔らかな酸が溶け込んだ35年物のムートン、そのうっとりとさせるエレガンス、アフターには、深く長い余韻が口中に残りました。