2019年8月23日(水)、ワイン会「Bon Vin Club」の132回目となる例会が開催されました。
テーマ:世界のピノ・ノワールをブラインドで
世界中のワインラヴァーを魅了する「ピノ・ノワール」
【歴史と変異種】
ピノ・ノワールは、フランスのブルゴーニュ地方を原産地とする、赤ワイン用の黒ぶどう品種です。
非常に古いぶどうとされており、4世紀頃から栽培が行われていたという記録があります。現在世界で栽培されている多くの国際品種(シャルドネやシラー、ソーヴィニヨン・ブランなど)の祖先でもある事が判明しています。
突然変異しやすいぶどうで、果皮の色が白に変異したピノ・ブランやピンクに変異したピノ・グリもワイン用の国際品種となっています。
【特徴】
果皮が薄いため、ワインの渋味成分であるタンニンが少なく、また、豊富な酸が含まれる果肉は、ベリーやチェリーのようなフルーティーな香りを持ちます。
透明度が高い、華やかでエレガントな、柔らかい味わいのワインに仕上がる傾向があり、長期熟成を経たワインは、より繊細で複雑な味わいへと変化します。
【栽培】
ぶどうが一気に成熟する暑い産地では、その味わいの特長を失いやすいことから、ピノ・ノワールの栽培は、比較的冷涼な気候で石灰質の土壌が非常に適しています。
かつては限られた土地でのみ育成されていましたが、近年ではヨーロッパを中心に世界各地での栽培が可能となり、その土地の影響を受けた様々なピノ・ノワールが誕生しています。
【ワインの醸造】
ピノ・ノワールは幾つかの例外(シャンパーニュなど)を除いて、ピノ・ノワール100%でワインを造る事が大前提です。
単一品種で造るため、土地による味わいの違いを明確に映し出す品種とされ、原産地であるブルゴーニュでは畑が数メートル離れただけで、異なる味わいのワインが生まれ、何倍~何十倍もの価格差がつく事もあります。(造り手の影響も非常に大きいです。)
【その他の呼び名=シノニム】
国や地方ごとに色々な呼び名があります。例えばドイツではシュペート・ブルグンダー、イタリアではピノ・ネロ、オーストリアではブラウアー・ブルグンダーなどです。
・・・・・・Wine Lists・・・・・・
①Paul Garaudet Cremant De Bourgogne Brut
②Yering Station Village Pinot Noir 2015
③La Gibryotte Bourgogne Pinot Noir 2014
④Weingut Markgraf Von Baden Durbacher Schlossberg Spatburgunder Erste Lage 2016
⑤Duck Pond Cellars Pinot Noir 2016
⑥Elgin Ridge 282 Pinot Noir 2014
・Comments
①モンテリーに居を構え、同村の生産者組合長を務め、コント・ラフォンの醸造長を務めた事でも知られるポール・ガローデはこの村の重鎮的存在とされています。お膝元のモンテリーに4つの1級畑を所有するだけでなく、ヴォルネイ、ポマール、ムルソー、ピュリニー・モンラッシェにも畑を所有し、赤と白の面積割合は約半々で、合計10.5haです。
テロワールの特徴を引き出すため、リュット・レゾネでぶどうを栽培し、農薬の使用は可能な限り抑えています。
クレマン・ド・ブルゴーニュは、モンテリーのピノ・ノワール70%にムルソーのシャルドネ30%から造られます。
丸くクリーミーな泡が立ち上ります。熟した洋ナシを思わせる果実味を、しっかりとした酸が引き締め、ミネラルとのバランスも良く取れており、きれいな長い余韻が持続します。
②1838年、スコットランド出身のライリー兄弟がメルボルンの東わずか45キロ程の距離にある、ヤラ・ヴァレーにぶどうを植えたのがワイナリーの始まりです。
1889年、イエリング・ステーションはパリ万国博覧会でグランプリを獲得し、一躍世界中の注目を集めますが、20世紀に入るとフィロキセラの蔓延、経済不況等が重なり、急激に衰退してしまいます。
1996年にラスボーン・ファミリーがワイナリーを購入し、栽培面積を増やすと同時に畑を緻密に管理するなど、大幅なてこ入れを行い、2004年にはロンドン・インターナショナル・ワイン・チャレンジにて「インターナショナル・ワイン・メーカー・オブ・ザ・イヤー」に輝くなど、ようやくかつての名声を取り戻しました。
