2020年7月15日(水)、ワイン会「Bon Vin Club "Special"」の22回目となる例会が開催されました。
テーマ:クリュッグ・クロ・デュ・メニル1988
①Guy Charlemagne Grand Cru Reserve Blanc de Blancs
ギィ・シャルルマーニュ・グラン・クリュ・レゼルヴ・ブラン・ド・ブラン
生産地:フランス>シャンパーニュ>コート・デ・ブラン地区>ル・メニル・シュール・オジェ村
生産者:ドメーヌ・ギィ・シャルルマーニュ
ぶどう品種:シャルドネ
ドメーヌ・ギィ・シャルルマーニュは、シャルドネの聖地「コート・デ・ブラン」の中でも、最もエレガントでミネラルに溢れ、長命なシャンパーニュを生み出すル・メニル・シュール・オジェ村に、1892年に創業されました。
サロン、クリュッグの二大巨頭が有名ですが、最も良質な区画を所有するギィ・シャルルマーニュの品質はそれらにも引けを取らず、テロワールを体現する至高のブラン・ド・ブンを醸し出しています。
グラン・クリュ(特級畑)のシャルドネのみが使用され、外観は綺麗な色調の黄金色で、柑橘系の香り、フレッシュな酸味とリンゴの蜜のような豊かなアロマ、ヘーゼルナッツやイースト香のニュアンスも感じられます。
ドメーヌの真向かいに位置する「サロン」以上にメニルらしさを醸し出す造り手として、各種ワイン誌で抜群の評価を得ています。
②Puligny-Montrachet Les Levrons Maison Saint Nicolas 2009
ピュリニー・モンラッシェ・レ・ルヴロン・メゾン・サン・ニコラ 生産地:フランス>ブルゴーニュ>ピュリニー・モンラッシェ
生産者:メゾン・サン・ニコラ
ぶどう品種:シャルドネ
メゾン・サン・ニコラは、16歳でボーヌの醸造学校を終えた後、ブルゴーニュの有名な造り手の元(コント・ラフォン、ルーミエ等)そしてオーストラリア、カリフォルニアで修業を積んだ、ニコラ・ポテル氏が立ち上げたものです。
メゾン立ち上げ以前から付き合いのあったほとんどのぶどう生産者と関係が続いており、安定した高品質なぶどうが供給されています。ルヴロンはピュリニー・モンラッシェの斜面下部に位置する畑です。
外観はグリーンとオレンジが入り混じったような色合いで粘性は強く、熟したパイナップル、バナナなどの南国系フルーツのアロマが非常に豊かです。蜜のような凝縮感に溢れた果実味と穏やかな酸、しっかりとしたミネラルによって構成され、たっぷりとしたボリューム感と繊細さも醸し出しています。
③Domaine Larue Saint Aubin 1er Cru Sur le Sentier du Clou 2012
ドメーヌ・ラリュー・サン・トーバン・プルミエ・クリュ・シュール・ル・サンティエ・デュ・クルー
生産地:フランス>ブルゴーニュ>サン・トーバン
生産者:ドメーヌ・ラリュー
ぶどう品種:ピノ・ノワール
ドメーヌ・ラリューは信頼に基づく家族経営で成り立っています。長男は選定などのぶどう樹の担当を、弟のディディエ氏は醸造とPRを、2006年にドメーヌに加わった長男の息子のブリューノ氏は耕作などの土壌を担当しています。
畑はラリュー家の発祥の地であるサン・トーバン、シャサーニュ・モンラッシェ、ピュリニー・モンラッシェ、アロース・コルトンの4つの村に広がっています。
ワインは黒い果実のニュアンスがあるものの、優しい果実味と穏やかな酸・タンニンの調和が見られ、チャーミングで、そしてエレガントな印象を受けます。
持続する余韻は、控えめながら華やかさが感じられます。
④Vosne Romanee Domaine Robert Sirugue 2009
ヴォーヌ・ロマネ・ドメーヌ・ロベール・シリュグ