赤~黒のチェリーのアロマに、土やスパイス、バニラ香が加わるかのようです。豊かな果実味と、きめ細かいタンニンが調和し、エレガントな骨格を形成しています。
③ラ・ジブリオットは、ジュブレ・シャンベルタン村でトップ生産者として評価の高い「クロード・デュガ」が、新たなネゴシアンとして立ち上げたワイナリーであり、クロード氏の監修の下、氏の子供たちがワインを生産しています。
ネゴシアンとして入手した30前後のサンプルがあり、家族全員でぶどうの持つ芳香と個性を重視して厳選し、ラ・ジブリオットのカーヴにて、デュガと同様にオーク樽熟成をさせる事により、デュガの伝統と信念を受け継いだ、高品質なワインに仕上がります。
ルビーの色調で、ブラックチェリー、カシスなどの黒い果実、キノコ、シナモンなどのスパイスの香りが、何層にもわたって重なり合うかのようです。豊富ながら、複雑で柔らかい果実味があり、きめ細やかなタンニンと穏やかな酸とのバランスが絶妙です。
エレガントで深みのあるピノ・ノワールで、美しく長い余韻をもたらします。
④同家は20世紀初頭までの約900年間に亘り、バーデンの地を統治してきたロイヤル・ファミリーであり、エリザベス女王・フィリップ殿下を親族に持ち、スペイン王室、ギリシャ王族、モナコ公国などヨーロッパの王族とも姻戚関係にあります。
代々続き、1960年代以降衰退した一族のワイン造りですが、復活させたのが現当主ベルナール殿下であり、現在は所有する城の一部を大学として開放する一方、3つの城でそれぞれのテロワールを活かしたワイン造りを行っています。
あくまでも手を加えすぎず、ぶどうを自然のままに表現することを第一と考え、さらにワインに凝縮感を出す目的で、すべてのぶどうの房を早い段階で半分に切り取る作業をするなどしています。
エアステ・ラーゲは、ピノ・ノワールを栽培して1000年の歴史を持つ蔵元が造る1級畑のワインです。樹齢26年のピノ・ノワールをオーク樽にてマロラクティック発酵後、さらにフレンチオーク樽で15ヶ月熟成させます。木苺を思わせる華やかな香りがあり、厚みの感じられるきれいな果実味と、細やかなタンニンがワインを支え、心地よいエレガントな余韻へと続きます。
⑤ダック・ポンド・セラーズは、1993年にダグ&ジョアンのフリース家によって設立されました。アメリカはワシントン州、オレゴン州にまたがって創業時の実に65倍という、約340haもの広大な畑を所有しています。
オレゴン側、ワシントン側のどちらの畑も絶好の立地にあり、そこから育まれる冷涼な気候からの美しさと、アメリカらしい果実味を両立させたワインをリリースする、この地のトップ生産者の一人とされています。
2010年オレゴン・ワインアワードにおいて「ダブルゴールド」を、2010年ノースウエストワインサミットにて「ベストオレゴン・ピノ・ノワール】を受賞するなど、華々しい経歴が見られます。
外観は、輝きのある赤みがかった明るいルビー色で、ラズベリー、チェリー、イチゴ、ほのかになめし皮や樽香も感じられます。
豊かな果実味を透明感のある酸味が引き締め、まろやかなタンニンともバランス良く調和し、綺麗な余韻を残します。
⑥エルギン・リッジは南アフリカ屈指のクールクライメイト(温暖産地のものよりも、冷涼産地でつくられたワインの方が風味が濃いという現象)を誇る銘醸地、エルギン・ヴァレーにマリオン&ブライアン・スミス夫妻によって2007年に設立されました。この地区で最初にビオディナミ認定を取得した自然派ワインのパイオニア的存在で、現在8ヘクタールの土地を所有し、うち5ヘクタールでぶとうを栽培しています。
斜面上で栽培される畑の標高は海抜282m地点の高台にあり、エルギン・リッジの単一ワインシリーズはこの「282」をブランド名にもしています。
輝きのあるガーネットの色調で、チェリー、スミレ、ハーブ、紅茶、森林を思わせるような香りがあります。優しい果実味と、キメが細かい柔らかなタンニンが調和し、きれいな余韻には苦みや潮味など様々な要素が感じられます。
世界的なワインジャーナリストのジェイミー・グッドより91-93点の高スコアを与えられ、インターナショナル・オーガニック・ワイン・アワードにおいては銀賞を受賞しています。