生産地:フランス>ブルゴーニュ>ヴォーヌ・ロマネ
生産者:ロベール・シリュグ
ぶどう品種:ピノ・ノワール
1960年創業の、ヴォーヌ・ロマネ村に本拠を構える非常に小規模な生産者です。顧客は個人客が主体で、一般マーケットでの流通量は極僅かとされています。
働くスタッフは女性が多いため、ワインにも女性らしい繊細さが表れており、さらに化学薬品を使用しない害虫対策など、地球環境に配慮した高品質ワインを生み出す為の真摯な取り組みが随所に見られます。
近年、クラシックなスタイルからエレガンス感溢れるスタイルへと見事な変貌を遂げ、新たなファンの獲得につながっています。また、数年前からDRCが使用しているものと同じ選別機械を導入し、品質は飛躍的に向上しました。
樹齢の高い複数の区画のぶどうから造られます。香りはブルーベリー、フランボワーズ等のベリー系、フローラルなニュアンス、さらにはミネラル感や土っぽさも感じさせます。
目の詰まった凝縮感のある果実味、心地よさ感じさせる上質な酸味、ミネラルは清らかで純粋な印象です。それらと上質なタンニンが相まった、エレガントなワインです。
□クリュッグ
ナポレオン帝政時代にドイツのマインツで生まれ、ドイツ最古のワイン生産地であるモーゼル地方で育ったクリュッグ・ヨーゼフは、3か国語に堪能な才気あふれる青年に成長し、24歳の時に貿易業者としてフランスに向かいました。
パリの芸術家たちが多い地区に暮らすことで、多くの刺激を受け感覚を磨き、34歳の時に当時フランスで有名メゾンとして急成長していたジャクソンのセラーで働き始めます。これがシャンパーニュの生産に触れる良い機会となりました。
この頃、創業者メミーの跡を継いで息子のアドルフがジャクソンの当主となっており、ヨーゼフはそのアドルフの妻の妹と結婚して、ジャクソンで安定したキャリアを積んでいましたが、仕事を通して多くの地域を訪れ人々から影響を受けていく中で、いつか自分の思い描くシャンパーニュを造りたいという、独立への望みは大きくなっていきました。
1840年にランスのワイン商イポリット・ド・ヴィヴェと出会ったことで、その希望は徐々に形になり始めます。
その後3年に渡って二人は思い描いたビジョンのために、新しいブレンドを模索するなど共同で準備をし、1843年には、念願であったクリュッグを設立しました。
ヨーゼフが目指していたのは、当時天候に左右されがちだったシャンパーニュの品質や味を安定させ、毎年最高の品質のシャンパーニュを生産することで、それには、区画ごとのテロワールを十全に表現した個性的で良質な味わいのワインが必要でした。
年代が異なるリザーブ・ワインのライブラリーは、アッサンブラージュによってシャンパーニュの芳醇さや豊かなニュアンスを構築するために役立ち、クリュッグが天候とは無関係に卓越したシャンパーニュを造り続けることを可能にしました。さらに70年代初頭には、安定的なぶどうの確保のため26.74haの自社畑を取得しました。これにより、毎年必要なぶどうの40%を自給しています。
ぶどうの個性でその価値を見極めていくクリュッグのテイスティング委員会では、醸造責任者のエリック・ルベルほかのメンバーが、その年の250種のワイン、保存されている150種のリザーブ・ワインをテイスティングします。合計400種ものワインを扱いアッサンブラージュをし、詳細なテイスティングメモが、毎年ルベルによって記されます。
クリュッグが他のシャンパンハウスと違うポイントとして、特に小樽による発酵にこだわっている事です。平均して30年以上の古樽を使い、低温で長期発酵させることで、他のシャンパンには無い複雑さが醸し出され、まさに個性的かつ華麗で、忘れがたい味わいのシャンパーニュが完成します。
一般的な考えや決まりにとらわれず、また手間や努力をいとわず、常に最高の品質を追求するシャンパーニュ造りの哲学は、創業者のヨーゼフから現在の6代目まで受け継がれています。
クリュッグの愛飲家を意味する「クリュギスト」という言葉まで生み出し、シャンパーニュ界の孤高のエリート、帝王とまで言われるクリュッグは、現在は属すグループがレミー・マルタンからLVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)へ変わりましたが、その伝統的醸造方法を頑なに守りつつ、世界の最高峰のシャンパーニュ・メゾンとして君臨し続けています。
⑤Krug Grande Cuvee
クリュッグ・グランド・キュヴェ
生産地:フランス>シャンパーニュ
生産者:クリュッグ
ぶどう品種:非公開
「グランド・キュヴェ」はクリュッグのスタンダードながら、上級キュヴェと同様に小樽での一次発酵、そして50数種におよぶキュヴェ・クリュの異なる6~10年ものヴァン・ド・レゼルヴをブレンドしています。これこそ同社がグランド・キュヴェを「ノンヴィンテージ」と呼ばずに「マルチ・ヴィンテージ」と呼ぶ所以です。
複雑で優雅な、一貫した味わいのグランド・キュヴェを毎年造り出しているという事実は、クリュッグの醸造チームのアッサンブラージュ技術の高さを証明しているとも言えます。
絹のようなと表現したい程の繊細な泡は、まるでムースのようで、トースト、ナッツのアロマから始まり、蜂蜜やドライフルーツ、香ばしく甘いビスケットなどの芳醇な香りへと続き、言葉では言い表せないほどの複雑な香りが絡み合うようです。
口中では、豊潤さとバランスのとれた味わいの絶妙なハーモニーが広がり、余韻は長くナッティで香ばしい風味が漂い、フィニッシュは華やかでフレッシュな風味で締めくくられます。
⑥Krug Clos du Mesnil 1988
クリュッグ・クロ・デュ・メニル
生産地:フランス>シャンパーニュ>ル・メニル・シュール・オジェ
生産者:クリュッグ
ぶどう品種:シャルドネ
クロ・デュ・メニルは、ピノ・ノワールで造られるクロ・ダンボネと並ぶ、クリュッグの最も大切なキュヴェの一つです。
クロ(石垣)に守られた僅か1.8haほどの歴史ある小さな畑の、単一年に収穫されるシャルドネから造られる最高峰のブラン・ド・ブランです。
クリュッグが畑を手にした当時、ぶどう樹が傷んでおり、植え替えの必要があったため、すぐにシャンパーニュを造る事が出来ませんでした。
徹底的な手入れを終え、畑を買ってから約15年経ちやっと出来上がったファースト・ヴィンテージは1979年もので、発売は1986年した。他の多くのシャンパーニュは、畑を複数会社でシェアするか、ぶどうを買い付ける為
に畑名を名乗ることができませんが、モノポールであるクロ・デュ・メニルと、フィリポナのクロ・デ・ゴワセは、畑名を名乗る事が出来るたった二つのシャンパーニュです。また、クロ・デュ・メニルのエチケットには畑のイラストが描かれており、クロ(石垣)に囲まれていることが見て取れます。
ブラン・ド・ブランのフレッシュなピュアさとともに、果実の凝縮感と蜜の強い香り、それに劣らないブリオッシュやビスケット、クレームブリュレなどの甘さを伴う香り、さらにモカを思わせる樽の香りが立ち上がるかのようです。
溶け込んでいる泡はキメ細かく繊細で立体感も感じられ、味わいは高いレベルで甘みと酸のバランスが取れており、非常に柔らかいアタックも印象的です。
黒ぶどうを感じさせる程のスケールの大きさと複雑さ、シャルドネがもつ華やかさと繊細さを持ち合わせていることは、クロ・ド・メニルという畑がいかに優れたものかを証明しているかのようであり、心地よいミネラルとコクを感じさせる複雑な長い余韻へと繋がります。



